小学2年生に,リレーで教えたことを載せておきます。

 

 学年運動会に向けて全員リレーをしようという声があがりました。30人もバトンをつなぐのは,競技として面白くないだろうと思い,3チーム制を勧めました。11人×3チームでの5学級対抗リレーです。

 

 もともとは,低学年でリングバトンを渡すのだから,リレー指導よりも,リードせず一人一人が最後まで走れればいいと考えていました。

 

 「東の楽園」にいた頃は,ガチにリレー指導をしました。小学校1年生でもテークオーバーゾーンを有効に使い,バトンの引き継ぎができます。あの頃は,選抜チームでしたから上手にできたのですが,全員となると少し無理があると思いました。

 

 今年のこの子たちには,1時間だけ「学級ひみつの練習」を行うことにしました。金曜日に学級体育館割当の時間があったのです。

 

教えたことは3つ

①リードの大切さに気付かせる。

②バトンを渡す前に「ハイ!」ということ。

③スロージョグでバトンを渡すスキル練習をする。

でした。

 

まず①について,

「一緒に走っている方が,止まっているより,バトンを渡しやすい。」

 走っている人と止まっている人とでは,手を繋げないけれど,一緒に走っていたら手を繋げる。バトンを卵みたいに思って,一緒に走っている人に渡してみよう。

 

 実際に,走力のある児童2人や僕がバトンを渡す側になって,みんなに見せました。横に並んで走って渡すので良いと思っています。

 

 バトンが走るコースを速く動けばいいので,そのためには,バトンが止まっているのは,一番遅いことに気が付いてほしいと思いました。

 

次に,②についてです。

 バトンは,「渡す人が大切」「渡す人の責任」。

 もらう人は,「ここにちょうだい」と手の平を見せる。

 渡すまで一緒に走って,渡せたら役割が終わったので,安全に気を付けて,中に入ると教えました。

 

 バトンを渡し終えるのは,「バトンが引っ張られる手応えを感じた時」とも教えました。渡す人が,最後まで責任を持つということが必要と思います。もし,バトンを落としたら渡す人が拾わなければいけないという当然のルールもあります。

 

 ですから,渡す時に,気持ちを乗せて「ハイ!」という言葉を言わせて,意識を持たせたかったのです。

 

 ただし,「ハイ!」というのは渡す時ではいけません。もらう人に準備ができていないからです。今回は,次走者に近づいてきたら,言うように話しました。「ハイ!」と言うだけで満足をしないように。

 

 本当なら,ダッシュマークを付けたり,距離を感じたりしてリードをするべきですが,低学年ですからそこは教えずに,「ハイ!」と言われたら,もらいやすいようにリードすように話しました。

 

 トップスピードでもらうわけではありませんが,テークオーバーゾーンを何となく使うことができれば良しと考えました。

 

③については,

 動きながらバトンを渡すスキルトレーニングです。

・チーム1列になります。

・一番後ろの児童が,リング(この時は,新聞紙を丸めて作った即席のリングバトンを使いました。)を2つ持ちます。

・全員で揃ってスロージョグをしながら,前にバトンを渡していきます。

・バトンが先頭の子に2つ渡ったら,先頭の子は列の後ろに行く。

 

 これは,低学年では難しいと思っていました。全員がゆっくり走らないとできないからです。ところが,この子たちは,みんなでゆっくり走ることをすぐ理解して,楽しんでくれました。そこは,なかなか見上げたものでした。

 

 よく高学年の練習で,バトンを地面に置いて,後ろの子が拾いながらする練習がありますが,大切なバトンを地面に置くのは不吉な気がして,教えたくないです。

 

 なかなか,上位にはなれないのですが,帰りの会で

「みんな速くなると思う。勝っていないと自信は持てないものだけど,自信を持とう。走ることに自信が持てなくても,テストで百点を取ったとか,宿題をちゃんとやったとかで感じた自信でいい。

走ることを楽しんでほしい。無心・ゾーン,鬼滅の刃でいったら『全集中』できたら楽しくなる。」

と話しました。「ぜんいち」みたいだと言っている子がいましたが,よく分かりませんでした。黄色い髪の子かな?

 

 150人みんなが,スポーツの秋を楽しんでくれたらいいと思います。

わがクラスの,チームI&T/チームS&A/チームS&M

ガンバッていこー!

 

 

 わが家の玄関に,2000年に購入したジュラルミンの競技用バトンが,まだありました。大切に置いていたものです。「西の楽園」の特設体育クラブ指導でよく使っていました。金曜日に持っていき,みんなに見せることができました。来年からは,普通のバトンを使うようになることでしょうから。

 あっ,そうだ,ビデオ判定できるように,決勝点にビデオカメラを配置しよう。チャレンジするぐらい微妙な差だったら面白いな。

 

ささかまコスモス