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「ただの・・・人間だ!!」




「私は、人間の側からアギトを滅ぼすための使者として、あなたを復活させた。だが、その必要はなかったようです・・・。人間は、いずれアギトを滅ぼします」
「いや、あなたは人間を創りながら、人間のことを何も知らない。人は・・・アギトを受け入れるだろう。人間の無限の可能性として」
「・・・では、見守ってみましょう。あなたの言葉が、正しいかどうか・・・人間とは何なのか、もう一度、この目で。」
「あぁ。きっと俺が・・・勝つさ!!」



仮面ライダーアギト、感想。








いやーすっごく良かった。久しぶりに特撮感想書きたくなったレベルで良かった。マジで面白かった。最後の五話は・・・うん。
と言っても前ほど長々と書く時間も惜しくなったので手短に済ませます。最終回間近の感想→作品全体の感想って流れは変えませんが。


ラスト五話あたりから急に新キャラポンポン出してきたり警察がアギト倒すとか言い出したりして、ん?となったが、まぁ終わることには終わったので一応いつも通りこのあたりから書いておこう。

闇の力さんが人間にブチギレて生み出した超絶強い風のエル、地のエルに苦戦する翔一だったが、G3ユニットから外されるもやっぱダメだ!と戻ってきた氷川さん、新しい恋人まで目の前で無残に失い、自ら死を選んだかと思われたが何故か無事に復活した涼の協力もあって無事撃破、最後は闇の力さんを蹴り上げて無事終了!完!

うん、何が言いたいかというと正直最後の五話は消化試合だったよ!!うん!
ま・・まぁ46話で闇の力はまだ倒されてなかったしこいつ残して終わるのはそれはそれでアレだった、というのと、それぞれの未来を見ることができた、という点からまぁこの五話は不必要ではなかったんじゃないかな、うん。

見どころはもちろんあったよ。
自殺を図ろうとした可奈とそれを止めようとする翔一のシーンは「本当に手を放してしまうんじゃないか」と冷や冷やしたし、最終回の氷川さんの上のセリフ「ただの人間だ」はなかなか燃えた。何かって人間の意地と勇気とぶきっちょの力で神の力にここまで対抗できるんだもんなぁ。神さんサイドが人間のことを何も理解していないということの表れでもあるあのシーン。


しかしやっぱりいささか無理やり終わらせた感が隠しきれてない感じはしたな。
北條さんの、もとい警察の判断・・・アギトは将来的に人に害をなす可能性があるから滅ぼせってのはまだ分かるけど、だからってアンノウン守っちゃいかんでしょ・・。
ぽっと出のあの二人は消化不良のままフェードアウトしたし、真魚ちゃん一家はほぼ空気だったし。無駄にさそり座動かすなって。

それ以前のストーリーが非常に面白かっただけに残念。まぁウルトラマンガイアみたいなものと思ってそこは妥協しよう。






さて、作品全体の感想を。


俺こういう伏線バラ巻きまくって後で一気に回収しまくるタイプの作品大好き!!
北條さんみたいな表向き厄介な行動してるけど中身普通に正義感あって面白いっていうキャラも大好き!!



序盤は上記の通り本当に謎だらけ。記憶喪失だが明るく前向きで家事を何でもこなす翔一と、それを発見した真魚ちゃん一家を中心として、適度にあかつき号のメンバーの話や警察サイドの話(主に北條さんの嫌がらせ)、ちょくちょくギルスの悲劇を挟みながらゆっくりじわじわと真実を解明していく。
時に少しづつ、時にドバっと。やっとすべてわかると思ったらそうでもなかったり翔一の記憶も戻ったり消えたり。

そうして十分に視聴者のフラストレーションが溜まったところで、その壮大なストーリーの全貌をすべてぶちまける。

アンノウンの正体、なぜ人を襲うのか、あかつき号で何があったのか、なぜその人たちは人が変わってしまったように何かを恐れるのか、なぜ翔一はアギトとなってしまったのか・・・全て。

