映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場するタイムマシンの通称である。

エメット・ブラウン博士(以下、ドク)が、自らの愛車DMC-12を改造して製作したタイムマシンである。
ドクの発言によれば、DMC-12が改造のベースに選ばれたのは「ステンレスボディがタイムマシンにとって好都合」及び「見た目のかっこ良さ」が理由としている。

デロリアンは1985年10月26日に最初のタイムトラベルに成功し、1985年10月27日に最後のタイムトラベルを終えた後、貨物列車と衝突し大破・喪失した。したがってスタート時点の時間軸から見れば、完成から2日程しか存在しなかったことになる。一方、デロリアンから見た時間軸では、70年以上存在していたことになる(1885年から1955年まで廃坑に隠されていた期間が大半を占める)。

また、1955年11月12日には、最大4台存在していたことになる。1台目はマーティと1955年のドクが落雷を利用して1985年に帰還させようとしているモノ、2台目は2015年の老いたビフが若き自分に年鑑を渡す時に使用したモノ、3台目は年鑑を取り戻すためにマーティとドクが使用したモノ、4台目は1885年から廃坑に隠され続けていたモノである。

デロリアンを加速させ、時速88マイル(約141 km/h)の速度で走行又は飛行している時、次元転移装置へ1.21ジゴワットの電流を流すことにより、タイムサーキットに設定された日付と時刻へワープを行う。その後に出現する場所は、時空を移動して消えた地点と同じである為、過去又は未来に建造物や道路が存在する場合、それらに衝突する等のトラブルに見舞われることもある。この特性の為、マーティとドクは三部作のほぼ全てに於いて窮地に陥っている。

上記のスピードまで加速させる為には長めの直線道路が必要になるが、2015年へワープした際に現地で普及していた飛行機能を取り付けたことで、空中に於けるワープが可能となり、この問題は解決する。タイムトラベルの瞬間、閃光を放ち、車体が消えた後、地上又は空中に炎のタイヤ跡を残す。タイムトラベル先の時間と空間に再突入する際、車内には多少の衝撃があり、出現の際には、3度の閃光と共にソニックブームが発生する。また、絶対零度の異空間を通り抜ける為、車体が極低温の氷に覆われた状態となるが、2015年での改造後には付着量が減少する。

シリーズの脚本を担当したボブ・ゲイルによれば、初期の脚本ではタイムマシンは冷蔵庫を改造したもので核爆弾を起爆させその爆発で得られるエネルギーを基にタイムトラベルをするという設定だったという。しかし、いざ撮影段階に入ると予算が大幅に膨らんでいった為、金のかかるシーンをカットせざるを得ず、核実験場で原爆を爆破する場面が最も予算を必要とすると判断された為にカットされ、最終的にタイムマシンは自在に自走出来る方がストーリー上で、勝手が良いことと当時デロリアン・モーター・カンパニーの社長であるジョン・デロリアンがコカイン絡みのスキャンダルにより、連日テレビニュースに取り上げられておりそれが映画の宣伝に役立つのでは?と考えられた為「デロリアン・DMC-12」となった。