アメリカ横断ウルトラクイズは、毎年1ヶ月近いスケジュールで行なわれます。
飛行機のオーバーエクセスを考えると、費用の節約からスタッフ、出場者共にスーツケースは1人1個と決められています。
旅の間に改まった服装をするのは、出場者が決勝戦に望む時だけで、スタッフは特別正装の必要は無いのですが、格セクションのチーフともなると、何時どのような場面に出会うかも知れません。
一応ジャケットとネクタイくらいはスーツケースの片隅に寝かせておく必要があります。
一応ジャケットとネクタイくらいはスーツケースの片隅に寝かせておく必要があります。
毎年本番は9月の陽気の良い時期だったので、普段はTシャツかトレーナーにGパンといった楽な格好で過ごすので、楽といえば楽なほうだったでしょうね。
しかし、コースによっては寒暖の変化が多いコースに当たる場合があります。
例えば、第7回のコースで振り返って見ましょう。
グアム、ハワイは常夏の世界ですからTシャツでOKです。
夕方寒さを感じれば、全員に配布されているお揃いのスタッフジャンパーを羽織れば充分です。
夕方寒さを感じれば、全員に配布されているお揃いのスタッフジャンパーを羽織れば充分です。
ところが、次のチェックポイントはカナダのバンクーバーになりました。
会場となったのはカナダの森の中で、そろそろ紅葉も始まる季節でした。
常夏のハワイとの気温差は20℃、流石にTシャツだけでは寒いので、トレーナーを羽織ったり、セーターを出す人もいます。
勿論、これらの衣装は、自分のスーツケースから引き出すわけです。
特に女性の挑戦者はテレビ写りの事も考えますから、組み合わせに苦心する事になってしまいます。
首にバンダナを巻いたり、周囲のお店で帽子を買ったり、それぞれが工夫を凝らすのは別の楽しみだったかもしれません。
バンクーバーが終わって、次は同じカナダのジャスパーに移動しなければなりません。
ジャスパーはカナディアンロッキーの北のリゾート地として知られています。
ハワイが夏、バンクーバーが秋、そしてジャスパーは真冬なのです。
何しろクイズ会場は大きな雪上車でなければ行けないような、コロンビア大氷河なんですから、辺りの気温だって当然氷点下です。
私たちはロケハンで約3ヶ月前に来ていますので、寒さも経験済みですから、バンクーバーのショッピング・センターで防寒着と厚手の手袋を買っています。
勿論、他のスタッフにも、その情報を流していますので、彼らも寒さ対策はしているのですが、履物までは手が廻りません。
そんな時には番組の予算で長靴を大量に購入して、全員に配布するといった工夫もしました。何故なら個人が長靴など買ってしまっては、スーツケースにしまって運ぶのが大変だから。
その辺の気配りはロケーション・マネージャーの手腕にかかっています。
そんな時には番組の予算で長靴を大量に購入して、全員に配布するといった工夫もしました。何故なら個人が長靴など買ってしまっては、スーツケースにしまって運ぶのが大変だから。
その辺の気配りはロケーション・マネージャーの手腕にかかっています。
私などは、都会と田舎の町では履く靴も変えたり、結構気を使っていたので、毎日スーツケースに荷物を詰め組むのに、苦心賛嘆した物でした。
しかも、行く先々に有名メーカーのアウトレットがあったものですから、軽薄にも新しいシャツやジャンパーを見つけるとすぐに欲しくなって、次々と衣装が増えて、ニューヨークに着いたときには、別便で荷物を送るような馬鹿な真似をしていました。
それでも、当時は外国で品物を買うと、税金だけでなく、日本で買うよりもかなり安く手に入る事が出来たのでした。
何しろウルトラクイズの時代はバブル全盛の時代で、私なども必用以上にブランド物に目移りしていて、若さゆえの流行り病のようなものですかね。
結局、スーツケース1つで出発した筈なのに、帰ってくる頃にはそれが2個、3個、と増えていました。
結局、スーツケース1つで出発した筈なのに、帰ってくる頃にはそれが2個、3個、と増えていました。