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原作 : キャラクターデザイン 神酒 とのと
リライト : 文章修正 福田有人
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Ultimate ONE ~第四十一話~【浄化の酒】
~場所はトノトたちがいるスティックタウンに移る~
モブ「がはははは!こりゃ美味い!ダッジで作ったウイスキービーは最高だね!」
レヴナント「ジャングラタン近くの森でも違うカクテルをいただきましたが、やはりショーコさんが作るカクテルは別格ですね。」
トノト「カクテルは同じ材料でも、振り方ひとつで味も変わりますからね。」
アイ「私も外で飲むのは久しぶりだな~!モブが誘ってくれなかったら今頃ブルーと鉄を打っていたところだよ。」
ルー「あ!そういえば、武具製造お仕事がもらえるかも、王と話をしなければいけませんね。」
アイ「私たちは直接王とお会いしなくて良いのかい?」
トノト「王か…それなら今度基地へ連れて行くよ。」
アイ「おお!それは助かる!やはり依頼主に直接会って話がしたいしね。」
トノトはゆっくりと立ち上がり口を開いた
トノト「さて、レヴナントさんを少しお借りしてよいかな?」
モブ「へ?どこに行くんだ?」
トノト「秘密基地さ。」
ルー「ちゃんと戻ってきてくださいよ!」
トノト「ああ、30分で戻る。」
レヴナント「私に用事…とは、いったい何なんだろう?」
トノト「行けばわかるさ。では。」
シュン
トノトとレヴナントが消えた
モブ「相変わらずじっとしていられない社長だな。」
…
~秘密基地~
…
トノト「ふむ。皆が出払っている今が君の悩みを聞くチャンスなんだが。」
レヴナント「ひょっとして!?」
トノト「ちょっと付いて来てくれないか。」
レヴナント「は、はい!」
トノトは秘密基地のバーの奥へとレヴナントを誘導した
バーの奥は行き止まりになっていた
トノト「ここは、壁に見えるんだが…」
というと、トノトはバーの壁に向かって歩き出し壁をすり抜けて行った
壁の向こうから声が聞こえる
トノト「君も来てください。」
レヴナント「は、はい。」
レヴナントが壁を通り抜けるとそこにはさらにバーのような、近代的な工場のような施設があった
レヴナント「ここは?」
トノト「酒の貯蔵室さ。」
レヴナント「こんなところがあったなんて、知りませんでした。」
トノト「たぶん誰も知らないだろうね。」
レヴナント「何故私をここに?」
トノト「一杯やるためさ。まあ、カウンターに座っていてください。例の物を持ってくる。」
レヴナント「例の物?というか、酒のことだよな。」
不思議な顔をしてカウンターに座るレヴナント
少し待っているとトノトが酒のボトルを片手に戻ってきた
レヴナント「例の物って…その酒の事ですか?」
トノト「君に飲ませてみたい酒があってね。」
レヴナント「それは嬉しいですが。」
トノトはカウンターの中に入りレヴナントのためにグラスにその酒を注いだ
トノト「どうぞ!」
レヴナント「この酒は?」
トノト「葡萄で作られた蒸留酒なんだが、その過程で数百年 “パージ” という魔法をかけて造られたお酒なんです。」
レヴナント「ま、魔法ですか?数百年間もその魔法を?」
トノト「そう…今は造られていない貴重なお酒だ。一杯しか飲ませることができないから、全神経を集中させて飲んでくださいよ!一杯しか飲ませることが出来ませんからね!」
レヴナント「そんな貴重なお酒を私に…ありがとうございます!」
そういうと、レヴナントはその酒を飲み干した
トノト「どうだい?」
レヴナント「美味しい!雑味もなく。アルコールの強さを感じない。」
トノト「ええ。そのはずです。パージとは不純なものを浄化する魔法…アルコールは身体に毒であるため、原酒は63度あるアルコールも全て無くなっている。」
レヴナント「アルコールがないのですか!?だが、ちゃんとした酒を飲んでいる感じだ。」
トノト「アルコールとは別の人を心地よくさせる物に変わっているからだろう。」
レヴナント「こんないい酒を…ありがとうございます!」
トノト「気が付いていないのかね?」
レヴナント「えっ?」
トノト「君の手を見てごらん。」
自分の手を見るとそこにはゾンビではなく、ツルツルとした人間の手に変わっていた
レヴナント「これは!まさか!」
そういうと、カウンターの奥に飾られている鏡で自分の顔を見る
レヴナント「う…嘘だろう?」
トノト「ふっ…驚くのも無理もない。」
レヴナント「ゾンビになる前の私の姿だ…」
トノト「今この酒を飲んだ感覚を忘れないようにしてくれたまえ。」
レヴナント「すみません!もう一杯飲ませてもらって良いですか?」
トノト「大切なことだから二回言ったよね。」
レヴナント「すみません!もう一度だけ!お願いします。」
トノト「仕方がないな。」
