霊夢のフルネームは【博麗霊夢】。

同人サークルである上海アリス幻樂団(ZUN)によって制作された作品群「東方Project」に登場する人物。
同作品群に於ける主人公の一人で、巫女である。

此処では、大きく設定の変更が行なわれた上海アリス幻樂団の設立前(『怪綺談』以前(PC-98版ゲーム作品)及び『秋霜玉』)と設立後(『紅魔郷』以降)に分けて解説する。

本頁で使用されている東方Project関連の略称については、東方Project#凡例を参照。



幻想郷の東端で、幻想郷と外の世界の境目に位置する「博麗神社」に住まう巫女。
ほぼ全ての東方Project作品で主人公として登場している。

 〜容姿〜
年齢は明らかにされていないが「少女」とされている。
髪の色は黒色(『永夜抄』・『花映塚』ではこげ茶色)で、髪型は作品によって異なる。
どの髪型でも共通して大きな赤色のリボンをつけている。

主に紅色を基調とした巫女装束を着用している。この巫女装束には袖が付いておらず、霊夢は白色の袖を別途腕に括りつけ、肩と脇の部分を露出させており、下は袴ではなくスカートになっている。この服は古道具屋「香霖堂」の店主・森近霖之助に作ってもらった物で、仕立て直し等も彼に依頼している。
巫女装束のデザインは、作品ごとに微妙に異なっている。『紅魔郷』ではパチュリー・ノーレッジとフランドール・スカーレットから「そこの紅白」と呼ばれ、『妖々夢』ではアリス・マーガトロイドに「所詮、巫女は二色」と言われている。

『月刊コンプエース』Vol.13に掲載された『三月精』第2部第7話で、霊夢が菜箸を持っているコマの枠外に「左利き」と書き込まれているが、単行本では記述が無くなっている。

 〜能力〜
霊力を操る程度の能力。主に、空を飛ぶ程度の能力(これが一番、彼女を代表する能力)や霊気を操る程度の能力等が出来る。それ以外は、下記へ。
空を飛ぶ能力とあるが、これは何事にも縛られずに自由だという意味だと考えられている。他にも夢想封印や二重結界など巫女に交わるスペルカードを持っている。

 〜性能〜
操作がしやすく初心者には使いやすいキャラクター。

 〜性格〜
単純かつ裏表の無い性格で、人・妖怪を問わず惹き付ける不思議な雰囲気の持ち主。

努力が報われると信じておらず、一生懸命に取り組むことを嫌っている故に努力をあまりしない。アリス・マーガトロイドの「全力で戦って負けると後がないため本気を出さない」という性格は、霊夢に似ているとされる。

修行が嫌いで、ほとんど修業はしていない為、強さは「そこそこ」。『萃夢想』では、修行不足を天性の才能でカバーしており非常に強いとされている。

妖怪退治を仕事としているため妖怪に対しては厳しい態度を取っているが、自身は人間にも妖怪にもさほど興味は無い。
誰でも平等に扱うが、その反面、誰も仲間として見ていない。仕事に関しては無慈悲。強い妖怪からはこのような性格が好まれているが、弱い妖怪からは怖がられている。

 〜生業〜
博麗神社の巫女としての仕事を行なっている。その為、陰陽玉、お祓い棒、封魔針、お札などの道具を使って妖怪退治を行う能力という博麗の巫女ならではの能力も所持している。

 〜特殊能力〜
色々な不思議な力を持つが、特に上記の「空を飛ぶ程度の能力」、「霊気を操る程度の能力」や「博麗の巫女としての能力」を使う。一部の技ではあらゆるものから宙に浮き、透明人間のような状態(無敵)になることも可能で、もし遊び(時間制限付きのスペルカードルール)でなければ誰も勝つことが出来ないとされる(夢想天生)。

結界に関連した力も持っていて、一部のスペルカードで結界を使っている他に、任意に博麗大結界を緩めたりすることも出来る。『妖々夢』では、幽明結界に触れただけで消滅させた。

