高橋留美子傑作集の最新刊「金の力」を読んだ。相変わらず安定のるーみっくわーるどを堪能しました。

ファンならご存じの通りビッグコミックオリジナル誌上で1987年から1年に1作発表される短編を編んだ短編集で、今回が第6巻である。1冊に6編収録なので、単行本は6年に1冊のペースで発行されており、ファンにとってはまさに6年に1度のプレゼントなのだ。(後年「高橋留美子劇場」と題したサイズを落とした単行本も発売されている)

 

しかし第1作から足掛け36年にもわたって1年に1作ペースで描かれる短編シリーズってなかなか稀有な存在ではないだろうか。私は連載作品としては「うる星やつら」と「めぞん一刻」しか単行本を持っていない高橋留美子ファンの末席を汚すような存在なのだが、このシリーズだけはずっと買い続けている。まさに6年に1度のお楽しみなのだ。

 

連載作品も楽しいが、初期作品の頃から高橋留美子の短編作品が好きな私にはまさにツボなのだ。今回の「金の力」の作品群は中高年男の悲哀を描いてクスッと笑って、ホロッとする珠玉の佳作揃いだが、敢えて言わせてもらうとちょっと毒が無さすぎな感じもします。

 

このシリーズでも初期の「鉢の中」みたいなちょっとゾクッとするような人間関係を描くものや、「君がいるだけで」みたいにいい塩梅で社会風刺が入っているような作品がまた読みたいです。

 

これからも命ある限りこのシリーズは買い続けます。高橋留美子先生、いつまでもお元気でこのシリーズを描き続けて下さい。楽しみに待ってます!