Ultimate ONE ~第二十八話~【オールピース】
~秘密基地~
ルー 「ファイトナにこんなところがあるとは…どこかの研究施設みたいですね。」
タケル 「ああ、でもここはファイトナではないみたいだぜ。場所はトノトさんしか知らないな。」
ルー 「ワープというもので移動してきたのですか?」
バウンサー 「そういうことだ。」
リサ 「そういえば、ファンタシアってどの辺にあるでしょうか?聞いたことがない街ですけど、どうやってここへ?」
ルー 「僕もワープになるのかな?転送タクシーでファイトナまで来ました。」
バウンサー 「なるほど。ワープを商売に使っているヤツはいそうだな。」
リサ 「ウエピナと同じ技術をもつ業者がいるってことね。」
~奥から人が近づいてきた~
レヴナント 「みなさん、ファイトナの観光はどうでしたか?」
ルー 「こ、この方…病院に行かなくて大丈夫なのでしょうか?」
バウンサー 「ああ、レヴナントはこう見えて元気だ。」
レヴナント 「はは、この格好なので街中も歩きづらいんですよ。」
ルー 「そ、それならよかった。」
タケル 「それより、俺たちは “オールピース” へ行く話をしようと思っていたんだけど。」
レヴナント 「ああ、それならトノトさんから聞いていますよ!宴会場へ招くように言われました。」
リサ 「宴会場?また増設したのかしら?」
バウンサー 「あの道楽男が。」
リサ 「あ!ごめんなさい!ノランに餌を与えるのを忘れていました!後で行きます!」
タケル 「ああ、俺もたまにノランと会いたいからついでに連れて来てくれ。」
リサ 「はい!わかりました!」
≪自分の部屋へ行くリサ≫
バウンサー 「後は…レオンか。」
レヴナント 「レオンさんはブルーさんたちとすでに始めていますよ。」
バウンサー 「マジか!」
レヴナント 「いい酒が入ったから飲みに来いとトノトさんから連絡が行ったみたいです。」
バウンサー 「レオン、俺たちの連絡はスルーするクセにトノトからの連絡は受けるんだな。」
レヴナント 「はは、いい飲み友ですからね。」
タケル 「じゃ~!俺たちも行こうぜ!アルマも来てるかな?」
~タケルたちは宴会場へ向かうことにした~
タケル 「ひえ~!意外と広いな!」
バウンサー 「俺たちの部屋より数段広いぞ。」
ルー 「いわゆるバーのようなところでしょうか。」
レヴナント 「私はリサさんを連れてくるのでいったん戻ります。」
タケル 「レヴナントさんは相変わらず優しいな。」
バウンサー 「そこは、タケルがやるべきじゃないのか?」
タケル 「え?なんで俺?」
バウンサー ≪犬より鈍いぞ、タケル≫
ショーコ 「皆さん!おひさしぶりです!ここの店員を任されたショーコです!覚えていますでしょうか?」
バウンサー 「い、いや…むしろ雇われていると思っていたわ。」
タケル 「この方は?」
バウンサー 「トノト専属のバーテンと言ったところか。」
ショーコ 「よろしくお願いします!私、振るのは得意ですからご希望のカクテルを作ります!」
ルー 「楽しそうなお仲間ですね!僕たちの騎士団は堅苦しくて…酒どころじゃないな。」
ショーコ 「立ち話もなんなんで、席へご案内いたしますね。」
~タケルたちを席に誘導するショーコ、その先には説教をしている女性やワイワイしている人達がいた。~
アイ 「おい!トノト!あんたいつになったら結婚するだい!」
バウンサー ≪いきなり突っ込まれてるじゃないか。≫
ブルー 「あ、皆さんきましたね!」
トノト 「やあ!待ってたよ。」
アイ 「スルーか!」
ルー 「はじめまして!ファンタシアからきましたルーと言います!」
トノト 「お?ずいぶん礼儀正しいね。」
レオン 「…オーラ使いか。」
ルー 「え?私を見ただけで分かるんですか?凄い!」
バウンサー 「こいつがレオンだ。因みに酒を飲むと気配を消せなくなる。」
レオン 「言わんくていいだろそれ。」
トノト 「さあ、ロップ、君も挨拶をするんだ。」
ロップ 「俺の名前はロップ!雌だぜ!」
バウンサー 「久しぶりだなロップ。」
ロップ 「誰だ?おまえ。」
トノト 「バウンサーだよ。」
ロップ 「マジか!おまえ、変身したのか?」
バウンサー 「変身?まぁ、理由はあるが形が変わったんだ。」
ロップ 「そうか!納得したぜ!」