『儚月抄』では「神降ろし」という能力を修行し始めた。これは、神の性質などを示す神霊を身体に宿すことで、神の力を使うことが出来るというものである。その他、神降ろしではないが神に関するものとして、『香霖堂』単行本第23話での神の力を用いた疫病封じや、『三月精 第2部』第15話 - 16話での神を鎮める儀式等も行なっている。

骨に宿る魂を見ることが出来るが、霊夢本人に言わせるとこれは巫女だからとのこと。その他にも、幸運、直感、身体能力、体術等を持つ。

 〜その他〜
スペルカードルールは、妖怪からの相談を受けて博麗霊夢が制定したものである。
「予知夢」という意味を持つ霊夢という名前の通り、勘が非常に鋭く、サイコロの目を確実に当てることが出来る。
霊夢いわく「私が賽の目を予想したということをサイコロが覚えている」からという。


魔理沙のフルネームは【霧雨魔理沙】。

同人サークルの上海アリス幻樂団が制作した作品群「東方Project」に登場する架空の人物。
作品群に於ける主人公の一人。
ほぼすべての作品に登場し、Windows版に於いてはシリーズ第8弾『東方永夜抄 〜 Imperishable Night.』、第12.5弾『ダブルスポイラー 〜 東方文花帖』、第12.8弾『妖精大戦争 〜 東方三月精』にてボスキャラクターを務める。

魔法使いの少女。
幻想郷で発生する異変に自分から介入し、妖怪退治を行う。
元々妖怪退治では博麗霊夢に敵わなかったものの、スペルカードルールの普及以降は拮抗するようになっている。
魔理沙によると、霊夢との対戦結果は4割程度の勝率となっている。

 〜風貌〜
魔法使いらしさと汚れを隠す目的を兼ね備えた黒い服を身に纏う。金髪にフリルが付いた衣装、黒い大きめの帽子、ドロワーズなどが特徴として挙げられる。
帽子やスカートには様々な小物を隠し持っている。髪型やデザインは描き手によって変わりやすい。

竹箒で空を飛ぶ。これは、魔理沙が魔法使いに必須の道具と考えたことによる。元々は一般的な竹箒だったが、魔法の影響を受けてから、葉が出るなどの変化が確認されている。

彼女の代表的なスペルカードの一つ『恋符「マスタースパーク」』は、彼女の宝物で、火力調節機能に優れたマジックアイテム「ミニ八卦炉」から放たれる。ミニ八卦炉は、魔理沙の実家で人間の里にて道具屋を営む大店「霧雨店」にて修業を積んでいた森近霖之助が、魔理沙の為に制作した。
魔理沙が実家と絶縁した後も霖之助は魔理沙と親交を保ち、『東方香霖堂 〜 Curiosities of Lotus Asia.』では錆びたことを契機に、ミニ八卦炉は霖之助の手で緋々色金製に改良された。

 〜人物像〜
性格は男勝りで豪快、根は素直だが努力家で負けず嫌いの一面を持つ。好奇心旺盛かつ、怖いもの知らずで飄々としており、面白半分で異変に介入する。
直情的で捻くれているという点から、掴みどころのない霊夢と対照的になっている。
一緒に食事を取ったり、口喧嘩をしたりするなど、霊夢とは友人・ライバル同士となっている。
蒐集癖の持ち主で、住処と店を兼ねている場はコレクションで散らかっている。集めたものは霖之助が引き取ったり、改造したりすることもある。口調は語尾に「だぜ」が付く。

幻想郷には「魔法使い」という妖怪が存在し、生来の素質を持つ人物や人間という種族から魔法使いに変容した人物も存在する。しかし、魔理沙は人間でありながら魔法を用いるという意味での魔法使いである。
今後、魔理沙がパチュリー・ノーレッジやアリス・マーガトロイドのような魔法使いに変異する可能性も指摘されているが、それは未知とされている。魔理沙が人間のまま魔法が使える理由は、彼女の努力の成果による。蒐集癖持ちで「魔法使い」という共通点から、人形使いのアリスとは『東方永夜抄 〜 Imperishable Night.』や『東方地霊殿 〜 Subterranean Animism.』で衝突しつつも共闘している。

