祝いの膳、神祭りなど改まった日の食膳に、頭も尾も揃った完全な形の魚をつける、これを『尾頭付きの膳』といって、めでたい食事の象徴のように用いられる。
仏教では、殺生戒ということで魚は使わない、いわゆる精進料理であった。
これに対して魚を用いる料理は、仏教の管理以外のところで用いられるので、典型的ともいえる尾頭付きの一皿を加えてその意味を強調した訳である。