先日NHKの「ファミリーヒストリー」で高島忠夫・寿美花代一家の回を見た。高島忠夫さん(1930~2019)と言えばまず1970年代~のテレビ番組の司会者の印象が強い。

「クイズ・ドレミファドン!」(1976~)。「イエーイ!」が口癖だった(笑)

「ゴールデン洋画劇場」(1973~)の解説者。淀川長治(「日曜洋画劇場」)、荻昌弘(「月曜ロードショー」)、水野晴郎(「金曜ロードショー」)とともに映画番組の解説者としてお茶の間に親しまれた。

「アメリカ横断ウルトラクイズ」(1977~)。70年代から80年代を代表するバラエティ番組のひとつ。そのスケール感と終盤になると出演者同士に絆が生まれていくのが私は好きでした。

 

歌って踊れる本格的なミュージカルスターとして、舞台や映画で活躍したご本人としては俳優としての仕事が減り、司会業が増えた事に対して忸怩たる思いもあったようだ。

東宝チャンピオンまつり世代の私はリアルタイムでは見ていないが、リバイバルや映像ソフトで旧作の東宝特撮映画を浴びるように見たので、私は高島忠夫、といえば特撮映画の常連俳優として馴染み深い。

「キングコング対ゴジラ」(1962)。この映画、有島一郎とともにセットで主演男優賞、助演男優賞をあげたいくらいだ。ファロ島での酋長との会話は高島のアドリブらしいが、まさに絶品、抱腹絶倒である。

「海底軍艦」(1963)。ヒーローとしては活躍は控えめだが、「キンゴジ」に続いての藤木悠との「極楽コンビ」は安定の味。

「フランケンシュタイン対地底怪獣」(1965)。ヒロインの水野久美においしいところをみんな持っていかれた感はあるが、真面目で堅物な博士役を好演している。

「ゴジラVSメカゴジラ」(1993)。息子の高嶋政広が主演のため特別出演。晩年は俳優としての仕事は殆どなかったため、古巣の東宝のゴジラ映画への出演は嬉しかったのではないだろうか。ファンとしても感無量であった。

 

高島忠夫さんはプライベートでは家族が不幸な事件に巻き込まれて亡くなったり、晩年はうつ病を発症したりと大変な事も多かったようだが、ファンとしては高島忠夫、と言えばあの人懐っこい笑顔の印象が強い。

「ドレミファドン」では「イエーイ!」が名台詞?として認知されたが、代表作のひとつ「キングコング対ゴジラ」の冒頭、ドラムを叩くシーンで、演奏終わりに小声で「イエーイ!」と言っているのを皆さん聞き逃さないで下さいね!

天上では不幸や病の苦しみから解放されて、明るく「イエーイ!」と言っているといいなあ。