魔法使いは人々から離れたところで生活するという慣習を持つ。魔理沙も例に漏れず人里離れた「魔法の森」にて何でも屋「霧雨魔法店」を営む。しかし、僻地のため専ら客足はなく、普段は魔法の研究や「博麗神社」に通って時間を費やしている。人間の里に現れることは稀となっている。
『東方三月精 〜 Strange and Bright Nature Deity.』第9話で魔理沙は博麗神社を訪れる理由について、霊夢に届いた妖怪退治の依頼の横取りと述べている。

『幻想郷縁起』では「もう一つの仕事が泥棒稼業」と記されている。魔理沙は「自分が死ぬまで借りていく」と正面から堂々と物を盗み、元の持ち主の手元に戻らなくなることが頻発している。特に図書への被害が多発しており、『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』に登場する紅魔館の図書館に籠るパチュリーは、度々魔理沙の泥棒被害に遭っている。
その一方で、『東方地霊殿』で2人はタッグを組んでいる。『東方地霊殿』でのもう一人のパートナーは、『東方風神録 ~ Mountain of Faith.』で登場した、河童の河城にとりとなっている。

魔法の森にはキノコが生えており、魔理沙は中でも「化け物茸」と言うキノコの採取を行っている。キノコは魔法の材料として、下準備に活用されている。これらは数日かけて煮詰められ、煮詰めたスープを数種類掛け合わせ、数日かけて乾燥させて出来た固形物を魔法の実験に使う。この実験結果を魔理沙は事細かに魔導書にまとめ、またキノコの採取を行うという手間を掛けている。この実験結果をまとめた魔導書について、『幻想郷縁起』ではただのメモ帳と断じている。霖之助は魔法の森で採取出来るキノコの知識について、魔理沙に比肩する者はいないと述べている。

 〜使用する魔法〜
魔理沙は光や熱、星などをモチーフとした魔法を用いる。
これは霖之助の営む「霖森堂」にて流星群を観察したことがきっかけとなっている。魔理沙の魔法は派手な威力重視のもので、これは「弾幕はパワー」「弾幕は火力」といった彼女の台詞にも示される。
マスタースパークであれば、山を一つ消滅させることが出来るほどのエネルギー波を放出する。また、マスタースパークは「恋色マスタースパーク」など楽曲のタイトルにもなっている。魔理沙の魔法は相手が妖怪でも人間でも同等の威力が見込める代わりに、物を破壊することしか出来ない。

 〜代表的なスペルカード〜
恋符「マスタースパーク」恋符「マスタースパークのような懐中電灯」恋符「マシンガンスパーク」
魔符「スターダストレヴァリエ」魔符「ミルキーウェイ」
黒魔「イベントホライズン」光撃「シュート・ザ・ムーン」星符「ドラゴンメテオ」
その他「ブレイジングスター」

 〜性能〜
自機としては作品群を通じて、範囲が狭い代わりに威力に優れた、レーザー攻撃を行う。移動は、高速が特徴として挙げられる。作品によっては、オプション装備で弾幕にバリエーションが設けられている。『東方鬼形獣 〜 Wily Beast and Weakest Creature.』では、オプション装備で更なる広範囲と破壊力を兼ね備えたマスタースパークが見られる。

魔理沙はボスキャラクターとして登場したことがある。
中でも『ダブルスポイラー』と『妖精大戦争』では「Extraステージ」という、難易度Normal以上をコンティニューなしでクリア後に追加されるステージにて、ボスキャラクターを務めた。

東方Projectと同人ゲームサークルの黄昏フロンティアの合同制作した対戦型格闘ゲームでは、完全な空中戦に切り替わった格闘ゲーム4作目『東方心綺楼 〜 Hopeless Masquerade.』にて、『東方非想天則 〜 超弩級ギニョルの謎を追え』から霊夢と共に続投した数少ないキャラクターとなっている。
主人公らしくスタンダードな性能だが、霊夢より火力に寄った性能となっている。強力な射撃技やビームを出す他、箒に乗って突進する技もある。欠点として、『東方心綺楼』では小回りが利かないと指摘されている。