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by miki tonoto
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原作 : キャラクターデザイン 神酒 とのと
製品版リライト : 文章修正 福田有人
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Ultimate ONE ~第六十二話~【メディシティーの思惑】
~ロキに手も足も出なかったハロウィンとバウンサーだったが無事に秘密基地へ帰れたようだ~
バウンサー「何とか帰ってこられたがロキとかいうヤツの能力…あれは…まるで…」
ハロウィン「あれってオーラの能力なのかな?」
バウンサー「わからん。しかも不死生物と来たものだ」
ハロウィン「私たちを助けてくれたみたいだけど、敵にならないことを祈るばかりね」
バウンサー「いや…いずれ敵となる…そう考えていた方が良いだろう」
ハロウィン「リサに相談したいところだけど、今ウエピナよね?」
バウンサー「早めに対策を練っていた方が良さそうだが…相談できる人間がいないな」
ハロウィン「しょうがないから…モブにしてみる?」
バウンサー「おい。一番ありえないところを言ったな。とうとう性格までトノトに似て来たか」
ハロウィン「あ!トノトは?」
バウンサー「あいつのことを忘れていた…」
ハロウィン「まだ、バーにいるかな?行ってみましょう!」
…
秘密基地のバー
モブ「おい!アビューズ!おまえはピリカちゃんのケツを触ったことがあるのかよ?」
アビューズ「きさま、誰にものを言ってやがる。餌の分際で」
モブ「社長~!俺の事餌だってよ?」
トノト「まぁ。仕方がないだろう。冥人にとって人は食べ物のようだし」
モブ「でも、ピリカちゃんの事は食べないよな?どうしてだ?」
アビューズ「おまえらだって、動物を食べるくせに同じ動物を可愛がってるじゃないか!」
トノト「それは…もっともだねぇ。返す言葉もないよ」
モブ「おい、納得しちまってるし」
トノト「ヤドカリは自分の居心地の良い貝を宿にする…その理由は身を守るため…か…なるほど」
モブ「なるほど?」
トノト「ええ、ピリカさんはこう見えてオーラを使うことができて、攻撃された相手を自分が受けたダメージの数十倍で返すことができる。そのダメージはあくまでも自分が受けたダメージの計算とされ、たとえ不死の相手にも効くのさ」
モブ「不死?例えば…レヴナントとか?」
トノト「まぁ。そうなるね」
モブ「実はすごい子だったんだな」
ピリカ「すごいだなんて…私は普通の人間の方が良かったです」
トノト「その能力のせいで、アビューズは安全を保てるわけだ」
アビューズ「トノト!そんな言い方はないぜ!おれはピリカを愛している!泣き叫ぶ声!絶望した表情!全てをだ!」
トノト「君のは愛ではなく欲という。何故なら一方的だからだ、ピリカさんは君といることを望んではいない」
モブ「お!まったくその通りだぜ」
カラララララーーーン
ピリカ「いらっしゃいませ!」
レオン「トノトの気配を感じたんでな」
モブ「おお~レオン!久しぶりじゃねぇ~か!」
レオン「仕事があってな…酒を飲むのも久しぶりだぜぇ」
トノト「ブッカーズが入っているよ。今年は63度だね」
レオン「上物入ってるじゃねぇ~か!重労働の後には最高の酒だ」
モブ「まさにバーボンだな」
レオン「おい。ハロウィンがこっちに来ているぞ?あいつも酒の味を覚えたのか?」
トノト「ふむ。頭の良い人間は物覚えが早い。それが酒の味でもね」
モブ「がははは!俺はいつも同じ酒ばかり飲んでるからな!頭が悪いのは認めるぜ!」
レオン「誰もそんなことは言ってねぇ~だろ」
カラララララーーーン
ハロウィン「あ!やっぱりいた!後、レオンも!私来るの知ってた?」
レオン「ああ」
レオン≪面倒くさい絡みをしてきたな…何かあるぞ≫
バウンサー「レオンもいたか。コスモもいると助かるんだが」
レオン「バウンサー…おまえもいたのか?」
バウンサー「なぜ、小柄なハロウィンの気配を感じられるのに、俺のキシャーーン音には気が付かないんだ」
トノト「ぷぷ」
レオン「コスモか…」
バウンサー「コスモがどうかしたか?」
レオン「いや…さっきタケルが客を連れて来たから会いに行ってみたが、コスモの気配は消えていた」
バウンサー「何故だ?」
レオン「さぁ~な。死んだのか?」
トノト「オールピースに行ってから少しずつフェードアウトしていった気がするね」
ハロウィン「そういえば、トノトってあまりコスモと話してなかったよね?どうして?」
トノト「ふっふっふっ」
ハロウィン「やめてよ、その不気味な笑いは」
レオン「で、おまえらの話は何だよ?なんかあんだろ?」
