Ultimate ONE ~第二十六話~【戦略】

 

~秘密基地へ戻るリサ~

 

リサ 「う…うう…。」

 

~リサは涙を流しながら急いだ様子で自分の寝室へ入る~

 

モブ 「リサ!何があった!」

 

アイ 「今、泣いてたよね。」

 

バウンサー 「トノトと一緒に行ったはずだが…トノトはどうした?」

 

アルマ 「外で強い奴にあった。」

 

バウンサー 「強い奴だと!」

 

ノラン 「くぴーーー!」

 

レオン 「トノトに何かあったのか?」

 

バウンサー 「しまった!」

 

~慌ててワープポイントへ行くバウンサー~

 

レオン 「まだ、酒を飲む前でよかったぜ。」

 

~気配を消しレオンも向かう~

 

モブ 「俺たちは…役に立ちそうもないな。」

 

アイ 「トノト…大丈夫かしら。」

 

アルマ 「バウンサーたち、たぶん勘違いしてる。トノトは無事。」

 

アイ 「はぁ~。そうかい。びっくりしたよ。」

 

サボ 「リサさん、どうしちゃったんだろう。」

 

~ファイトナ側のワープポイント~

 

バウンサー 「トノト!…どこだ?」

 

レオン 「先に殺気を感じるぜ、気をつけろ。」

 

~殺気を感じる方に向かうバウンサーたち~

 

タケル 「このガーディアン達、こりゃ当分起きないな。」

 

宇宙人 ≪ブレイカースクワラルの仕業ね≫

 

タケル 「こいつらも普通の強さじゃ勝てないんだけどな。あのリスやるな!」

 

宇宙人 ≪待って!誰か来るわ!≫

 

~タケルのもとへ駆け寄るバウンサーたち~

 

バウンサー 「ガーディアン達がやられている。」

 

タケル 「お!あれ、サイボーグって奴か?かっこいいな!」

 

宇宙人 ≪彼はおそらくアルテモンで作られている。この世で一番固い金属とされていてタケルの力でも破壊することは不可能よ≫

 

タケル 「へ~~アイツ、戦えるのか?」

 

宇宙人 ≪剣を二つ持っている。一つはアルテモン製の剣、もう一つは…何かしら?ワンドのような剣かと≫

 

バウンサー 「何を一人でぶつぶつ言っている。トノトはどうした?」

 

タケル 「トノト?誰だ?それ。」

 

宇宙人 ≪酒道グループのリーダー、酒人であるが自分の父を殺したことから国を追放される≫

 

タケル 「マジか!トノトって悪ぃ~奴だな!」

 

バウンサー 「なんだと!」

 

タケル 「おまえ、察したところ賞金稼ぎだろ!トノトって奴と会ったら代わりに俺がぶっ倒してやるから心配するな。」

 

バウンサー 「きさま…トノトの命を狙っているのか!」

 

宇宙人 ≪戦闘が始まります。気を付けて≫

 

タケル 「よし来た!」

 

宇宙人 ≪あのサイボーグ、首の後ろにある接続部分から全身のエネルギーを送っている。抜けば動作は停止します。しかしもう一人の敵が…≫

 

タケル 「あいつ一人しかいねぇだろ?」

 

宇宙人 ≪絶滅したはずのカメレオンマン、おそらく伝説の暗殺者レオン。気配を全て消して近づいてきています。サイボーグの攻撃と同時にタケルの後ろから頭を撃ち抜く可能性が高いです≫

 

タケル 「おまえ…ごちゃごちゃうるせぇ~な!」

 

バウンサー 「なに?コイツ…いかれているのか!今倒しておいた方がよさそうだ。」

 

~アルテモンの剣を抜くバウンサー~

 

宇宙人 ≪きます!ですがそのあと後ろから至近距離で銃により撃たれることを計算に入れてください。彼の持っている銃はアナコンダ9001A 8インチバレル…リボルバータイプのダブルアクションよ、救いなのは彼がまだハンマーを起こしていないことです。≫

 

タケル 「ネタバレしすぎだろ!」

 

バウンサー ≪隙を見せたな≫

 

バウンサー 「突閃!」

 

タケル ≪はやぇ!≫

 

ヒラッ

 

バウンサー ≪交わしながら前に踏み込んだ?斬に切り替える!≫

 

ガシッ

 

バウンサー ≪!柄を持たれた!≫

 

タケル 「裏一教!」

 

~突の勢いを利用され投げられるバウンサー~

 

ドンッ!

