あれからどれくらい時間が経っただろう・・・



日が暮れて、月が雲の奥から出てくる。

なんべんも変わらぬ光景を見た。



ベースキャンプはまだ見えない。

というか、歩いている方角が正しいのかどうかも疑わしい。


随分前から
おんなじ所を行ったり来たりしてるような
そんな錯覚に陥っている。



幸いこの地に棲息している生き物は
生身の人間を襲うような習性を持ち合わせていないらしい。



水分と食糧も一応確保出来た。

…とはいっても、その場その時凌ぎのモノだが・・・




しかし、こういったモノが在るだけでも御(おん)の字なのだ。


 いただきます★

 ごちそうさまでした☆



生命の尊さを感じながら一口。

自らの行ってきた所業に対して
懺悔の念を込めて一口。


きっとこの漂流的な毎日も
因果応報というか、生涯全ての事象が
リンクしてるような・・・そんな気がしてならない。


思えば実生活でもさほど変わらぬ放浪を繰り返してきた。

神はおそらく
こんな自分に刑を科したのだろう。



どれほどの懲役になるかは
それこそ、神のみぞ知る…
といった所だ。




いつ息絶えてもおかしくない現状に
私は今日も眠りにつくとする。





       ~つづく~