通常、神道の祭の際、普段は神社にいる神霊が氏子町内、御旅所等へ渡御するに当たって、一時的に鎮まるとされる輿である。よって通常は、担ぎ上げて移動するものを指していうが、それを台車（御所車、牛車）に乗せて曳くものなど別形態のものも指すことがある。
祭りによっては、巡行に山車、鉾、だんじり等の屋台が随行することもある。
【御輿】は「輿」に「御」を付けたものであるが、更に「御」をつけて「おみこし」と、呼ばれる場合がある。
神が乗る輿であるので【御神輿】とも書かれる。
神社の神輿を一般に「本社神輿」（神社神輿・宮神輿）と言い、神社に本社神輿が１基のみ存在する神社もあれば、三社祭で有名な浅草神社のように１社で３基の神社神輿を持つ神社もある。氏子町会が神輿を持っている場合はこれを「町会神輿」と呼び、この中で青壮年部が担ぐ輿を「大人神輿」、女性が担ぐ輿を「女神輿」、子供は「子供神輿」と呼んでいる。
特に、胴が箱型で内部が空洞の物を鳳輦（ほうれん）と呼び、実際に人間（主に天皇）や大きめの神器・依代が乗るものとして造られたのが起源とされるため小型な物は存在しない。
神輿と鳳輦の定義に於いて議論があり、文字通りの意味を定義と捉えた場合、鳳凰を付けた神輿すべてが鳳輦になってしまうが、鳳凰を冠していない鳳輦も存在するため「皇族等の貴人が乗る輿」と定義としている書籍が多い。
これに比べて、神輿は諸説あるが、鳳輦から発展し、神霊が乗ることに特化したものであるという解釈が出来る。
後述のように、成人男性が１人で持てる程の小型な物から、中に入れそうな大型な物まである。
神輿と鳳輦を合わせて「輦輿（れんよ）」と呼ぶが、定義も然ることながら、外見では判断しにくい為（特に、垂幕や瓔珞が付いている場合）、双方とも【神輿】と総称されているのが現状である。