ここのところ「つまらないわけじゃない。でも面白いとも言えない、なんとなくモヤモヤして腑に落ちない」とでも言うべき映画を立て続けに見てしまった(笑)そんな映画をまとめてレビューしちゃいます。ネタバレありですので、気をつけてお読み下さい。それぞれのトップに作品名を書きますのでご注意!

まずは新作「ドライブアウェイ・ドールズ」。

いや、これって完全な予告編詐欺でしょ!先日「関心領域」を見に行った時に予告編を見て、「ちょっとコメディ色強めの女性ふたりのロードムービー」って感じで面白そう、と思って予備知識ゼロで見に行った。ところが見てびっくり、C級お下品コメディだった(汗)主役ふたりがレズビアン設定な事に気がつくまで時間がかかったので、しばらくキョトンだった。(ひとりはともかく、もうひとりは相手の事を単なる友人としか見てないのかと思ったよ)イマドキの映画だからかおっぱいひとつ写らないのに、やたらベッドシーンが生々しくていやらしく、ペニスを模った性具がこれでもかと画面に出てきて(いくら本物じゃなくてもこれはモザイクかけなくていいのか?ってレベル)ちょっとゲッソリ。コメディとは言ってもアメリカンジョークなのか私はひとつも笑えず。劇場にいた観客の誰ひとりとしてクスリとも笑ってなかった。レズビアンの女性カップルを主役にしたって何でもシリアスなストーリーにしろとは言わないけど、何を描きたいのかよくわからない映画だった。マリアン役のジェラエウディン・ヴィスワナサンが私好みの女優さんだったので、まあヨシとしよう(笑)

 

友人に勧められて見た「チャンス」(1979)。

ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を下敷きにした小説「庭師 ただそこにいるだけの人」を原作にしたコメディ映画。・・・なのだが私はこれも予備知識ゼロで見たので、非常に映画の世界に入り込めなかった。

幼少の頃よりさる屋敷で住み込みの庭師として働いていたチャンスはテレビだけが友だちで屋敷の外に出た事もなく、また読み書きも出来ない。当主の死をきっかけに外の世界に放り出されるが、社会の事を何もしらない彼の言動は思わぬ騒動?を巻き起こす。ひょんなきっかけで政界の大物の屋敷に拾われたチャンスは何を聞かれても園芸の話しか出来ないが、なんの裏もないそのイノセンスでピュアな言動が世界の真理を語っていると曲解され一躍時の人となってしまう・・・。

 

これが様々な批判や風刺を含んだ物語なのは理解できるのだが、昔話ならともかく現代を舞台にしているため「寓話」として理解しようとしても、「いくらなんでもそんなバカな」という場面が多くてちょっと萎えてしまう。チャンスの出自を知っているメイドがテレビに出たチャンスの正体をどこかに暴露して大騒ぎとなり、それでも別に出世などのためウソをついたわけでもないチャンスは悪びれもせず、飄々と去っていく・・・みたいなオチを予想したのだが、最後まで正体はバレず何とも消化不良だった。ラストでチャンスが水上歩行しているともとれるシーンがあり、その解釈次第で評価も分れるだろう。

「ツァラトゥストラはかく語りき」を下敷きにしているし、チャンスに惹かれていく政界の大物の妻の名前が「イブ」だったりと、そのストーリーの根底には哲学的、宗教的なテーマが隠れているのかもしれない。

見終わってからいろいろ考察を巡らせている最中に主演のピーター・セラーズのNG集?みたいな映像がエンディングに流れて非常に興ざめだった。これはホントに不要なのでは?

 

いまさら初めて見ました「マトリックス」(1999)。

 

公開当時大変話題になったが、全く食指が動かず、その後の続編も全部スルーしていた。「マトリックス」を見た事がない、と言うと知り合いの女性のRさん(拙ブログではお馴染みのレギュラー笑)に大いに驚かれた。そこまで驚かれるのなら、まあ見てみるか、と公開から四半世紀を経てようやく鑑賞。

まず、「仮想現実」という設定がそれほど新味がなく、あまり興味を引かれず、また主人公をはじめとした登場人物に共感も魅力も感じられず、ふーん、って感じでとりあえず見続ける。「救世主」だ「預言者」だと騒ぐわりにストーリーもあまり展開せず。

終盤やっとアノ「マトリックス」らしい映像が連発され、「コレよコレ!」と思ったが、それだったらもっと小難しいストーリーは抜きにして映像エンターテインメントに徹した方が良かったかも。なんというか全体的にノレない映画だった。

 

 

これまた知人から「良かったよ」とオススメされた「サイダーのように言葉が湧きあがる」(2020)。

んんん・・・これがまた見続けるのがツライ映画だった(汗)

まず内容以前に独特の色遣いに目がチカチカする。これは狙いなんだろうけど、好き嫌いが分かれるかも。

俳句好きのコミュ障気味の少年と出っ歯?のため容姿コンプレックスの少女との初恋物語であり、面白そうな材料なのにうまく料理できなかった印象。

ストーリーの中盤の大半を占める「思い出のレコード探し」のエピソードがなんとも生きていないし、引っ越しのため花火大会の約束をすっぽかす意味がわからない(引っ越し先からだって花火大会くらいいけるはず)し、盆踊りで勝手に曲変えて告ったりと、なんだかポカーンとしちゃう展開。主人公の友人が無駄に不良だったりして、ちょっと不快。

あと声優さん、杉咲花はまあまあにしても市川染五郎を使う意味がわからない。声優さんは本職使おうよ。

 

と、立て続けに腑に落ちない映画ばかり見てしまいました。そろそろ好みの映画に当たりたい。

まあ、とは言ってもどんな映画にも良い所もあれば発見もあって、それはそれで楽しいんですけどね!