これらは、調理の基礎とも言える五つの要素である。
【煮る / 炒める / 蒸す / 焼く / 揚げる】
他にも【茹でる / 和える】を含めた、七つの要素もある。

順番に説明していこう。

  ① 煮る
食材を100℃程度の調味液で過熱する調理方法。
日本料理で最もポピュラーな方法。煮始めは強火が基本。 

 【味付けの順番と性質】
さ(砂糖) → し(塩) → す(酢) → せ(醤油)→ そ (味噌)
この順番は、基本中の基本なのでマスターしよう。特に、砂糖を入れる順番を間違えやすいので注意。
砂糖は食材を柔らかくする性質があるので最初に入れると良い。塩は、食材の水分を出して引き締める働きがある。先に入れると他の調味料が染み込みにくくなるので注意しよう。

 ② 炒める
強火でサッと加熱する調理方法。
高温で短時間で加熱するので栄養価の損失も少ないのが特徴。

 【下ごしらえが大切】
違う食材を同時に炒める場合は、火の通りが均一になるように切り方を揃える。油ハネや仕上がりが水っぽい原因になるので水気をしっかり切る。
炒める時間が短縮出来るので材料によっては下茹でや油通しをしておく。野菜以外の材料には下味をつける。臭みが抜けて風味が良くなる。
味にムラが出来ないよう、調味料は合わせておこう。

 ③ 蒸す
蒸気で食品を加熱する調理方法。原理が理解出来れば、簡単&便利なのでマスターしたいところ。

 【蒸し器の原理】
下部に蒸し水を入れ、その上の中敷に食材を乗せ蓋をする。
蒸し水が沸騰した蒸気が対流することで、食材を蒸らす。蒸し水がなくならない限り焦げる心配もない。また、蒸している途中で調味することはほとんどない(蒸す前か蒸した後に調味する)蓋に空いた穴から蒸気の発生状態が分かる。

 ④ 焼く
最もシンプルな調理方法。使う調理器具は主に次の三つ。

 A:焼き網・グリル
 B:フライパン
 C:オーブン

焼き加減と素材を生かした焼き方が美味しさの秘訣。

 ⑤ 揚げる
高温の油で加熱する調理方法。
旨味や風味を閉じ込めたり、香味を加える効果も。

 【衣揚げのポイント】
卵水と粉の割合は1:1がベスト。粉の中に水ではなく水の中に粉を入れると生地が均一に仕上がる。
粘りが出ないように何本か束ねた菜箸で大きく混ぜること。

 【油の温度の見分け方】
水で濡らした菜箸を入れて反応を見ることで油の温度がある程度は判断出来る。

 〜160℃:泡がゆらゆら上がってくる
 160~180℃:小さな泡が上がってくる
 180℃〜:大きな泡が上がってくる

 ⑥ 茹でる
そのまま食べる為、又は下ごしらえとして用いる調理方法。
素材の良さを最大限に生かせる茹で方を知っておくことがポイント。

 【熱湯から茹でる】
葉菜類や豆類、果菜類など土から上に出来る野菜を茹でる時は熱湯から。火の通りが早いので強火かつ短時間で仕上げること。冷水で手早く冷ますと色も鮮やかに。

 【水から茹でる】
芋類や根菜類など土から下に出来る野菜を茹でる時は水から。火の通りが悪いのが特徴。
水から茹でることで均一に火を通すことが出来る。旨味を逃がさない為にもザルなどにあげて自然に冷ますと良い。

 ⑦ 和える
下ごしらえした食材に調味料を絡める調理方法。
素材の味が最も引き立つので出来るだけ新鮮な食材を使用しよう。熱で味が変わらないよう、食材は完全に冷ましてから調味料を加えよう。

 【代表的な和え方の種類】
 胡麻和え:
炒って風味を出した胡麻を擂って調味料に加え食材を和える
 白和え:
豆腐と白ゴマに調味料を加えたもので和える
 おろし和え(別名みぞれ和え):
大根おろしに調味料を加えたもので和える

 【代表的な合わせ酢の種類】
 二杯酢:酢 + 醤油
砂糖を使わないので、酒の肴に向いている
 三杯酢:酢 + 醤油 + 砂糖
基本の合わせ酢、酢の物以外に魚の酢締めにも
 甘酢:酢 + 砂糖 + 塩
甘みが強いので、野菜の酢の物に合う
 土佐酢:三杯酢 + かつお出汁
旨味をプラスした合わせ酢

さぁ、皆の衆・・・自慢の逸品を披露してくれたまえщ(゚д゚щ)