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by miki tonoto
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原作 : キャラクターデザイン 神酒 とのと
製品版リライト : 文章修正 福田有人
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Ultimate ONE ~第五十四話~【ギブ】
~コミュニケーターで有名なアイドルのモエ、しかしそのモエはレヴナントにウエピナで殺されたことを告げ、怒りを表した~
モエ「おまえは…許さない!」
レヴナント「き、君は!」
シュン
カッサン「モエが消えた!」
その瞬間レヴナントは腹を殴られた感覚を覚えた
レヴナント「ぐっ」
ドーーーーン
吹き飛ばされるレヴナント、モエが現れたかと思うとレヴナントの腹を殴りつけていた
タケル「レヴナントさん!大丈夫か!」
レヴナント「ああ、少しびっくりしただけです」
レヴナント「君は…ウエピナの最下層にいたゾンビでは?」
モエ「よくも俺の大切な身体を…」
シュン
レヴナント「ま、まて!」
タケル「この速さじゃ、打撃を当てるだけで精一杯だぜ!」
モエの早さについて行き蹴りを入れようとするタケル
スカ
タケル「あれ?」
ドーン
また殴られ飛ばされるレヴナント
レヴナント「くっ」
タケル「ちくしょう!あいつの身体はどうなってるんだ?」
カッサン「モエはグラフィック!実体はないはず!」
タケル「ではなぜ!レヴナントさんが殴られてんだよ!」
コスモ「グラフィックの物理化に成功しているのよ」
タケル「わけわかんねぇ」
レヴナント≪落ち着け…私が倒した時、彼女はすでにゾンビ化していた、つまり死亡していたことになる。なら、何故その記憶を知っている?≫
モエ「そうか…おまえはゾンビ…頭を破壊すればよいのだったな」
レヴナント≪つまり、このモエを作ったのはその知り合い…私がモエのゾンビを破壊したことを知っているのは…その時私を撃ったあの男しかいない≫
モエ「武装転送」
するとモエにレーザー砲が装着された
コスモ「あれはおそらくレーザー砲…少しマズいわね」
カッサン「トランス20%」
モエ「さあ、今度こそ死ね!」
レーザー砲をレヴナントに撃とうとするモエ
ドガーーーン!
カッサン「武器破壊!」
カッサンに破壊されたレーザー砲
モエ「クソ!」
タケル「でかしたぞ!カッサン!」
カッサン「相手の武器から破壊するのはゲームの基本!本体はダメでも武器ならイケる!」
モエ「おまえ…カッサンだと?」
カッサン「へへ。まさかモエと対戦するとは思わなかったよ」
レヴナント「ギブ…とか言ったか…なぜこんなことをする!」
モエ(ギブ)「ほう?さすがウエピナの元ガーディアン…察しがいいねぇ」
ザン
真っ二つにされたモエ
レヴナント「!」
バウンサー「隙があったので斬らせてもらった」
タケル「おい、まさかあれさえも斬ったってのか?」
ビビビビ
真っ二つにされたモエが修復できずにいる
レヴナント「しかし、モエを操作しているのは別の人間です!」
バウンサー「本体を斬らなければダメという事か」
モエ(ギブ)「おいおい。怖いことを言うね」
モエ(ギブ)「リセット」
消滅するモエ
カッサン「消えた!」
アスカ「待って!あそこの電光掲示板!」
モエ(ギブ)「さて、おまえたちをどうしたものか」
~この騒動で周りの人達も集まって来た~
街の人「おい!これはモエのアトラクションか?」
街の人「つか、あれ!カッサンだってよ!」
街の人「マジか!めっちゃ可愛いじゃん!」
カッサン「てへへ」
バウンサー「おい、照れてる場合か」
レヴナント「しかし、人が集まってきては戦いづらい」
コスモ「気を付けて!街の人が持っている携帯にも侵入できるはずよ」
タケル「マジか!」
レヴナント≪次の攻撃は私の頭部を狙ってくるはず≫
~騒動を嗅ぎつけガーディアンが集まってくる~
ガーディアン「何事だ?」
レヴナント≪これだ!≫
ガーディアンの近くにいた街の人の携帯からモエが現れガーディアンの銃を奪った
レヴナントはすごいスピードでモエに近づく
ドン
