地獄の風景バッドランド | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズは通算で17回放送しています。
と、なるとアメリカ大陸はくまなく歩いた様な気もしますが、その中でも忘れられない景色のひとつに、第11回で訪れたバッドランドがあります。
あの世に地獄というものがあるならば多分こんな景色だろうな、と思わせるほど荒涼たる景色なのです。

↓バッドランド

バッドランド1


渡す限りに、岩山が立っていて、50万年の歳月をかけて水と風の浸食作用で出来上がった風景だそうです。
その昔、アメリカ開拓時代に、幌馬車も通れないところから、バッドランドの名が付いたのだと伝えられています。

↓バッドランド

バッドランド2


所はサウスダコタ州の南西部に位置する国立公園です。
といっても旅行会社がツアーのコースに組み込むのには、かなりの勇気がいるのではないでしょうか。
なぜなら、参加者からブーイングが来そうな、そんな恐ろしい景色だからです。
奇妙な岩山、崖や峡谷の他、尖峰の上に乗る大きな岩石、こんな場所には動物もあまり住めません。

メリカ国内で唯一野生のバッファロー(アメリカバイソン)が棲んでいて、運が良ければ、その群れに出会える事があるという話を聞きました。

↓アメリカバイソン

アメリカバイソン


内してくれたパークレンジャーに、バッファローの群れにアポを取れないものかと訊ねたところ、我々だって時々しか出会えないのだし、ロケの日に見られる確率は限りなく低いと断言されてしまったのです。
ついでにこの時に聞いたバッファローの習性ですが、彼らはとっても自分本位で、例えば隣で餌を食べている仲間が鉄砲で撃たれて倒れても、全く無関心で逃げもしないのだそうです。
だから、西部開拓時代に沢山のバッファローが狩りで撃たれて、絶滅に近い状態になったのだと教えてもらいました。
といって、この話が事実かどうかは確証が取れていないので、そんな言い伝えがある、程度に記憶してくだされば良いかと思います。
実際は、ロケの日にやっぱりバッファローの群れには出会えませんでした。

た、このバットランドにはプレイリードック(草原の犬)と呼ばれる可愛らしいリスのような小動物が、アチコチに穴を掘って棲んでいます。
人間が近付くと、ヒョイと穴の中に頭を引っ込める、丁度もぐら叩きのモグラのような動きをします。
そのヒョーキンな姿が可愛らしいというので、たまに訪れる観光客には人気があるそうです。

↓プレイリードッグ

プレイリードッグ


々この地はアメリカ・インディアンのスー族の領土だったそうです。
といっても生活の場ではなく、儀式のための聖地として崇められていたのだそうです。

我々は、アメリカのあらゆる景色を紹介したいという大前提から、このバッドランドを選び、「国境突破、一足飛びクイズ」という変則的な形式のクイズを行ったのでした。

※早押しで2問正解すると、国境を突破して一気にメキシコまで行けるクイズへの挑戦権が与えられる。但し、そのクイズに失敗すると折角獲得した2ポイントがパーになってしまうと言う意地の悪いルール。
メキシコに行けるのは10人のうちたったの2人だけ。後は2ポイント勝ち抜いて次のチェックポイント、リンカーンへ駒を進めなければならないという形式である。。