NHKBSPで放送中の4KウルトラQ、今週は第8話「甘い蜜の恐怖」であった。この回はメインゲストがハヤタこと黒部進である事はファンならば周知の事実であるが、その婚約者役で沢井桂子(1945~)が出演しているのも嬉しいポイント。

このエピソード、これまでも何回も見ているのだが正直大して面白いとは思っていなかった。だが今回改めて見て男女3人を巡る愛憎劇としてサスペンス劇場的な面白さがあるなあ、と再認識した次第。特撮面でも迫力があるシーンが続出するし(「地球防衛軍」「空の大怪獣ラドン」からの流用以外でも)、木村(黒部進)・愛子(沢井桂子)の恋敵・伊丹を演じている岩下浩が現在封印されているウルトラセブン第12話「遊星より愛をこめて」でスペル星人の人間体を演じている俳優さんなのもトリビア?

私たちのような古い東宝特撮ファンならば沢井桂子さんと言えばまず「怪獣大戦争」(1965)の主役・富士一夫(宝田明)の妹・ハルノ役が浮かぶだろう。この映画のもうひとりのヒロインである波川役の水野久美の妖艶な、日本人離れ(地球人離れ?笑)した風貌とは対照的な女性を演じている。自身も宇宙局に勤務する時代の先端をゆくキャリアウーマンであるのに、つきあっている彼氏は売れない発明家・哲男(久保明)、という設定が面白い。頼りない彼の尻を叩く強さをもちながらも優しく見守る女性のキャラクターだ。このカップルと一夫、グレン(ニック・アダムス)の4人が揃う喫茶店のシーンはこの映画のみどころのひとつとも言えるだろう。「ダメよそんな所で相づち打っちゃ!」というハルノのセリフがかわいい!

同年に「フランケンシュタイン対地底怪獣」に原爆症で亡くなる女性・鶴子役で出演。出番は少ないながらもこの映画の隠れたテーマが広島の原爆である事を印象づけるに充分な儚げな名演である。

翌1966年には事実上の主役とも言うべきヒロインをつとめた「お嫁においで」に出演。主演が加山雄三であり、ストーリー展開や加山が歌うシーンが盛り込まれたりと、「若大将シリーズ」のようなカラーの映画のようだ。監督は東宝特撮のエース監督である本多猪四郎が担当、本多監督が特撮以外の一般映画を担当した最後の作品であり、映像ソフトも発売されているので私も見てみたいと思っています。

沢井さんはこの映画で水着姿も披露しているが、残念ながら白黒の画像しか発見出来ませんでした(泣)

最後に沢井さんが表紙を飾った「週刊現代」(1966年4月)の画像を貼っておきます。ホントにお美しい。しつこいようだがこの時代の映画女優さんの美しさ、ハンパないですよね。

「東宝特撮女優大全集」にインタビューが掲載されており、本多監督の思い出などを語っています。興味がある方は是非ご覧下さい。