バウンサー「ああ…ドランクシティーが…壊滅させられた」
トノト「どういうことだい?」
ハロウィン「デスって言う冥人に街の人みんなゾンビにさせられて」
トノト「バウンサー、シャクリュウ、グレイダーがいなくなり冥人を阻止することができなかったか」
ハロウィン「あ…」
バウンサー「どうした?」
ハロウィン「今のバウンサーならアビューズを斬れるんじゃね?」
アビューズ「俺を…斬るだと?」
バウンサー「無理だろうな」
ハロウィン「どして?」
バウンサー「あの時はハロウィンがデスを憑依できないようにしていたため、体内にはいたがハロウィンとは一体化していなかった」
ハロウィン「そうか…憑依した状態の場合はピリカちゃんの身体を斬らないと倒せないのか…」
バウンサー「さらにはピリカのオーラがあるため、攻撃した方も確実に死ぬ」
ピリカ「私…自分自身で…しようと思ったんだけど。アビューズがさせてくれないの」
ハロウィン「う…う…何とかしてあげたいわぁ!」
バウンサー「ハロウィンがデスの精神に侵入した時に何か収穫はなかったのか?」
ハロウィン「やはり、冥人が使う暗黒魔法はゾンビが作り出す魔力を摂取することでエネルギーを作り出せるってことと…」
バウンサー「他には?」
ハロウィン「冥人自体が魔力で生成されている生物らしいってことかな」
バウンサー「なるほど、だから実体を持たなくても存在できるのか」
ハロウィン「でも、死ぬときは実体を持ってたよね?」
バウンサー「ああ、確かに」
トノト「君たちの話を整理すると、健康な状態では実体を持たず、それには魔力が必要って事になるね」
ハロウィン「人間でいう血液みたいなもの?」
トノト「人間は血液がなくなると死に至る…つまり、冥人の場合…魔力がなくなると」
ハロウィン「…アンチマジック」
トノト「それだ!」
アビューズ≪やべぇ~ことを聞いちまった≫
バウンサー「やはり、リサに聞いた方が良さそうだな」
レオン「問題が解決しそうじゃねぇ~か」
バウンサー「いや…もう一つ」
ハロウィン「あいつ…ロキ」
レオン「まさか!ロキに会ったのか?」
バウンサー「ああ、おそらくメタリカのロキと同一人物」
レオン「マジか…死体がなくなったとは聞いていたが」
バウンサー「そして、あいつの能力」
レオン「聞きたくねぇ~話だがな」
バウンサー「ロキの能力は…トノト…おまえのレジェンドに近い」
トノト「…というと?」
バウンサー「俺が倒したデスを生き返らせた」
ハロウィン「バウンサーも急に弱くなったり、魔法も使えなかったんだよ?」
トノト「ほう?」
バウンサー「確か自分から一定範囲以内にいなければ能力の効果がないようなことも言っていたな」
トノト「なるほど、であれば違うな…むしろ、ハロウィンが前に言っていた摂理の逆転というものに似ているのでないだろうか?」
ハロウィン「確かに!あいつが嘘って言ったら本当に嘘になっちゃうの!」
トノト「範囲に限界があるとすれば、数にも限界があると考えてよいかもしれないね」
バウンサー「おまけにヤツは不死身だ」
トノト「それは…敵に回すと怖いね。いっそのこと仲間にしてしまえば?」
ハロウィン「何よ、その安易な考えは…」
レオン「おまえら、よく無事だったな」
ハロウィン「私たち…助けられたみたい」
バウンサー「いや、正確には…今回は見逃した…という感じだろう」
ハロウィン「私たちにまだ働いてもらうって言ってたよね?」
レオン「政府はロキの死体捜索を打ち切った。それと関係しているのか?」
ハロウィン「バウンサーのことを知っていたみたい」
トノト「…政府が絡んでいるのか」
レオン「その可能性は高そうだな」
トノト「ん?ちょっと待てよ?さっきバウンサーが倒した冥人を生き返らせたって言ってたよね?」
レオン「それって…まさか…」
トノト「ガンシティーで何者かがイクシオンを生き返らせたのと重なるな」
レオン「つまり、仲間を集めているのか?」
トノト「ここからは私の憶測だが…」
ハロウィン「何?」
トノト「スレン達と戦う気なのかもしれない」
ハロウィン「じゃ、私たちがスレン達の問題を全て解決したとしても?」
トノト「ロキたちはスレン一味を攻撃する」
ハロウィン「ヤバいじゃん!」
レオン「メディシティーの差し金じゃねぇ~のか?」
トノト「だとすれば、心臓のありかを知っていてなお、スレンを生かしている。しかし一味と戦う…何か腑に落ちないな」
バウンサー「ロキ個人で動いている?」
レオン「それも考え難いんじゃないのか?」
トノト「ロキの動機が今のところ分からない…か」
ハロウィン「リサなら何かわかるかもしれないわね!」
トノト「では、私はシャクリュウを探しに行くか」
バウンサー「いや、トノトは基地にいてくれ。何かあった時、トノトがいてくれた方が助かる」
トノト「分かりました。ではモブさんとクリスマスシティーに行き酒を調達してきます!戦に備えるために!」
