80年代、日本でもTurboやDOHCエンジンなどハイパワーなスポーツエンジン、Toyota SoarerやCelica XXなどハイソサエティ―カ―と呼ばれるジャンルができてきた時代。ヨーロッパのチューナーたちはかなり過激車を次々に仕上げていきました。 特に派手なボディデザインで有名だったのがKoenig Specials/Gemballa/ABC Exclusiveです。
写真はABC Exclusive(アーベーツェー)です。ボディデザインはKoenigに酷似しており、当時よく物議をかもしだしておりました。
こういったデザインの車たちからスリーポインテッドスターが取り外されているのには理由があります。
メルセデスの車のデザインを変えて売り出すと意匠登録の関係でメルセデスから訴えられてしまうからです。
当時スリーポインテッドスターを使えたのはAMGとLorinzer、後続のBrabusだけでした。
(BrabusとLorinzerはドイツで1,2を争うメルセデスの大手販売ディーラーで、日本でいえばヤXセのようなものです。自社顧客のために独自のオプションを始めたのがそのブランドの成り立ちなのと、かなりの販売台数を誇ったのでその発言力は大きく、マークの使用を特別に認められていました。)
話がそれました。
このお車は今までR129のワイドボディーにお乗りのお客様の2号車です。R129ではご家族が移動できないと理由で最近こちらのお車を手に入れました。
エンジンはなんの問題もなく始動します。 Tuf(ドイツの大変厳しい車検制度)で認定も取られている等長タコ足が装着され、SOHC straight6とは思えない吹け上がりをします。
走り出すと、鋭い吹け上がりはどんどんとこの大きなボディを加速します。
しかしどうでしょう?? 元気なのは始めだけ。だんだんと失速し、遂には止まってしまうのです。
ここで再始動すると何も問題なくエンジンはスタートし、また元気に発進します。
しかし走り出すとまたすぐに失速し初め、やはり3分くらいでエンジンがストップしてしまう・・・。
結局UBTにたどり着く前に息絶え、ローダーの出動となりました。
当時のTuned Carたちは良くも悪くもそれぞれのエンジニアのアイデアが惜しみなく注がれています。
当時これらの車たちの各部すべて彼らが単一の工場で仕上げたものではありません。
ボディ、エンジン、足回り、それぞれのプロがそれぞれのメーカーからオーダーされた仕様を「分業」で作っていました。 Porscheチューナーで有名だったGemballaはエンジンがRuf、ボディがSholtz、内装がGenballa、Koenig SpecialではエンジンがAlbert、ボディがStrosekなど「その道のプロの合作」という手法がとられていました。
各部、純正状態からなにかが何らかの方法でいじられているというわけです。
しかもどこをどういじったかの記録は一切ありません。
そのためトラブルシューティングは一筋縄ではいきません。「?」と「!」の連続です。
本来あるべきものがなく、本来ついていないものが付いている というのは日常茶飯事です。
私自身大変なEurope Tuned Carのマニアなんで、そのTunerがどんないじり方をするかだいたい見当がつくのでいいのですが、ノーマルの車しか扱っていないディーラーでは絶対に直らなかったと自負しています。
このお車は通常のプロセス通り、まず基本にのっとったエンジンのトラブルシュートを行いました。
燃料、圧縮、点火、の3大原則をしっかりチェックしました。ずいぶんとメンテナンスされていなかったのがわかります。 ずいぶん元気になったものの、それでも「あと一歩」の状態でした。
いろいろ調べた結果、案の定「あるべきものが撤去」されておりました。(外見的には付いているように見えるんですけど…) またその撤去の方法が経年劣化で悪影響を及ぼしていることがわかりました。
原因はここでした。
基本にのっとったきちんとしたメンテナンスと、そして普通であれば見つけられないポイントにきちんとした対処を施し、大きなボディにふさわしいパワフルなエンジンになって巣立って行きました。
確かにノーマルのSOHC Straight 6とは明らかに別物な、「これぞTuning Mercedes」というものになりました。
皆さまもお困りなTuned Carをお乗りでしたら是非UBTにお任せを!