『何も食べていない時は、酔いが回りやすい』という話をよく耳にしますね。
実際に、そういう経験がある方も多いでしょう。
それは何故なのでしょうか。
また、なにかしら対策を行うことで、予防や改善は出来るものなんでしょうか。詳しく見ていきましょう。
空きっ腹で酔いが回るメカニズムとは?
胃の中が空っぽの状態で、酒を摂取することにより、血液中のアルコール濃度が急に高くなる為です。
水を摂取した場合は、胃で一旦留まりますが、その後、十二指腸から小腸へ入り、最後に大腸の順番で送られます。
水は胃では吸収されず、腸で吸収されます。
酒の場合は胃で約2~3割、腸で約7~8割吸収されます。
胃の中に何か食べ物が入った状態だと、胃に入ってきたアルコールが腸に流れていくスピードが遅くなります。
逆に、胃に食べ物が入っていなければ、アルコールは急速に胃から腸へと送られ、吸収されます。
その後、アルコールは肝臓に運ばれて分解されますが、分解する速度が追いつかず、分解出来なかったアルコールは全身を巡ります。
その結果、アルコールの血液中濃度が急に高くなり、酔いが通常よりも早く回るのです。
胃に食べ物が入った状態で酒を飲むと、血液中のアルコール濃度は飲み始めてから30分から1時間ほど経過した後、ピークに達します。
空腹時には、食後の3分の1の時間でアルコールが吸収され、肝臓に運ばれます。
またアルコールは刺激が強いので、空きっ腹に酒を飲むと胃の粘膜が荒れてしまい、胃炎などの原因になることもあります。
お酒を飲む前に出来る対策は?
先ほどお伝えしたように、空きっ腹で酒を飲むことによって酔いやすくなるだけでなく、消化器官にも負担がかかります。
その為、何か胃の中に入れてから酒を飲むようにしましょう。
空腹時には、食事やおつまみとして高タンパク質の食品を摂るようにしましょう。
タンパク質は、アルコールの分解に関わる肝臓を活性化させます。
高タンパク質の料理には、チーズや枝豆、豆腐料理、肉料理、魚料理、卵料理などがあります。
意識しておつまみに取り入れてみましょう。
ただし、摂り過ぎはエネルギーや脂肪の過剰摂取に繋がるので、注意が必要です。
酔いにくくする方法はある?
これまで見てきた通り、アルコールの分解を行うのは肝蔵です。
その機能を高める栄養素としては『タウリン』や『クルクミン』があります。
肝臓でアルコールを分解する際に、必要な酵素の手助けをするのがタウリンです。
アルコールの分解の速度を上げ、肝臓にかかる負担を軽くしてくれます。
主に牡蠣や帆立、蛸、槍烏賊、蜆などに含まれます。
クルクミンは、肝臓のアルコール分解機能を強化する作用があります。
カレー粉やウコン茶などに含まれます。
ウコンを利用した商品を見かけるかと思いますが、酒を飲む前にこういった商品を取り入れるのも、ひとつの方法でしょう。
ただ、肝臓の機能を強化する作用があると言えども、酒の量が多すぎるとカバー出来ません。
酒の飲み過ぎには注意しましょう。
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