バウンサー「基地に居ろって言ったよな?」
トノト「へい」
…
~ウエピナ研究施設~
リサ「やはり、腐食された部分を調べると魔力のようなものが使われた痕跡がありますね」
研究員「え!分かるんですか?」
リサ「ええ、魔法を確認し、断絶するところまでは研究が進んでいるの」
研究員「そんなことまで!さすがリサさんです」
リサ「はは。たまたま私の友達に魔法を使える人がいて研究を手伝ってもらっているのよ」
研究員「ええええ~!リサさんにも友達がいたんですか!」
リサ「ぷっ。そっち?」
研究員「しかも、魔法使いが本当にいただなんて」
リサ「ウエピナの科学がいかに遅れているかを思い知らされたわ」
研究員「にわかには信じられない話ですが…」
リサ「ゾンビもすでに死んでいるから、元に戻すことが科学では不可能ですし。できない事もたくさんあるわね」
研究員「それはもう、遺伝子から生前の身体を作るしか…」
リサ「脳情報を後入れしたとして、それだとサイボーグとあまり変わらないわね」
研究員「命の定義とはなにかで今はもめているからな~」
ピピピピ
リサの通信機が鳴る
リサ「あれ?ハロウィンかな?」
…
ギブ「…リサ…」
リサ「あら?ギブさん!お久しぶりですね!」
ギブ「…リサ…すまん…」
リサ「あ?今ミュートにします」
研究員「あ!ギブさんとおりいった話があるなら私はこれで!」
リサ「すみません!」
立ち去る研究員
リサ「ごめんなさい。ギブさん」
ギブ「あ、いや。悪いことをしたのは俺だよ…リサ」
リサ「え?どういうこと?」
ギブ「俺はリサの仲間を襲ってしまった」
リサ「それって~コミュニケーターに行った人たちのことでしょうか?」
ギブ「たぶんそうだ…皆にも謝りたい。私が間違えていたよ」
リサ「たぶん、みんな気にしていないかな~?楽しそうでしたし」
ギブ「し、しかし!罪を償わなければ…」
リサ「罪だなんて…あ!そうだ!」
ギブ「どうした?」
リサ「ギブさんは医療チームでしたよね?」
ギブ「ああ、そうだが。君も知っての通りゾンビの変異種から得られる能力と治療薬の開発をしていたが」
リサ「では、メディシティーとはつながりがあるのかしら?」
ギブ「もちろんだよ!メディシティーはゾンビの変異種について興味を持っており、積極的にサポートをしてくれていたよ」
リサ「やっぱり」
ギブ「どういうことだ?」
リサ「ここからは、私とギブさんだけの話にしてほしいのだけど」
ギブ「わかった」
リサ「たぶん。メディシティーはゾンビの変異種の種を使って何かをしようとしているらしいのよ」
ギブ「ああ、それは理解できる。だからサポートをしていたのだろう?」
ギブ「ああ、待て!リサがそういうって事は…政府の規約を破った何か…って意味か?」
リサ「メディシティーは…壊人の抹殺対象になっているのよ」
ギブ「それは本当か?いや、リサはあてずっぽうで物を言う人間ではないな」
リサ「私…壊人と会ったの。そしてメディシティーを滅ぼそうとしている」
ギブ「あそこには善良な一般人も多いぞ!止める方法は?」
リサ「それを調べに行きたいのよ!」
ギブ「危険だ…あまりにも危険だぞ!」
リサ「しかし、戦争が起きる前に止めなければ」
ギブ「君のような優秀な研究者がいなくなれば、世の中がどうなるのか…君一人の命ではないんだぞ!」
リサ「ええ。でも…人を助けることができない研究なら…無くても良いと思っているわ!」
ギブ「く…君らしいな」
リサ「何か…メディシティーへ行く方法はないかしら?」
ギブ「あそこは外部の侵入を高度なセキュリティーで防いでいるからな。今思えばそれが怪しいのだが…わかった。私が何とかしよう」
リサ「本当!助かるわ!ギブさん!」
ギブ「後、君に使いをよこそう。そいつであればメディシティーのセキュリティーも突破できる。ハッキングしていることがバレずにな」
リサ「そういえば、ギブさんはハッキングも得意としていましたよね?」
ギブ「ああ、そいつに私の技術の全てをつぎ込んでいる!是非面倒見てやってくれ」
リサ「ありがたいですけど、その方も危険では?」
ギブ「大丈夫だ!そいつは強い。受け取ってくれ」
リサ「受け取る?」
通信機が振動し中から光が飛び出してきた
リサ「あら!」
その光は徐々に形を作っていく
リサ「ギブさん、これって…」
モエ「あ~ら!君がリサさん?美人すぎぃ~!モエやけちゃう~!」
ギブ「頼んだぞ!モエ!」
モエ「もっちろんよ!」
ギブ「リサ!メディシティーに行く準備ができたらまた連絡する。少し時間がかかるが待っていてくれ」
リサ「わかりました。ありがとうございます!」
モエ「リサちん!よろちく…ね!」
リサ「こ、こちらこそ」
~ギブのおかげでメディシティーに侵入するチャンスを得たリサであった。はたしてモエと上手くやれるのか~