死体の筋肉が硬化する現象である。

死に伴い身体の循環系が停止すると酸素の供給が行われなくなる。すると、酸素を消費する好気的な生合成が停止するが嫌気的な生合成は継続する。そのため筋肉中のATPは消費されるが生産されない状態になり、時間をかけて徐々に枯渇する。すると、筋原線維の収縮タンパクであるアクチン・ミオシンからアクトミオシンを生じて硬化する。

また、ATPの枯渇により進行するので、体内のATPが通常より元々少ない場合、たとえば激しい運動で肉体が疲弊している状態のまま死亡した場合等には、硬直は通常より早く始まる。有名な例に於いて、武蔵坊弁慶は衣川の戦いに於ける戦で奮戦し疲労していた為、死の直後に硬直した(弁慶の立ち往生)と考えられている。