女優の三条美紀さん(1928~2015)。映画やテレビで幅広く活躍されたが、私が三条美紀という名前を意識したのは

「犬神家の一族」(1976)の犬神家の次女・竹子役である。その存在感、そして息子の佐武を殺害されて放心状態になり、葬儀のお清めの席で狂ったように食事するシーンは圧巻だった。

「犬神家」と同じ横溝正史原作による「幽霊男」(1954)にも出演しており、横溝作品には縁があるのかもしれない。

「幽霊男」と同年の1954年に「透明人間」にも出演し、特撮ファンにもお馴染み。この映画は「ガス人間第一号」(1960)「マタンゴ」(1963)などの東宝の変身人間シリーズの元祖とも言われている。

「ウルトラセブン」第47話「あなたはだぁれ?」(1968)でこの回のメインゲストであるサラリーマンの佐藤(小林昭二)の妻役を演じている。セブンも終盤戦に入り、「ノンマルトの使者」や実相寺昭雄監督の「第四惑星の悪夢」、「円盤が来た」といった深いテーマ性を持った作品、またニセセブンが登場する「ダン対セブンの決闘」といったエンターテイメント作品などが並ぶ中、初期作品のテイストに近い「あなたはだぁれ?」は逆に異彩を放つ佳作として印象に残る。三条美紀もフック星人が化けた妻を無機質な表情を作り好演している。

 

このエピソードで夫婦役で出演した小林昭二ともども市川崑作品の常連であり、「犬神家の一族」では三条は竹子、小林は妹の梅子の夫という間柄での出演だった。山口百恵の引退記念映画である「古都」(1980)ではこのふたりはまた夫婦役で出演と相成ったが、残念ながらこの映画の画像は見つけられなかった。

石坂・金田一シリーズでは「病院坂の首縊りの家」(1979)にも出演。

そして市川崑監督の遺作となったリメイク版「犬神家の一族」(2006)では松子の母・お園役で出演(写真下)。旧作の俳優が出演してくれる趣向は嬉しいが、旧作でお園を演じた原泉(写真上)のふてぶてしさに比べてやや上品な印象ではあった。

さて、今回のブログを書くにあたって調べていて初めて知ったのだが、女優の紀比呂子さん(1950~)は三条美紀の娘さんだったのですね!芸名の”紀”は”美紀”からとられたとの事です。私は「アテンションプリーズ」(1970)の主役・洋子役が大好きでした。かわいかったなあ。人気ありましたよね!1983年にヒットした「スチュワーデス物語」より断然私は「アテンションプリーズ」派です!紀比呂子さんはもう女優を引退されているようだが、母娘揃ってたくさんの作品で楽しませて頂きました。ありがとうございます!

 

※三条美紀さんは三條美紀と表記された時代もありますが、今回は三条美紀で統一いたしました。