そうして一気にカタルシスを与える。こんな特撮今まであったか。
少なくとも俺は知らなかった。何話もかけて重ねに重ねたタワーのような謎を全て(とまではいかないものの)一気に崩すようなタイプのものは。
あの回(42話)だけは忘れられませんよもう。

ただ単に全て吐き出すのではない。主人公が初めて出会い、トラウマを植え付けられた宿敵との対決というシチュエーション、やられていく仲間、そして一つ、一つと思い出される失ったはずのあまりに残酷で悲劇的な、未来を奪われた人々の記憶・・・。それと共に視聴者に過去の回の謎の辻褄合わせと登場人物への感情移入をたっぷりと行わせた後の・・・

「誰も・・・誰も人の未来を奪うことはできない!!」

この熱いセリフと共に変身ですよ!!普段軽めな性格の翔一のね、あかつき号メンバーへの悲しみとアンノウンへの怒りが嫌というほど込められたこのセリフ、もうね、最高かと。


アギトとはこういう作品だった、と俺の中では印象付けられたのだが、ここまで語れば後は何も言うことはない、と言う訳でもない。

登場人物についてだが、前作クウガと違って善人と悪人のバランスが程よく、比較的見ていて不快だ!というキャラ(警察上層部あたり)もあまり出てこず、それでいて一癖も二癖もある性格の人ばかりで結構印象に残りやすかった。
それ故か人物同士の絡み合いも面白いものが多く、天然翔一とぶきっちょ氷川のショートコントや、G3ユニットと北條さんのライバルのようなそうでもないようなどこかいつもの安心感(?)のある対立、涼と翔一が打ち解けてからの妙な関係は、前述の壮絶な伏線回収までの話を面白く、退屈させないようにするのに一役買っていると思っている。

序盤とにかく涼・ギルスが不憫すぎるのがアレだったが・・・。いやよく考えたら中盤も終盤も、始終不憫だったような。でもそんな涼だからこそ言える重い魂のこもったセリフが所々あって、好き。
アンノウンに親を殺されて現実逃避してる少年と涼の話はガチ泣きしかけるほど良かった。あの話ギルスが(復活するとはいえ)死んだあとだから余計グッとくるんだよな・・・。

しかし結局涼ってなんでギルスになったんだろ?涼の親父の件は回収されてたけどその辺かなり大事なとこなのに本編中で一度も語られてないような。

あーあと俺ものっすごく北條さん好きなんだよ、上にも書いてあるけど。最初はただの嫌な奴か・・・って印象だったけど、尊敬してた上司の犯罪を暴いて逮捕する話からガラッと印象が変わった感じ。かっこよすぎる。散々うざい態度取っといて中身正義漢とかマジで惚れる。アギトのキャラで一番好き。
その後ちょくちょくG3ユニットにちょっかいかけつつも時々デレる姿を見てネタキャラの可愛さを感じた。最終回と言い、やっぱりいい奴じゃないか!

特撮面に関してはギルスの野性的でパワフルな殺陣以外は特にあまり何も感じなかったけど、ギルスやアナザーアギトの生物的なビジュアルや、「神」っぽさを醸し出してる敵の神々しいデザインは割と好き。あとみんな変身ポーズがカッコイイ。
アナザーアギトはかっこよかったね・・・木野さん。特にデザインや戦闘面で。
平成ライダーとは思えんほど渋いデザイン。最期は過去としっかり向き合えてよかったじゃないか。

問題点といえば、涼の変身の理由と真魚ちゃん一家たちの父親殺害の真相についてぼんやりとした答えしか出なかったのが気になるところぐらいか。

語れてない部分も結構あるけどまぁこの辺にしておこう。結局そこそこ書いてしまった・・・。次は龍騎配信らしいが、評判がかなりいいので期待しかしていない。