福島の件もそうですが、
不安な情報は広がりやすいように思われます。
不安な情報には人々の関心が高くなることと、親切心から「教えてあげたい」という気になりやすいからだと考えられます。
放射能は、線量が高ければ死んでしまうのは事実で、しかもどこにでもあるものですから、変な言い方ですが、人々を不安にさせるのに適したアイテムなんだと思います。
にょろママさんのお嬢さんの修学旅行の行き先の件と同じような事例が、私の身近にもありました。
少し前のことですが、空間線量のデータを添付して、「こんな線量の高いところへ子供を行かせるなんて学校は何を考えてるんだ」という投稿があり、その記事を無批判に拡散している人が居ました。
そして、その拡散した記事には、「ひどいね」「とんでもない」という学校に批判的なコメントがいくつか付いていました。
表面的には学校が悪いように見えてしまうのですが、記事をよく見ると、空間線量のデータは震災直後のもので、3年近くも前のものでした。
これでは、ある程度線量が高いのはあたりまえです。
では、今はどうなのかと投稿を見た時点での線量を調べてみると、特に高いということはなく、危険視するのは間違いだと言い切れるようなレベルでした。
古いデータを見て、危険だと騒ぐ人にも困りますが、自分の主張に沿うような記事を見て、何の検証もしないで拡散してしまう人は、もっと困ります。
意識的に広めようとしなくても、誤った情報が拡散してしまうこともあります。
女子高生の雑談から広がったデマにより取り付け騒ぎとなった、豊川信用金庫事件という例がそれです。
この事件には、意図や悪意を持った人は一人も居ませんでした。
それでも大変なことになったのです。
下手をすれば豊川信用金庫は破綻していたでしょう。
この事件は、ネットの無い1973年に発生しました。
ネットの発達した現在では、もっと簡単に、もっと大規模にデマが拡散していきます。
更に、そこに意図や悪意を持った人が加わるとどうなるか?
不安になるような情報を受け取ったら、それが本当に不安に思わなければならないようなものなのかを判断しないままに誰かに伝えてしまうのは止めましょう。
不確かな情報なら、「そんなことを言ってる人が居る」程度の評価しかできません。
拡散しないで、握りつぶしてください。
誰も困ることはありません。
逆に、害にならないことが明らかな、人々を楽しませるような情報なら、どんどん拡散していいのではないでしょうか。
楽しい情報があふれているなら、そこはきっと良いネットであり、良い社会なのですから。
追伸
海洋や大気の汚染度合を色分けした資料を見かけたら、色だけで判断するのではなく、色ごとの数値を確認してみてください。
いかにも危険そうな色付けがされている部分でも、実際の数値はそれほど高くない場合が多いように思います。
印象操作の罠に引っかかってはいけません。