スポーツやゲーム等に於いて、安全性・公平性を確保する為に設定された禁止事項のことである。分野によっては、反則とも呼ばれる。

格闘的なスポーツに多く、主に受けた相手が試合後も障害が残る行為を禁じ手にしている。

例として、次のようなものが挙げられる。

サッカーでは、危険行為全般。イエローカードによる警告ではなく、レッドカードを出されて即時退場処分になるなど重い処分が下される。

プロ野球では、打者の頭部への故意のデッドボール等。

バスケットボールでは、審判選手への暴言暴力等の危険行為。

格闘技はルールが多様化されているが、柔道やレスリング等の組技系の格闘技では、その乱取り形式の試合に於いては全ての打撃技が禁じられている。逆に打撃系格闘技では投げ、関節技、絞め技はほとんど禁止されている。

金的・目潰し・噛みつきは、全ての格闘技に共通する禁じ手である。裏を返せば、このような攻撃はそれだけ相手に与えるダメージも大きいともいえる。
この為、故意に禁じ手を繰り出す選手もいる。

頭突き・肘打ち・倒れた相手を蹴る行為は、一部の競技では有効であるが、禁じ手にされているケースが多い。

いくつかのボードゲームには、ルールで定められた禁じ手が存在する。禁じ手を打った(指した)場合、すぐさま負けとなるのが一般的である。

連珠に於いては、ゲームの性質上、先手が有利である(禁じ手を設けない場合は先手必勝の方法が発見されている)為、先手に束縛を加えることで公平に勝負出来るようにしたものである。ハンディキャップの一種。

将棋に於いては、二歩や打ち歩詰め、行き所のない駒の打ち込み(最上段の桂馬や香車、歩兵、上から二段目の桂馬)、連続王手の千日手は禁じ手であり、公式ルールではこのような手は指摘された時点で負けとなる。

囲碁に於いては、自殺手やコウをすぐ取り返すことは禁じ手である。

ゲームやスポーツのように明確な規則で、禁じられたものだけでなく『使うべきでない』とされる手法についても【禁じ手】と呼ばれることがある。