NHK大河ドラマ「篤姫」(2008)。私が好きな大河ドラマの中でも間違いなくベスト5に入る作品である。ケレン味たっぷりのストーリー、主演の宮崎あおいをはじめとする俳優陣の名演。本当に素晴らしいのひとこと。そして忘れてはならないのが音楽の素晴らしさだ。

吉俣良の手による音楽に痺れ、2022年現在、私が大河ドラマのサントラで購入したのは今のところ「篤姫」ただ一作である。

 

サントラ好きの私が勝手にサントラにランク付けすると、

Cランク・・・作品の内容や映像と合っていないため見ていて非常に耳障りに感じる

Bランク・・・標準的サントラ。適度にドラマとマッチし、作品を盛り上げる。ただし、殆ど印象には残らない。ハリウッド大作にありがち

Aランク・・・作品に密接に寄り添い、ドラマを盛り上げる。そして印象的なメロディがたくさんある

Sランク・・・AランクにプラスしてレコードやCDで音楽だけで聞いても、映像や作品を思い浮かべる事が出来る。そして、純粋に音楽のみでも鑑賞に耐える。オーケストラなどの生演奏で聞きたくなる。更にはその音楽が内包する”世界”が豊潤で、作品を離れたイメージを新たに想像する事すら出来る

 

私は当然このSランクのサントラに好きなものが多いが、「篤姫」の場合、印象的なメロディがたくさんあるというより、殆どのメロディが印象的といった方が正しい。聞けば聞くほど素晴らしい音楽だ。

 

なんで今さら2008年の作品である「篤姫」のサントラの話を持ち出したかというと、現在開催中の「楳図かずお大美術展」を見に行く前にと「わたしは真悟」を再読した際に、まりんとさとるの雨の公園での別れのシーンで自然と脳内に音楽が鳴り響いたのである。それは「篤姫」の音楽であった。以前にも「漂流教室」を読んでいて脳内に「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ」の音楽が鳴り響いた時があったが、なんというか優れた作品は優れた音楽を引き寄せるし、優れた音楽は優れた作品をイマジネイトできると言う事ではないだろうか。

 

「篤姫」オリジナルサウンドトラックの第二集。第一集も素晴らしいがこの第二集も名曲の宝庫である。

11:45からの「こころ降る」はドラマの中でも数々の名場面で印象的に使用された。「わたしは真悟」のコミックスをお持ちのあなた。是非まりんとさとるの別れのシーンを読みながらこの曲を聞いて頂きたい。ただでさえ名場面なのに、きっと更に極上の名場面になる事請け合いです。是非お試しあれ!