見た映画の感想を備忘録的にまとめて書くシリーズです。当然ネタバレを含みますので、未見の方はご注意下さい。

「ソウルメイト」

 

「パラサイト 半地下の家族」(2019)があまりに肌に合わなかったので、韓国映画を見る事はもうないかも、と思っていましたが、新聞のレビューが気になって韓国映画「劇場デビュー」しちゃいました(笑)

「ソウルメイト」というタイトルから想像する内容とはちょっと違いましたが、楽しく見られました。俳優の顔、文化、歴史、食べ物などが日本と全然違うので、大変興味深く鑑賞。韓国国内に土地勘がないのでわかりにくいところもあり、知っていればもっと楽しめたかも。高校生が酒飲んじゃうシーンとかがあり、そんな自由さはいいなあ。最近の邦画は自主規制が厳しいからな。ヒロインふたりは魅力的だったが、男がクズすぎて笑った。ラスト近く、想像なのか夢なのか判然としないシーンがジェットコースターのように現れ、「やっぱり韓国映画ってこんな?」という偏見?は拭えず(笑)

でも、食わず嫌いしないで面白そうな韓国映画はまた見てみようと思いました!

 

 

「青春18×2 君へと続く道」

 

こちらは日本・台湾合作映画。予告編を見て気になったので、予備知識ほぼゼロで鑑賞。いや、何て言うか、昭和の香り漂う映画であり、ストーリー的にはなんの捻りもなく、ラストもほぼ予想通りという映画。でも、そこが何とも言えない安心感というか優しさを醸し出していて見ていて心地いい。台湾側のキャストもみんないいんだけども、日本側パートの脇役たちがこれがまたみんないい味出してるんだよな。特に黒木華ははまり役ですごく良かった!清原果耶のピュアで自然な演技は好きなんだけれど、時々見せる、はにかんだような、強張ったような笑顔がちょっとワンパターンで気になるんですよね。そこだけもうちょっと頑張ろう!(笑)

しかし、「青春18×2」ってダサいタイトルだよなあ。もうちょっと何かなかったのかな。原作(原案)が日本の青春18きっぷで日本を旅した台湾人のエッセイらしいのでやむを得ないとも言えるが・・・。でも、劇中で(後付けにしても)青春18×2の意味が語られるシーンがあり、「なるほど~」と感心しました。

 

「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章・後章」

 

原作コミックス12巻分を前後編4時間に収めた手腕は素晴らしいし、その唯一無二の世界観は大変魅力的。

ただ、原作未読な私には理解が追い付かないところもままあったのは事実だし、登場人物が多い割にあまり活躍しないキャラもいて、もう少し整理されていればもっと面白かったかも。前編で提示された伏線で回収されなかった事もあり、やや消化不良。映画版オリジナルラストとの事で、原作はどんなオチだったのか気になります。

私はシロウトのタレント声優の起用は好きではないのですが、幾多りら、あの、両名ともプロの声優に混じっても引けを取らない名演でした。拍手!

しかし、最近のアニメは作画力、背景の美しさはホントに素晴らしいですね。唸りましたよ。

 

 

「関心領域」

 

関心領域とはアウシュビッツ収容所を含む地域の事を指すナチスドイツの隠語との事。収容所と塀ひとつを隔てた自宅に住む収容所の所長一家の「平穏な日常」を淡々と描く事で、その収容所の惨状や家族の「無関心」の恐ろしさを描く映画である。収容所の内部は一切描かれず、日常描写の後ろに悲鳴、怒号、銃声が聞こえてくるのみなのだ。観客である私たちもそこに「関心」を持てるか、想像できるかを試されているような映画ともいえる。ただ、この映画はドキュメンタリーではなく、ドラマ仕立てなので、そこはいくら日常を淡々と描くといっても、観客の興味を引く「仕掛け」が必要となるはずだ。

しかし、基本的に人間関係などのバックボーンの説明も少ない中、効果音、音楽、そして長めの黒味、白味、赤味の画面を多用したり、暗視カメラで撮影したような映像を使用したりと、やや実験的な手法に逃げてしまった印象があるのが残念である。この辺りを一見淡々と描いているように見せて、観客の心に迫ってくるようなストーリーに出来たらもっと良かったかもしれない、と私は感じました。少なくとも人によって賛否は分かれそうです。

しかし、題材や演出手法も含めて大変志が高い映画であり、私は見ても損はないかな、とは思います。

蛇足ですが、後の席のおじさんが映画が始まる前から(!)ほぼずっと寝ていてイビキがうるさくて参った!淡々とした映画だから寝落ちしてしまう人もいるだろうが、予告編タイムが終わって本編が始まる直前から寝ちゃうってどうよ。金払って昼寝にくるのはアンタの勝手だが、イビキかかれると他のお客に迷惑だから家で寝て下さい!(怒)