収録されたVTRテープが紛失し、現在では視聴不可能なため「幻のヒーロー番組」と言われる「突撃!ヒューマン!!」(1972)のヒーローマスクが「なんでも鑑定団」に出品して高値がつき、話題となっている。このマスクは依頼人の叔父がつきあいのあったヒューマンのデザイナーである成田亨から直接譲り受けたものだそうだ。この叔父というのが俳優・スーツアクターである山村哲夫さん(1951~)だというので私はびっくりした。

 

山村哲夫といえば「ウルトラQ」第10話「地底超特急西へ」(1966)のイタチ少年

「ウルトラマン」第9話「電光石火作戦」(1966)の団長補佐・敏男

「ウルトラセブン」第7話「宇宙囚人303」(1967)のキュラソ星人が侵入する家の子供役などで知られる。

 

子役として活躍する一方で、「地底超特急西へ」で共演?したM1号の着ぐるみの出来の素晴らしさに感動、円谷プロに入り浸り、スーツアクターに憧れ

なんと中学生にして「快獣ブースカ」(1966)のチャメゴン役でスーツアクターとしてデビュー。(入った本人もスゴイが入れたプロデューサーもスゴイ。今の時代では考えられない笑)その後も「ウルトラセブン」で

ガンダー

ダリー

プロテ星人とスーツアクターを務め

時代は下って「ウルトラマン80」第39話「ボクは怪獣だ~い」(1981)でも怪獣・テツオンに入る。このテツオンという名前が山村哲夫の「テツオ」からのネーミングであるというから驚きである。この時テツオンの声優を務めたのがブースカの声優である高橋和枝であり、あきらかに「ブースカとチャメゴンの共演」を意識したブースカへのオマージュ回であったのだろう。

ドラマ「ピーマン白書」(1980)で謎の生物・Xのスーツアクターを務めたのも山村だそうだ。今回調べていて私は初めて知りました!

最後に「電光石火作戦」のオフショットがあまりにかわいいので載せておきます。山村哲夫はドラマデビュー作である「小さな目」(1965)でもホシノ少年役の津沢彰秀と共演しており旧知の仲だったそうで、そんな撮影の合間の楽しい雰囲気が伝わってくる良い写真ですね!

 

ヒューマンのマスクからまさかの山村哲夫さんへと繋がり、ホシノ少年とのオフショットまで旅する事が出来る。

こんな事が出来るのも私たち特撮マニアにだけ許された楽しみなのである。