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by miki tonoto
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原作 : キャラクターデザイン 神酒 とのと
製品版リライト : 文章修正 福田有人
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Ultimate ONE ~第五十三話~【モエ】
~ジャングラタウンで息抜きをしたリサ達、そして秘密基地へ戻る~
タケル「あああ~楽しかったなぁ~!ジャングラタウン!」
モブ「まさか湖の中を散歩できるとは思わなかったぜ」
リサ「レインボーレイク特有のプランクトンが光を屈折させて虹色に輝きだす…素敵なところでしたね」
バウンサー「あそこの鍛冶屋もなかなかの腕だったぞ、なんでも自然が好きでドランクシティーから越して来たらしいが」
ゼノ「ここは?不思議な空間ですね」
トノト「まぁ、企業秘密だが自由に形や大きさを変えることも出来る場所さ、許可された者しか入れない。なかなか良いところだろう?」
ハロウィン≪ドキドキ≫
リサ「ハロウィン…大丈夫?」
ハロウィン「う、うん」
カッサン「私は途中レストランで寝ていたけど、皆さんは朝まで飲んでいましたよね?明日コミュニケーターへ行こうと思うのですが大丈夫ですか?」
タケル「じゃ、明日に備えてトレーニングするか!」
コスモ「普通は寝るでしょ」
リサ「私もちょっと休憩かな?あ、トノトさん!お話って?」
トノト「あ、そうだったね!では、休憩する前に話しておこう。研究室へ来てくれないか」
リサ「バーではなく?はい、分かりました」
ハロウィン「わ、私もちょっと部屋で休む」
リサ≪やはり、元気がないみたいね≫
レオン「こいつは…病だな」
リサ「病?ハロウィンの事?」
レオン「まぁ、大したことはねぇ。心配するな」
リサ≪後でハロウィンに聞いてみようかしら?≫
カッサン「さ~て!ゲームしよう」
~それぞれ解散したリサ達~
秘密基地 研究室
…
リサ「トノトさん、お話ってなんでしょうか?」
トノト「ああ、これの事なんだが」
トノトは小さな石を取り出す
リサ「これは…」
トノト「ルー君も持っていたと思うが、テレポートなどに使用していた魔力を封じ込めるマジックストーンさ。ヌァザ君から分けてもらってね」
リサ「あ、これを使用すればスレンのようなワンドも作れるのかしら」
トノト「ん?何のことだい?」
リサ「私たち、クレイジーシティーでスレンと会ったの、その時に彼が使っていたワンドが生き物の命を奪う魔眼という武器だったのよ」
トノト「それまた、物騒な」
リサ「バウンサーさんはロボットだから効かなかったけど、命あるものなら不定形のスライムでも殺すことができた」
トノト「なるほど、その武器は魔力を使用していた…ということかな?」
リサ「はい、ハロウィンからも聞きましたけど、おそらくオーディンも使用していた暗黒魔法を封じ込めた物かと」
トノト「ふむ。私が考えていたのはその延長…ということになるのか」
リサ「延長?」
トノト「そう、この石は術者の魔力を封じ込めることができる。考え方を変えると魔力を吸い取っているのさ、そして魔力が漏れず封じもめることができるということは魔力を通さない物質が含まれているはず」
リサ「あ、つまりその量が膨大である場合、術者の魔力を制御あるいは無効化することができる!」
トノト「そう思わないかい?」
リサ「確かに」
トノト「ブレイブシティーにはアンチマジックという魔力を無効化する技術が存在していた。そしてこのマジックストーンはブレイブシティーに多く流通している」
リサ「トノトさん!ありがとうございます!」
トノト「いくつかもらったので、リサさんにも少し分けてあげますよ」
リサ「これで、魔法を無効化できる技術を開発できるかもしれません!」
