「無くしたくないものは守らなきゃしょうがないだろ!!」
 
「たとえほっとけと言われようとな・・・」
 
「それに・・・大切なものはそう簡単には無くならないもんだ!」
 
「自分から捨てちまわない限り・・・」
 
 
 
 
「俺たち・・・間違ってたんだな」
 
「どんなことがあっても・・・大切なものは守らないとな」
 
「私達の学校生活も・・・仲間も。そして、いつかきっと」
 
「戻れるよ。だって、大切なものは無くならないもん!」
 
「そうだ。俺たちが捨てない限りな!」
 
「その為にも倒さなきゃならねぇのは!」
 
 
 
 
 
「ネジレジアだ!みんな、行くぞ!」
 
 
 
 
 
 
 
「インストール!メガレンジャー!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
電磁戦隊メガレンジャー、感想。
 
 
 
 
 
 
もう・・・最高でしたね。
ヒネラーシティ編から最終章まで全部素晴らしかった。
 
特にヒネラーシティ編は耕一郎と千里の受験の話がよく出来てるなぁと思ったよ。
久保田のおっさんの「勉強や青春、未来を失ってまで高校生達に命がけで戦ってほしくなかった」という心情と、耕一郎と千里の「大切なものや人々を守っているから何一つ失ってるとは思っていない」という意思を描いたストーリーが面白い。他の三人も二人の受験を守る為に必死で戦おうとしてたし。結局二人はヒネラーシティに閉じ込められてしまうのだが、残る二人は受験を捨ててまで仲間を救いに行くというね・・・
俺も現役高校生だからこういう話はよーく沁みるんだわ。(ただしあの五人のような青春は送る気すらさらさら無いが。)もうスーパー戦隊というより熱い友情で結ばれた五人の戦士の青春物語でいいんじゃないかな。
 
最終章に入り、49話。凄まじく完成度の高い17話よりも更に完成度が高いと思った。
五人が前回の再生ネジレンジャー戦(このネジレンジャー達は以前戦った絶望的に強かった奴らよりかなり弱くなってる気がしたが。)で、シボレナにメガレンジャーの正体を目撃されてしまう。そして健太たちの高校にジゴクネジラーが攻め込みに来てしまい、ジロウや大岩先生が負傷してしまうんだが・・・
その後の校長と先生、そして健太たちのクラスの生徒が冷たいのなんのって。
 
おたくら今まで散々守ってもらってきたくせしていざ自分たちが巻き添え食らいそうになったら危なっかしいから出て行けとは。自分たちの教え子やクラスメイトだってのに。人間の屑がこの野郎・・・としか思えなかったわ。
 
帰る家すらネジレジアに破壊され、本当にメガレンジャー達は全てを失った。健太に至っては、「メガレンジャーなんてやらなきゃよかった」という始末。そりゃそうだ、今まで大切だと思って信じてきたものにいっぺんに裏切られたのだから。
 
当然の如く落ち込む五人。俺たちのことはほっといてくれ、と自暴自棄になる健太。そんな彼らにジゴクネジラーの魔の手が容赦なく迫る。その攻撃を庇い、裕作さんが掛けた一言が一番↑のセリフ。
 
もうね・・・イケメン杉だろ裕作さん。
登場してから裕作さんがカッコ良くなかったとこなんて無かったぜ。最初から最後まで強かったし。
 
そしてここからの変身が超熱いのよ。守るべきものを守る為に戦うと、決意する。
これを名シーンと言わずして何と言うのか。
 
やっぱ決戦への決意回はこうでなくちゃな。思わず鳥肌立っちまったぜ・・・
 
50話。間一髪ジゴクネジラーを倒せたメガレンジャーだったが、抜かりねぇシボレナによってデジ研のデータを収集され、月面基地の存在がばれてしまう。そしてユガンデはヒネラーの為になんとしてでもメガレンジャーを倒したい、という思いで、シボレナに埋め込んでもらったネジリアクターで強化され真っ赤に。
主にこの回はシボレナユガンデ退場回、というよりも、二人のヒネラーへの忠誠心がよく伝わってくるものだった。
 
必死で防衛した裕作さんの努力も空しく、強化され、巨大化したユガンデによって月面基地はほぼ壊滅、デルタメガは大破(!)、ボイジャーマシンは出撃不可能に。すげぇやユガンデ、強化されたと思ったらやられの繰り返しだったもんな!
 
んでいろいろあってメガレンジャーと対峙し、ギャラクシーメガをあと一歩のところまで追いつめるんだが、ネジリアクターの副作用らしきもので収縮(するんじゃないかとある程度予想してたよw)。その後メガレンジャーに追い詰められる。
 
が、レッドの攻撃をシボレナが庇う・・・。あんたって奴は・・・どんだけ仲間思いなんだ。ネジリアクターの件も最初は拒否したし。
 
シボレナを傷つけられ、キレるユガンデ。お前もシボレナのことを・・・。
だが、仲間たちの結束は固いと言えど、もともと方向性がおかしいネジレジアにメガレンジャーからの慈悲は無い。メガレッドの最後の一撃で、ユガンデは爆発・・。
 
その後、傷ついたシボレナも、デスネジロ内で、ヒネラーに最後の別れを告げ、爆発。ここはこの回の最大の見どころ。シボレナはヒネラーのことを父と慕っていたのだった・・・。まあ最終回で分かるのだが、シボレナはヒネラーが自ら亡くしてしまった娘とそっくりである。憎むべき敵の最期なのに、なんて悲しいんだ。
そういえばギレールのせいでユガンデが傷ついたときにもヒネラーぶち切れてたなぁ。この三人はもはや家族だ。
 