モエ(ギブ)「当たったぞ!」
モエに頭を撃たれたレヴナントはそのままモエに掴みかかる
レヴナント「捕えた!」
モエ(ギブ)「き、きさま!何故頭を撃たれても動いている!なぜモエを捕えることができるんだ!」
レヴナント「もう…こんなことはやめるんだ!」
モエ(ギブ)「ふっ。もしモエがこの街に現れたゾンビを殺せたなら、英雄になれただろうにな」
モエ「いった~い!」
レヴナント「?性格が変わった?」
コスモ「今のモエはオリジナル…人工知能で作られた本当のモエの性格よ」
レヴナント「それを…ギブさんが操っていたのか?」
ガーディアン「人に暴力をふるえば逮捕になるが、これはキャラクターのモエ…一体どういうことだ」
ガーディアン「いや、拳銃を奪ったのはモエだぞ!」
街の人「ゲームに出てくるアレじゃないか?ゾンビを倒す奴!」
街の人「新しいゲームの宣伝か?」
バウンサー「こいつら…ぶっとんでやがる」
モエ(ギブ)「モエがここで事件を起こせば、私が犯人だとすぐにばれる」
レヴナント「だから、こんなことはやめろと言っているだろ!」
モエ(ギブ)「ふふ。いいことを思いついた」
レヴナント「なに?」
モエ(ギブ)「リセット」
消滅するモエ
レヴナント「くそ!生命ではない分厄介だ!」
カッサン「今度はどこに行ったの?」
タケル「これだけ人がいたら変に暴れるわけにもいかないしな」
レヴナント「おそらく、狙ってくるのは私だ!」
グサ
レヴナント「ぐっ」
何かに刺されたレヴナント
バウンサー「なんだこの今にも折れそうな貧弱な剣は」
ズボッ
ヒドラを投げ捨てるバウンサー
アルテモンの剣を抜く
バウンサー「こっちのほうがいい剣じゃないか」
レヴナント「まさか!」
コスモ「ハッキングされたわね」
ドーーーン
バウンサーを蹴り飛ばしたタケル
タケル「痛って!なんて硬さだよ!」
空中で止まったバウンサー
バウンサー(ギブ)「ほう?こいつ飛べるのか」
コスモ「レヴナントさん!人のいないところに逃げて!」
レヴナント「そ!そうか!分かりました!」
バウンサー(ギブ)「ウエピナのガーディアン…大したエリートだったらしいなぁ~。自分を犠牲にしても人を助ける…そんな正義感を持っていたと聞いたが」
レヴナント「何を企んでいる!」
バウンサー(ギブ)「この身体で大勢を殺せば誰が罪に問われる?おまえたちだ!」
コスモ「バウンサーのガドリング砲を人だかりに向けて撃つ気よ!」
タケル「そんな武器あったか!あいつ硬いし不味いな」
レヴナント「くそ、どうすれば…」
バウンサー(ギブ)「きさまが死ねばいいことだ!」
ドドドドドドド
キンキンキンキンキン
バウンサー(ギブ)「!」
そこにはブレイカーアックスでガドリング砲を弾いたカッサンがいた
カッサン「へへへ。私のブレイカーアックスも…硬ぇ~~~んだよ!」
ドーーン
アックスで叩きつけられ、吹き飛ばされるバウンサー
バウンサー(ギブ)「生意気なガキめ!」
アルテモンの剣でカッサンを襲うバウンサー
ドーン ドン ドン ドン
バウンサー(ギブ)「くそ!こんなガキになぜこれほどまでのパワーが!」
タケル「カッサンの方がパワーは数段上だな。にしても完全にアイツ、キレてんな」
コスモ「何ぼさっと見てんのよ!」
タケル「来るべき時のためにおとなしくしているだけだぜ!」
カッサン「いくら硬くてもなぁ~!中身がヘボいと弱いんだよおぉぉぉぉぉーーー!」
ドーーーーーーーーン
地面にたたきつけられるバウンサー
カッサン「トランス40%」
タケル「マジか!パワーを上げた!」
カッサン「街ごと消してやるぅぅぅぅぅーーーー!」
ブレイカーアックスにパワーを集中させるカッサン
カッサン「消えろぉぉぉぉーーー…」
クイ
カクン
気絶するカッサン
タケル「すまねぇ~な…それをやっちまうと本当に街が消えちまう」
カッサンを落としたタケル
コスモ「困った子ね」
タケル「アスカ!カッサンを頼む!」
アスカ「分かりました!」
落ちてくカッサンを受け止めるアスカ
バウンサー(ギブ)「ふ、ふ、ふ…これは良い…何という丈夫な身体だ」
起き出すバウンサー
レヴナント≪モエを…いや、ギブさんをバウンサーさんから引き離すには…あれをやってみるしかない≫
バウンサー(ギブ)「面白くなってきた…邪魔な小娘も消えたし、戦いの続きをしようじゃないか」