トノト「君は力を不用意に使用したりはしない。だから任せるよ」
リサ「はい!」
…
そして夜
~ハロウィンの部屋~
ハロウィン「う、う…トノっちに告白された…嬉しかったのに…私、どうしたらいいか分からなくなって…何もできなかった…う、う」
ピピ
ハロウィンの通信機が鳴る
ハロウィン「ん?誰?」
リサ「ハロウィン?部屋の前まで来ているのだけど」
ハロウィン「あ!リサ!」
シュン
ドアを開けるハロウィン
リサがハロウィンの顔を見ると涙を浮かべていた
リサ「ハロウィン…大丈夫?」
ハロウィン「り、リサ…うわ~~~ん!」
リサに抱き着き泣き出すハロウィン
リサ「ちょっと、部屋に入りましょうか」
自分の部屋に入れるハロウィン
リサ「ハロウィン…どうしたの?」
ハロウィン「う、う…私…トノトに告白されて…」
リサ「あら?トノトさんに告白されたの?良かったわね!」
ハロウィン「え?」
リサ「だって、ハロウィンも好きだったじゃ…」
ハロウィン「ちょ、ちょっと!それ以上は恥ずかしいからやめて!」
リサの口を押えようとするハロウィン
リサ「で?嬉しいことなのに、なんで泣いているの?」
ハロウィン「私、その時びっくりして何もできなかった…」
リサ「それで、トノトさんに嫌われたかもって思っちゃったの?」
ハロウィン「う…」
リサ「ふふ。トノトさん、そのくらいで機嫌を損なうようなメンタルじゃないと思うわよ」
ハロウィン「ほんと?」
リサ「でも、ハロウィンの返事を待っているかもしれないわね」
ハロウィン「う、う…私にそんな勇気は…」
リサ「その勇気が持てるようになるまで…待ってるんじゃないかな?トノトさんなら」
ハロウィン「勇気…勇気…私…なんでこんなに弱いんだろう」
リサ「うふ。思いが強いほど弱くなる…そういうものよ」
ハロウィン「でも、トノっちは待ってくれるかな…私に勇気が持てるようになるまで」
リサ「あ、トノトさんなら浮気するかも?」
ハロウィン「え~~~~~!」
リサ「お酒に!」
ハロウィン「こら!リサ!」
…
そして次の日
~カッサンの部屋~
ドドーーンガガガガガ!
プツン
カッサン「あ、あれ?強制シャットダウン?」
カッサンがゲーム用のゴーグルを外すと周りは明るくなっていた
カッサン「ヤバ!また哲ゲーやっちゃった!これからコミュニケーターに行かなきゃいけないのに!」
カッサン「腹が減っては戦はできない!よし!朝マックに行こう!」
シュン
部屋を出るカッサン
タケル「グオオオオオオオ!」
カッサン「う、また吠えてる…ま、リサさんに部屋を防音にしてもらったから良いけど。私もゲーム音とかうるさいんだろうな」
カッサン「さて、新しくできた食堂に行ってみるか!」
食堂へ行くカッサン
カッサン「さすが酒飲み集団だけあって、朝の食堂は静かね…しかも、無人…やる気のなさを感じるわ」
カッサン「私は、マック一択よね。100 円マックにマックシェーク!ファーストフードは転送で送られてくるから便利だわ」
食堂に人影が見えた
カッサン「ん?誰だろう?」
隠れるようにその人見るカッサン
リサ「ふん、ふ~ん。やはり朝のコーヒーは欠かせないわよね」
カッサン≪り、リサさん!≫
リサ「トノトさんが気を効かせていろいろなコーヒーとハンバーガーを注文できるようにしてくれたけど。やはり、土居珈琲さんのマンデリンは美味しくてついそればかりを頼んでしまいます」
カッサン≪い、いい女は…コーヒーに…ハンバーガーはモスやないかい!≫
リサ「ん?誰かに見られているような…」
こそ~~
リサ「あら!カッサンだったのね!おはようございます!」
カッサン「ギクッ!」
カッサン≪つか、なんで私おどおどしてるんだろ?≫
カッサン「お、おはようございまっす!」
リサ「ここの食堂良いわよね?好きなハンバーガーを選べるんですもの!」
カッサン「え、あ、はい!そうですね!」
リサ「カッサンは何を頼むの?」
カッサン「えっと、土居珈琲のマンデリンとモスです!」
~注文を済ませるカッサン~