トノト 「ぷぷぷっ。」
アイ 「あんたの笑いのツボも分からないわ。」
タケル 「ロップって言うんだな!おまえも強そうじゃないか!」
ロップ 「俺、なかなか強いぞ!そして秘密がある!」
タケル 「秘密?」
ロップ 「片目がゴースト!」
タケル 「へ?」
ロップ 「俺の左目をよく見てみろ。」
タケル 「どれどれ…」
~ロップに近づき瞳を興味深く見るタケル~
ゴースト 「ひひひひひ…おばんです…」
タケル 「げ!マジだ!すげえ!」
ロップ 「すげぇ!だろ?」
トノト 「ロップ。話したら秘密って言わないだろう。」
タケル 「よくわかんねぇ~けど、可愛くて強くて眼にお化け飼ってるって素敵じゃないか!」
ロップ 「素敵だろ?」
トノト 「ところで、本題だがスレンたちはあと三時間で “オールピース” に来るみたいだ。店に予約が入っていた。」
ルー 「まずい。あと三時間か。」
トノト 「それなら心配がいらない。ワープなら一瞬で行けるからね。私も同じ時間帯に予約をしておいたよ。」
タケル 「おい。スレン達ってヤバい連中なんだろう?いつ戦闘になるかわからないのにのんびり酒飲んでいていいのかよ。」
バウンサー 「“オールピース” ではいかなるもめごとも起きない。たとえ政府であろうとも悪人を捕えることもできないのさ。」
トノト 「そう。そしてどんな悪人であろうと、“オールピース” の敷地内では揉め事を起こすことはできない。」
レオン 「それを利用して、悪人たちの交流の場にもなっているってわけだ。」
タケル 「そんな話、にわかには信じがたいが…一体どうなっているんだ?」
トノト 「建物含む敷地内全体が “神級のワンド” になっているのさ。」
アイ 「争いを起こさないワンドなんて聞いたことがない。」
タケル 「じゃ、そこで戦うのは無理ってことか。」
レオン 「だが、情報は聞けるかもしれないぜ。」
トノト 「おそらく、スレンの仲間達も来るだろう。」
バウンサー 「顔ぶれは分かるってわけか。」
宇宙人 “状況はおおよそ理解できたわ”
タケル 「お?宇宙人!」
ルー 「へ?」
宇宙人 “その場所にスレンの仲間が来るのであれば私が解析してみるわ、みんなにもそう伝えて。」
タケル 「お、おう。わかった。」
レオン 「で、宇宙人さんはなんと?」
タケル 「俺がスレンの仲間たちに会うことができればそいつらを解析してみるってさ。」
レオン 「解析?なるほど。俺の気配に気づけたのもそれだな。」
タケル 「へへ。すまない。」
レオン 「問題ない。むしろ利用価値の高い能力だ。」
タケル 「俺は迷惑なんだけど。」
宇宙人 ≪迷惑とか言わない。≫
ノラン 「くぴーーーー!」
バウンサー 「お?リサ達も来たか。」
レオン 「本題はおおよそ終わったけどな。」
アイ 「トノト、話が早すぎるんだよ。」
ロップ 「おお!ノラン!久しぶりに俺と戦わないか?」
ノラン 「クピーー!」
タケル 「おい!何楽しそうなことをしようとしているんだ!俺も混ぜろ!」
トノト 「君たちが戦うとせっかく作った施設が全部破壊されて無くなるだろう!今度闘技場を作ってあげるから今はやめるんだ。」
タケル 「マジっすか!それいいすね!ありがてぇ~!絶対、狂…あ、いや、なんでもない。」
リサ 「なんか楽しそう!…だったみたいね…。」
タケル 「がっかりするなよ、リサ。これから楽しいところへ行けるんだぜ!」
トノト 「それではリサさんにも説明をしておいてくれないか。私は一旦、パークへ戻る。“オールピース”で落ち合おう。私の名前で予約をしている。一応 20 名でね。」
レオン 「多すぎじゃないか?」
アイ 「大雑把な性格ね。」
トノト 「あそこは広いから多少の空席があっても問題ない。では。」
~消えるトノト~
リサ 「あ、挨拶しないで行っちゃった。」
バウンサー 「で、俺たちはどうやって “オールピース” に行けばよいのか聞いてないぞ。」
レヴナント 「それは私が伝えるように説明を受けています。」
ロップ 「俺…置いてかれた。」
バウンサー 「ロップもノランと遊んでから来いってことだろう。」
リサ 「え!なに?この子可愛い!」
ロップ 「だろ?俺はロップ!そして俺には秘密がある!…」
…
~レヴナントはリサ達に “オールピース” の行き方を説明し、その時までゼロ次会を楽しんでいた~