もう一杯レヴナントに酒を注ぐトノト
トノト「酒の効果はすぐに無くなるが、おそらくだが、自らにパージをかけることによってレヴナントさんは元の姿に戻ることができる。」
レヴナント「なんと…もう、諦めていたことが。」
トノト「ただ、このパージという魔法が伝承されているかどうか。」
レヴナント「この酒はどこで作られたお酒なんですか。」
トノト「本題だね。この酒は…”クロスランド” で作られた酒さ。」
レヴナント「なんだって!あそこは16000年ほど前に滅ぼされた町ではないですか?」
トノト「やはり…その口ぶりでは、その土地へ行ったことがあるんですね。」
レヴナント「トノトさん…それを知っていて。」
トノト「あそこは一部の神人が地上で生きるために作られた町だ。」
レヴナント「しかし…あそこにはもう生きている人が…」
トノト「誰に滅ぼされたのか気になっているのだろう?」
レヴナント「あそこには魂の状態で未だに両親の帰りを待っている子供がいます。もし、その子孫でもいるのなら、その子に会わせたい。」
トノト「なるほど…クロスランドの生き残りはいるだろう。現に神聖魔法が伝承されている。」
レヴナント「しかし…誰に滅ぼされたのか…」
トノト「当時は神人同士で戦争を起こしていてね。考えられるとすれば敵側の神人。」
レヴナント「そういうことか…だから結界を破られた。」
トノト「クロスランドの人達が使用してた魔法は主に回復や浄化など…それが滅ぼされた原因だと考えている。」
レヴナント「と、言いますと?」
トノト「もし、彼らを滅ぼした神人が地上にいるとすれば、攻撃系の神聖魔法を使用できるはずだ。」
レヴナント「まだ地上にいる可能性はあるのでしょうか。」
トノト「分からない…が。候補として考えられるのは美人の街 “ビューティー” あの街は神聖魔法の技術が盛んであることが有名でありながら、滅びていない街だ。」
レヴナント「確かに…おかしい。」
トノト「ま、私が知っているのはこのくらいかな?」
レヴナント「あ、ありがとうございます!誰に相談してよいのかわからず、一人で抱え込んでいました。」
トノト「後、ブレイブシティーにも大魔王の身体を腐敗させないように神聖魔法を使い続けている施設があるとルーさんが言っていました。私はそこに行ってみるつもりです。」
レヴナント「私もご一緒してよいでしょうか!」
トノト「もちろんだとも!そのためにはまず、ファンタシアの王と話を付けてくる。ブレイブシティーの王とも知り合いらしいしね。」
レヴナント「よろしくお願いします!」
トノト「では、そろそろスティックタウンへ戻りますか。」
レヴナント「はい!」
トノト「この部屋のことは内緒ね。とくにモブさんには。」
レヴナント「もちろんです!」
シュン
~スティックタウン~
モブ「おう!社長が戻って来たぞ!」
ブルー「レヴナントさん!何の話だったんですか?」
レヴナント「あ、ああ…私に好きな人がいてね。」
モブ、アイ、ブルー、レオン「えええええええ!」
トノトは小さくつぶやいた
トノト「き、君は…ずいぶんと嘘が下手くそだね。」
ルー「みんなひどいじゃないですか!レヴナントさんだって好きな人くらいいますよ!」
ブルー「で、でも秘密基地の人かい?まさか!ショーコさんとか?」
モブ「何言ってるんだよ!ショーコは俺のもんだ!」
ショーコ「もう!勝手に自分のものにしないでくださいよ!」
シャボン「あ…やんわりと振られましたね…」
モブ「シャボーーン!俺と酒付き合え!」
シャボン「まだ飲むんですか?」
トノト「まあ、レヴナントさんは私と同じロリコンなので心配はいりませんよ。」
ブルー「トノトさん!ロリコンだったんですか!?」
アイ「ていうか、この人、魔獣でもなんでもありな人だから。」
トノト「こほん…さて、ルー君。べろんべろんに酔っぱらったところで、君の王に会わせてくれないか?」
ルー「えええ!この状態で会いに行くんですか?怒られるかな。」
トノト「その反応もみたい。」
レオン「ボディーガードが必要か?」
トノト「飲み過ぎた君より、レヴナントさんを連れて行くよ。」
レヴナント「あ、ありがとうございます!」
レオン「へ?なんかよく分からんがよ。レヴナントが喜んでいそうだから譲るぜ。」
トノト「ガンシティーのことは後回しになりそうだが、優先するべきことがあるのでね。」
レオン「やべぇ。その話もあったか。」
トノト「行きかたは調べておくから安心したまえ!」
ルー「で、ではこれ以上酔っぱらう前に王のもとへ…」
トノト「ルー君はピークを過ぎると喋らなくなるからな。」
男「なるほどな。来るのが遅いと持ったら、ずいぶんと派手にやっているではないか!ルーよ。」
ルー「へ?」
トノト「ぷすっ。」
レヴナント「あ、あなたは!」
ルー「マジですか!」
ルー、レオン、レヴナント「ヌァザ王!」
~しびれを切らしてスティックタウンへ現れたヌァザ、トノトたちは無事に王と出会うことが来た~