カッサン≪やば、同じものを頼んでしまった≫
リサ「あら、私と一緒!土居珈琲のマンデリン、美味しいわよね!」
カッサン「は、はい!」
カッサン≪じ、実は苦いものは苦手だからコーヒーは飲んだことがない…嘘をついてしまった罪悪感が…≫
リサ「えっと~じゃ、私は何にしようかな。今回は 100 円マックにしよう」
カッサン≪え~!まさかの二個目?しかも 100 円マック!≫
リサ「一緒に食べませんか?」
カッサン「は、はい!」
向かいの席に座るカッサン
ロボットが注文したものを運んでくる
カッサン≪来たな!コーヒー!これをいかに美味そうに飲むか…≫
リサ「うん!100 円マックのこの少しスカスカした食感がまた良いのよね!」
カッサン≪すご!食べ物のネガティブな部分すらも褒めてしまうリサさんのキャパシティー…見習わなければ≫
カッサン≪このコーヒーを飲めば私は絶対に渋い顔になる…リサさんならそれ見逃さないはず…どうする?≫
ジーーーー
リサ「どうしたのカッサン?注文を間違えたのかしら?私が飲んでも良いですけど」
カッサン≪う、う…リサさんの優しさに負けそうになる…でも…それでは変われない!≫
カッサン「カッサン!いざ参る!」
リサ「え?」
半分笑いながら不思議そうなリサを前にしてカッサンはコーヒーを飲んだ
カッサン「う、美味い」
リサ「ほんと?」
カッサン「うん、美味い」
決死の覚悟で飲んだコーヒーは美味しく感じたようだ
カッサン≪な、泣きそう…一歩…リサさんに近づけた…≫
リサ「そういえば、今日はコミュニケーターに行くのよね?」
カッサン「はい!」
リサ「私はウエピナに行くので別行動になっちゃうけど、最初にトノトさんにワープを登録してもらえばよいと思うの」
カッサン「はい、そうします!」
リサ「では、またここで会いましょうね!」
カッサン「はい!」
食堂を後にするリサ
カッサン「ふぅ~~。緊張してなんか硬くなっちゃうな。こんなんじゃダメだ」
カッサン「よし!とりあえず、もう一杯!コーヒーを飲む!そして、二個目は 100 円マック! 100 円マックは食後のデザートだ!」
…
午前中の秘密基地ホール
タケル「よっしゃーー!今日は大会に出場するぞ!」
カッサン「タケルさんじゃ無理だってば」
タケル「後は誰が行くんだ?」
レヴナント「私です!後、アスカさんも行くって言ってました」
カッサン「あれ?アスカさんはハロウィンさんと魔法の研究とか言ってなかったのでは?」
レヴナント「なんでも、ゼノという方が神聖魔法の使い手で自分よりもすごい人だからその人に任せるとか」
タケル「あ、ゼノか。確かに只者じゃないぜアイツ」
カッサン「馬が喋る時点で只者ではない気がする」
タケル「他は誰だっけな?」
カッサン「バウンサーさんも行くと言ってたよ」
タケル「ならそろそろ散歩から戻るはずだぜ」
カッサン「後…トノトさん。正直トノトさんはどこにいるか把握できないのよね」
タケル「それはみんなも同じだぜ?」
カッサン「う~ん。レオンさんとガンシティーに行く前にコミュニケーターのワープを登録してほしいんだけど」
レヴナント「まだ、バーの開店前ですしね。この前はホールでゴザを敷いて一人で飲んでましたが」
カッサン「う…そのうちBBQとかやりそうで怖い気がする」
タケル「それいいな!」
カッサン「屋内ヤバくない?」
トノト「今、それを考え中なのですよ」
カッサン「あ、噂をすれば」
トノト「パークだと危険だし、どこか良い場所をワープゾーンに入れようかと」
タケル「魔獣のいない湖のビーチとか」
カッサン「それ、日差しが強そうじゃない?」
タケル「そんなこと言ってたらBBQはできないぞ」
トノト「ビーチのある湖ね…考えておきます」
誰かが近づいてきた
タケル「お?バウンサーが来たぞ」
バウンサー「ん?トノトも行くのか?」
トノト「ああ、ワープの登録をしに行くだけさ」
バウンサー「俺が最後か?ならいつでも行けるぞ」
アスカ「ちょっと待って~!」
