果たせなかった絶景の罰ゲーム | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズでは、毎回罰ゲームが話題になり、我々も常にどのような罰ゲームが出来るのか、頭を悩ましていました。
第9回ヨセミテ国立公園に行った時のお話です。

イズ会場はヨセミテ国立公園でのポイントとも言える、絶壁エル・キャピタンのすぐ下に位置する広場に決まりました。

エル・キャピタン


この絶壁は、高さが1,100メートルという、世界でも珍しい一枚岩なのだそうです。
雄大な大自然の中で、思い切り大声を張上げたらさぞやすっきりする事だろう、とこの地では大声クイズをする事に決まりました。

イズ会場が決まれば、次は罰ゲーム案の検討ということになります。
アイディアとして一番多かったのは、ロッククライミングを体験させるというものでした。
というのは、このエル・キャピタンはシーズンともなると、毎日ロッククライミングをする人達が訪れ、多い時には同時に数十人が登頂に挑戦しているという情報がありました。
世界のより難しい山のクライミングに向けた、格好の練習場所になっていたのですね。
とはいえ、
「素人に挑戦させるなどは、もっての他」
という専門家の声があり、この案は却下されてしまったのです。
(当然といえば当然の判断です)

局この地で敗れた敗者の2人には、大声が出し切れていなかったという理由で、声の出し方を根本的に訓練する場を与えようと言う事になりました。
負けたのは大声が出せなかった、男女の2人さん。
彼らに与えられたのは、何と森林を走るSL列車の人間汽笛になってもらおうという罰ゲームでした。
SL列車の最前部にしっかりと縛られて固定され、機関手の小父さんの合図でピーポー、ピーポーと大声を張上げて、障害物に知らせなければならないという情けない訓練です。

の声を聞いていたのは、狸や狐、熊など森に棲む動物達だけだったようです。
「勝てば天国、負ければ地獄」を地でいったような罰ゲームでした。

ヨセミテ罰ゲーム