平成ガメラシリーズの女優と言えば、三部作全てに出演した藤谷文子や、「1」「3」に出演し、「1」では各映画賞の助演女優賞を総ナメするという怪獣映画初の快挙を成し遂げた中山忍の名前がまずあがるだろう。

だが、この人を忘れてはならない。

「ガメラ2レギオン襲来」(1996)のヒロイン・穂波碧を演じた水野美紀さん(1974~)である。凛とした美しさと、自室にお酒を隠していてこっそり飲んでるような人間味を併せ持ったヒロインは実に魅力的だった。

そして水野美紀と言えばこの脚線美。監督の金子修介の拘りで、厳寒の札幌ロケでもずっとミニスカート姿(笑)

水野美紀は1992年のコーセーのCMで唐沢寿明に「ねえ、チューして」とおねだりする女の子役で話題になったが、このCMは実はキスシーンがある事を事務所の許可を得ておらず、現場入りしてから聞かされた水野美紀は拒否する事が出来なかったそうだ。新人同然の18歳の女の子に半ば犯罪のような仕打ちであり、今だったら大問題になっただろう。

水野美紀の女優デビューはその2年前の1990年「地球戦隊ファイブマン」第39話「愛を下さい」のミリア星人・ソーラ役である。16歳とは思えない大人っぽい美しさだ。

多少だがアクションも吹き替えなしで本人が演じている。水野は小学6年~中学1年まで少林寺拳法を習っており、またデビュー前に倉田アクションクラブでトレーニング経験もあるのだった。撮影の前にブーツとかベルトとかを装着する前にモジモジくんみたいな全身タイツ姿で工場みたいなところに連れて行かれて泣きそうだったと語っている(笑)

この辺りは「戦う女優(ヒロイン)」(2000・扶桑社)のインタビュー記事に詳しい。この本は他にも菅野美穂、仲間由紀恵など現在ではこんな括りでのインタビューに答えてくれそうもない方々がたくさんでていらっしゃるオススメの本です。

「踊る大捜査線」シリーズ(1997~)の柏木雪乃役でお茶の間の知名度もアップ。

黒木瞳とダブル主演の「千里眼」(2000)では得意のアクションも披露。

「女子アナ。」(2001)でテレビドラマ初主演。

東電OL殺人事件に材を取った「恋の罪」(2011)ではヌードも披露している。

 

尚、私生活では俳優の唐橋充と結婚。唐橋は「仮面ライダー555」(2003)の海堂役が印象的な個性派俳優である。「555」は演技的に???な若手が多かったので、海堂役の唐橋の存在は大きかった。個性派でイラストレーターとしても活躍する唐橋と、アクションもこなす水野というなかなかにポテンシャルが高い夫婦である。

ガメラ2のラストの穂波のセリフ

 

「ガメラの敵にはなりたくないよね」

 

このシーンの水野美紀のかわいさにハートを射抜かれた特撮ファンも多いだろう。この前振りがあったんだから、是非「ガメラ3」にチョイ役でもいいから水野美紀にも出て欲しかったなあ、と思う私なのであった。