業務改革を考える(黎明編) | Ultimate K.O.のブログ

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マネジメント・コンサルタントとしての成長日記。

BPR実施のポイントは2つ。企画立ち上げ時の社内の合意形成と、実行局面における現場への落とし込みであります。

よくIBMやらアクセンチュア辺りが持ち掛ける、「業務をまず可視化する」「業務を分析し、定型・非定型に分ける」「定型業務は廃止・簡素化・集約等の施策に仕分ける」といった古典的な業務改革手法があります。これは所謂、上記ポイントの間に存在するプロセスであり、それなりに腕の良いコンサルタントに任せておけば、半ばオートマチックに進んでいく代物であります。

 

肝心なのは、まずボトムアップでの地道な業務改善でなく、組織変更等も視野に入れた全社的業務改革・BPRを実施する事について、きちんと社内の合意形成をとる事です。市場動向・競合の動きなんかをちらつかせて危機感を煽る、社内の主要プレイヤーに根回しをする等、やり方は千差万別です。私なんかも、ホラーストーリーを以てクライアントを焚付ける様な提案を行ってきました。ただここはあくまでやり方論の一つに過ぎず、ホラーストーリーなんかは所詮紙芝居です。BPRを企画するエンジンになるのは、クライアントの危機感と熱意です。コンサルタントとしては、このフェーズではある意味熱量の高いクライアントとタッグを組み、一緒に燃える事が一つカギだろうと思います。経営者の「よし、やろうか」を引き出すには、最終的には青臭い熱意が大事ではないでしょうか。

 

前置きが長くなりました。今回は実行・定着化についての話をします。実は、BPRプロジェクトの殆どは実行・定着化段階で現場に受け入れられず形骸化します。日本人はやり方を変える事を非常に嫌いますし、ましてやBPRなんてのは所詮一時的な特設チームが考えたものですから、現場としても言う事を聞く理由も長期的に見ると実はなく、すぐ元通りのやり方に戻ってしまいます。

 

アメリカだと割とトップダウンで下した業務改革は浸透するみたいですが、日本は現場が強いのか指揮命令系統が曖昧なのか、イマイチやり方を変える事が浸透しないんですよね。これは日本のSI構築費がやたらかさんでいる要因にもなっています。そこは追々深掘りしていきたいと思います。

 

それでは、日本で実行・定着化を図るにはどの様なやり方が良いのでしょうか。性善説に立ち、会社が変わらなければならない事を力説し、皆の心を動かしていくチェンジマネジメントの必要性が巷では叫ばれています。ただ、結局人間そこまで変わらない。変わるなんてめんどくさい。変わった所で給料にも大して影響しない。人生めんどくさい事だらけなのに、なぜ仕事でまでめんどくさい事をしなければならないのか。これがBPR実行現場の本当の声だと思います。

 

なので私はX理論に立ち、変わらざるを得ない環境の整備が大事だと思っています。組織や職掌、システムの変更なんかはその典型的な例といえます。IBM辺りは徹底的なモニタリングの仕組みを導入し、強制的に業務改革を実行していると聞きます。また最近はぼやっとですが、「現場でお互いがゆるく監視し合う様な仕組みを整備してもいいのではないか」とも思っています。意味は違うかもしれませんが、ブロックチェーンに思想としては近いのかもしれません。そこは追々考えていきましょう。

 

次回は、この「お互いがゆるく監視し合う仕組み」について、もう少し深く考えてみたいと思います。