生きた樹木を建築上の基礎として活用する人用の家屋である。

地上の住居痕跡が4万年以前からは見つかっていないことから、それ以前の原人達は樹上に巣を作っていたという仮説がある。

 〜構造上の特質〜
1本の木を支柱にして作られることが多いが、複数の木々を支柱として利用することもある。
安定性を確保するのであれば、複数の樹木を支柱として建てることが望ましい(このような支柱として活用する樹木をホストツリーという)。

土地の上に直に建てる『建築物』とは異なり、構造上安定性に不安があり、暴風にさらされると吹き飛ばされる懸念があった。
これは、1990年代に機械工学の専門家であるチャールズ・グリーンウッドによるガルニエ・リムという支柱(樹木)と構造物とを支える特殊ボルトの発明で、安定性の向上が図られ、小屋のような小規模なものから複数の部屋を持つ比較的大きな住居の建築も可能となった。

生きた樹木を支柱として活用するので、建てる前の木の選定と建てた後のメンテナンスも重要である。
根の広がり具合や根腐れの有無など、木の健康状態をチェックするのもさることながら、幹や樹冠の状態も観察する必要がある。
これらのチェックやメンテナンスは、素人目には分かりにくいところもあるので樹木医(アーボリスト)に依頼するのが無難である。