カッサン「お!きたきた!」
アスカ「私もコミュニケーターのゲーセンに行ってみたいです」
タケル「ゲーセン?」
アスカ「そう!ゲームの闘技場みたいなところです!」
タケル「マジか!俺もそこへ行く!」
カッサン「まぁ、大会は無理だけどゲーセンならオッケーか。でもコミュニケーターのゲーセンはレベル高いよ」
タケル「おう!燃えて来たぜ!早く、行こうぜ!」
カッサン「じゃ、招待状をオープンにして…」
するとカッサンを中心にして光のフィールドは張られていく
カッサン「たぶん、この中に入れば大丈夫だと思う」
~メンバーはフィールドの中に入った~
カッサン「後は…承諾っと」
ポチ
シュン
~通信の街 コミュニケーター~
シュン
タケル「お?ここか?」
トノト「なるほど、事故らないようにゲートごとにワープの到着先を分けているのか」
カッサン「このゲートを開けると、その先がコミュニケーター!」
ウィーーーン
ゲートの扉が開く
タケル「す、すげぇ」
そこにはウエピナに匹敵するほどの巨大なビルが立ち並んでいた
トノト「ほう、何事も実際に経験してみないと分からないものだな。昼間なのにこのネオン…いい感じだ」
バウンサー「酒の匂いでもしたか?」
トノト「おそらく、酒はあるだろうな」
タケル「じゃ、俺、探しておくっす!」
バウンサー「トノト、そろそろタケルをバイトとして雇わないか?」
トノト「む、それはいい考えだね」
タケル「いや!飯も食べさせてもらって、部屋も借りてるんで給料はいらないっす!」
カッサン「そっか…じゃ、私も探しておく!」
レヴナント「いえ、未成年に酒屋を探させるのもどうかと…ここは私に任せてください」
バウンサー「さすがレヴナントだ、分かっている」
カッサン「じゃ、通信で情報だけ探しておきます」
トノト「しかし、秘密基地の仲間には不良がいないのか…」
カッサン「モブさんとトノトさんとレオンさんだけかも」
タケル「酒飲み三人衆だな」
トノト「酒飲みを不良のように…まぁ、間違えはないですが」
カッサン≪認めたぁ~!≫
トノト「では、この辺でワープを登録しておきます。それでは皆さん楽しんできてくださいね!」
シュン
カッサン「消えた…」
バウンサー「あいつとレオンはガンシティーか…嫌な予感がする…」
…
カッサンたちが歩いてると大きなビルに飾られている電光掲示板でキャラクターが踊っているのが見えた
カッサン「あ!モエだ!」
タケル「モエ?」
カッサン「うん。ここのアイドル」
タケル「ひぇ~!ファイトにもアイドルって名のアイドルがいるけど、人間だぜ?ここのアイドルは二次元かよ」
カッサン「オタクばかりだからね」
アスカ「も、モエ~!」
タケル「アスカまで…ひょっとして、カリスマ的なやつか?」
カッサン「最近登場したアイドルで、今は知らない人はこの街でいないって感じかな」
バウンサー「こういうのが好きだと…出生率に問題は起きないのか?」
カッサン「そうなの!この街の出生率が著しく下がってしまって今では主力ビジネスの反面で社会的問題にもなっているの」
バウンサー「やはりな」
レヴナント「ウエピナはゾンビ…それぞれの街にそれぞれの問題はあるのか」
タケル「ファイトナは若い男性の死亡率の高さだしな」
カッサン「げ!それ一番ヤバいやつじゃん!」
アスカ「モエちゃ~~ん!」
バウンサー「アスカはその話を聞いてすらいない」
電光掲示板のモエに手を振るアスカ
モエ「お?他の街から来たお客様かな~?こんにちは~!」
アスカ「こ、こんにちは~!」
タケル「すげぇ!俺たちに反応したぞ!」
カッサン「通信で街全体を見渡せる、AI グラフィック人間…それがモエ」
レヴナント≪このキャラクター…どこかで見た気が…≫
手を振るレヴナント
モエ「!」
モエ「お、ま、え…」
バウンサー「なんかヤバそうだぞ…」
電光掲示板からモエが飛び出てくる
カッサン「う、嘘!」
レヴナントの目の前に迫るモエ
モエ「おまえ…ウエピナで、私を殺したな!」