マウリツィオ・ポリーニ -ポリーニ・パースペクティブ2012-
11月13日(火)曇り
サントリーホールにて開催中の「ポリーニ・パースペクティブ2012」から、現代イタリアの作曲家
シャリーノの謝肉祭第10番から第12番の3曲と、ベートーヴェンの最後の3つのピアノ・ソナタの
演奏会に行ってきました。
前半のシャリーノの曲は、今年のルツェルン・フェスティバル委嘱作品で、もちろん今夜が日本
初演。第10番「震えるままに」と第12番「弦のない琴」は、古代中国のテキストによる声楽アンサン
ブルが楽しめる。
なお、ピアノ・パートは、マウリツィオ・ポリーニの息子のダニエレ・ポリーニが担当しており、
演奏終了後、作曲者と指揮者に次いで拍手が多かったのは、そのためだったのかと理解。
休憩後、今夜のハイライト、ベートーヴェンの最後の3つのピアノ・ソナタ。
ポリーニの生演奏も初体験で、非常に期待しておりました。
特に32番のソナタ、第2楽章のアリエッタの主題と変奏・・・・聴きようによってはJazzの響き
にも似た特徴ある音楽、その演奏表現に関心がありました。
ポリーニのタッチは、力強く、時には柔らかく、表情豊かな音色には感服しましたが、概して
テンポが速いため、表面的な、「のっぺり」した印象は拭えませんでした。もう少し丁寧な、落ち
ついたテンポで表現してほしかったです。