そうして、やっと最終回。
 
自らを怪人の体にしたヒネラーが真っ先に襲おうとした相手はメガレンジャーではなく、久保田のおっさんだった。
 
デスネジロと合体し、グランネジロスとなってメガボイジャーを追い詰めるヒネラー。
 
ようやく今回でヒネラー、いや鮫島博士の過去が明らかに。いやぁ長かった。
 
脆弱な人間の体を超越し、新たな肉体を手に入れようという自らの実験を成就させるため、自ら被験体となった鮫島の娘を、鮫島は殺してしまう。
当然の如くマスゴミからは叩かれ、世間から批難される。そんな中、久保田のおっさんこと久保田博士が開発したメガスーツ(肉体そのものを改造するのではなく、鎧を着て強化するようなもの)の理論は世間の支持を得る。
そういった経過から鮫島は久保田を恨むことになった。
 
「これって逆恨みじゃん」では済まされないほど悲しい出来事の上に、この二人の因縁は成り立っていたのだ。
 
「それで貴方は幸せなの!?娘さんまで犠牲にして、幸せなの!?」
 
「ならば聞こう。お前たちは幸せか?久保田の科学でメガレンジャーとなり、挙句の果てに人間どもに裏切られ、それでも幸せかぁ!!!」
 
だが、人間たちは決してメガレンジャーを見捨てていなかった。以前五人が学校から追い出される時に最後まで五人を庇っていた恵理奈、負傷したものの一切五人のことを悪く思わなかったジロウが、追い詰められ学校の傍まで来たメガボイジャーの中にいる五人に、声援を送ったのだ。
 
しだいに集まってくる生徒たち。手に持ったパネルには、「ガンバレメガレンジャー」の文字が。
 
ジロウを傷つけられメガレンジャーに憤慨していたシンタロウも、五人の必死になって戦っている姿を見て、応援の「声をあげる」。あの何もしゃべらないシンタロウが。
 
最高に熱い決戦だねぇ・・・。本当に最終回として申し分ない戦いだよ。
 
そしてその後、ネジレ次元にワープした時の影響で消滅しかかっていたヒネラーは、メガレンジャーとともに自爆を決意。メガレンジャーは街を巻き込むまいと、高く高く空に飛びあがり、そして大爆発に巻き込まれ、跡形もなく散るのだった・・・。
 
ここの生徒たちの持ってるパネルがぽろぽろ落ちる演出と、久保田のおっさんの悲痛な叫びが・・・流石にここで死んだとは思わなかった(死んだらマジでバッドエンドじゃん)が、その後の教室に手向けられた花と、卒業式の時にちゃんと五人の名前を呼ぶのがもうね・・・。
 
だがどうやら彼らは爆発の時にぎりぎり変身に間に合い、脱出できたようで。
 
イメージ 1
一見するとシュールな画に見えるが、とても感動的な場面である。
 
「卒業式に出席する」という目的をきちんと果たした彼らと、周りの生徒たちはみな、溢れんばかりの笑みを漏らしていたのだった。
 
 
 
そして裕作さんは最終決戦に参加しなかった。
 
という終わり。感動するなという方が無理な、この綺麗なエンディング。
何も言うことなしです。ハイ。心残りなく最終回まで見れました。
 
・・・いやでもビビデビはどうなったんだ?やっぱりデスネジロ(グランネジロス)とともに死んだのか?気になるなぁ。
 
 
 
てなわけで総合的な評価を。
 
まず前提として、テーマである「青春と友情」を最後まで一貫したという時点で評価すべき。
あくまで変身するのは高校生である、という事実を一度も捨てずに、それに対する周囲の反応や徐々に深まる信頼関係、強敵との戦いを乗り越える姿や、人間の醜い部分の描写などを細かくも、おおざっぱにも、しっかりとでも、描き上げていると思う。
 
僕がメガレンで一番良いと思った部分は、やはり見てて羨ましくなるほどの青春か。
俺も思わず、「こんな風に生きれたらなぁ」と思ってしまったもん。
シンタロウのみくへの思いや、担任の先生の怠け癖はあれど立派な大人として五人を支える姿や、前に感想書いた17話など、どれを取っても眩しすぎるほどに輝いている。
 
キャラクターもメイン五人の他に、高校生に戦いを強いてしまったことを後悔しつつも、彼らの戦いをしっかりと見守る久保田のおっさんや、彼らの危機にいつも駆けつけ、大人としての味方を諭しながら救援する裕作さんなど、見ていて「面白い」と思える人物も多かった。
 
というか裕作さんかっこよすぎ。メインテーマや挿入歌、はては変身音や変身ポーズまでかっこいい。ああいう、「普段はおとぼけな感じだけどやるときはしっかりやるかっこいい大人」というキャラは大好きなんだよ。妖艶緑茶云々師匠然りw
でも裕作さん、肝心な時にメガシルバーとして戦わないんだよな。最終決戦ですらメガウインガーで基地の瓦礫どかしてただけだし・・w
 
それと僕的には、「圧倒的すぎる強敵」であるネジレンジャーの存在もハラハラしたなぁ。下手したらメンバーの一人や二人死ぬんじゃないかと思ったもん。結局5体のうち2体は単体で倒すハメになったし・・・
 
・・・とまぁ長ったらしく書いたが、いつもの通り言うと、軽く名作とまでは言えないが、本当に見てよかったと思える作品だったことには違いない。
 
僕も現役高校生、僕の性格上彼ら五人のような青春は過ごせないだろうが、機会を見つけてはなんとかエンジョイしてやろうと思う。ありがとうメガレンジャー!