レヴナント「ラーデレン」
タケル「レヴナントさん!あれ、もしかして?」
コスモ「おそらく、神聖魔法よ」
消滅していくレヴナント
タケル「嘘だろ?自分が消滅しちゃったぜ?」
コスモ「いえ、実体を失っただけね」
バウンサー(ギブ)「レヴナント…まさか!自害したとでもいうのか!」
タケル「ひょっとして、自分が死んだと見せかけて事態を解決する作戦?」
レヴナント≪捕えた!≫
レヴナント「まだだ!」
ドサ
レヴナントにバウンサーの身体から引きづりだされたモエ
コスモ「一度実体を無くし、バウンサーの体内へ侵入、そしてモエを引きづり出したのね」
タケル「そんな器用なことができるのか?すげぇ!」
コスモ「あなたには無理よ」
レヴナント「私にはまだやらなければならないことがある!」
モエ(ギブ)「なんだと?」
レヴナント「モエさん!あなたを助けたい!」
モエ「!」
モエ「う…う…」
モエ(ギブ)「どうした?モエ!」
レヴナント「ギブさん!あなたは本当にモエさんの事を愛していたんですか!」
モエ(ギブ)「きさまに何が分かる!」
レヴナント「では、何故あなたはモエさんにこんな酷いことをさせていんるんだ!」
モエ「う、う…」
モエ(ギブ)「くそ…リセット」
消滅したモエ
レヴナント「く、またか!」
ザン
真っ二つにされたモエ
バウンサー「同じ過ちは二度とせぬ」
モエ(ギブ)「リセット」
ザン
モエ(ギブ)「リセット」
ザン
モエ(ギブ)「く。そうやって永遠と続けるつもりか?」
バウンサー「ああ、そのつもりだ。おまえも不眠不休でリセットを続けるんだな」
モエ(ギブ)「リセット」
…
しばらく沈黙が続いた
バウンサー「そこか」
レヴナント「バウンサーさん待って!」
モエが現れる
モエ「…もう…やめて…」
モエ(ギブ)「どうしたんだモエ?何があった!」
チン
ヒドラを鞘に納めるバウンサー
タケル「え?バウンサー、もういいのか?」
バウンサー「あいつはもう、侍の敵ではない」
モエ(ギブ)「モエ、どうして俺の言うことを聞かないんだ?」
モエ「あなたを…これ以上…醜くさせたくないから」
コスモ「人工知能が学習を繰り返し、自我が目覚めていたのね」
ギブ「モエ…」
モエ「あなたを苦しめる原因が私にあるなら…私を消して!」
…
ギブ「…思い…出した…」
ギブ「俺の知っているモエは…こんな事はしない…」
モエ「ギブ…さん」
ギブ「誰からも好かれない…不器用な俺に…あいつはいつも優しく接してくれた」
モエ「あなたは、モエさんとの思い出を私にインプットした…でも、私はあなたが愛したモエにはなれないのよ」
ギブ「モエ…」
モエ「でも、私はあなたのことが好きだから…これ以上…」
モエから光るものが流れ出た
レヴナント「…なみだ…」
ギブ「…モエ…俺は大切だったはずのモエ…おまえを苦しめてしまった…すまない…」
シュン
レヴナント「モエさんが消えた」
コスモ「彼のもとへ戻ったのよ」
タケル「自分でも言ってたけど、あいつ…ホント不器用だな」
バウンサー「普通の意味でタケルも不器用だがな」
カッサン「う…う…」
アスカ「よかったぁ~!カッサンの目が覚めました!」
カッサン「は!わ、私!街破壊した?」
アスカ「大丈夫よ!」
タケル「アスカ!俺がカッサンを締めて落としたってことはカッサンには内緒な!」
カッサン「聞こえてるっての」
バウンサー「タケルの不器用なところは単純にそこだ」
タケル「それより、ゲーセンってどこにあるんだよ!」
カッサン「切り替え、早っ!」
コスモ「タケルにとっての戦闘は日常なのよ」
バウンサー「タケルはいつも目立たないところでピンポイントで落とすよな」
カッサン「あれ、レヴナントさんは大丈夫なの?」
街の人「今の凄かったです!さ、サインを貰えますか?」
レヴナント「ははは、私のでよいのですか?」
街の人「ゾンビ、かっこいいですね!」
カッサン「サインしてるし…」
バウンサー「おそるべし…オタク…」
街の人「おおおおーーー!いたぞ!カッサンだ!」
タケル「おい、大勢でこっちに来てるぜ」
カッサン「めんどくさっ」
タケル「じゃーーーー…」
タケル、カッサン「逃げるか!」
~その場から逃げ出すカッサンたち…この街でオタクは最強である~