 

バウンサー 「くぅ!」

 

~バウンサーが倒れると当時に首の接続部分を抜かれる~

 

ブチ

 

カチ、カチ…

 

~レオンがタケルの頭に拳銃を突き付けているが引き金を引いても弾が打てない~

 

レオン 「きさま…何故、俺の銃がリボルバーだと…」

 

~タケルが銃のシリンダー部分を抑えてリボルバーの回転を止めている~

 

タケル 「ガンディスアームの基本だろ!」

 

レオン 「くそ!」

 

~銃を持った腕を流され倒されるレオン~

 

タケル 「から~の?三角締めぇ~!」

 

レオン 「ぐふ。」

 

ガクッ

 

宇宙人 ≪彼は落ちたわ≫

 

タケル 「…くそ!フェアじゃね~だろ!ネタバレしやがって。」

 

宇宙人 ≪あら、ネタバレをしなくて勝てましたか?それに2対2の方がフェアよ≫

 

タケル 「あ?そっか!」

 

タケル 「に、しても強かったな~こいつ等。何者だ?」

 

宇宙人 ≪そのわりには秒殺してましたけど≫

 

タケル 「長引けば俺たちがアウトだったぜ。」

 

リサ 「タケルさ~~~~さ、さ、ささ? えっ?」

 

タケル 「こいつらいきなり襲って来てよ!おまえも危ないから近寄らない方がいいぜ!」

 

リサ 「二人とも…やられちゃったの?」

 

タケル 「サイボーグの方は電源抜いて、カメレオンは落ちてるだけだからまた目が覚めるぞ。」

 

リサ 「す、す、…すみません!この人たち私たちの知り合いなんです!」

 

タケル 「えっ!そうなのか?ひょっとして俺への愛の戦闘サプライズプレゼント?」

 

宇宙人 ≪そんなわけないでしょう。明らかにタケルが相手を怒らせることを言っていた気がするわ≫

 

リサ 「それにしても…この二人がやられちゃうんだ。」

 

タケル 「悪いけど、知り合いならサイボーグの奴を直してやってくれないか?」

 

リサ 「あ、プラグを差せば戻ります…でも、抜くときは5トンの力は必要なはずなのに。」

 

タケル 「ああ、俺、いつも10トンのバーベルやってるから。」

 

リサ 「やはり、ファイトナの人ってすごいのね。」

 

宇宙人 ≪タケルが特別変態なだけですけどね≫

 

タケル 「相手に聞こえねぇっての。」

 

レオン 「うっ…」

 

タケル 「おお!目が覚めたか?」

 

レオン 「り…リサ。」

 

リサ 「レオンさん!大丈夫?」

 

レオン 「殺気はしたが、殺されちゃいねぇ~みたいだ。」

 

リサ 「もう!」

 

レオン 「もう?」

 

リサ 「あ!忘れるところでした!タケルさん、サインをお願いします!」

 

レオン 「え? サインだと? 襲われたんじゃねぇ~のか?」

 

リサ 「早とちりしないでください!私はタケルさんに助けられたんですぅ!」

 

レオン 「こいつから殺気を感じたのでてっきり。」

 

タケル 「あ。よく言われるぜ!何もしていない時でも殺気を感じるって。」

 

レオン 「そういうヤツかよ!」

 

タケル 「それじゃ、サイボーグが起きたら二回戦目しようぜ!」

 

レオン 「しねぇ~よ!」

 

~男がワープしてくる~

 

トノト 「お?リサさん!無事でしたか。」

 

リサ 「あ!トノトさん!はい。いちおう…」

 

トノト 「ん?なんか殺伐とした空気になっていないか?」

 

タケル 「あれ?これがトノトって人?いい人そうじゃね~か。」

 

リサ 「いい人ですよ!」

 

タケル 「だよな?宇宙人、適当なことを言いやがって!」

 

宇宙人 ≪適当じゃありません!≫

 

リサ 「あ、タケルさん。さっきから誰かと会話してるように感じるんですけど。」

 

レオン 「こいつから二つの気配を感じるぜ。」

 

タケル 「あ。俺、自称宇宙人って奴に憑依されてるから。」

 

宇宙人 ≪自称とか言わないでください≫

 

レオン 「なるほど。一つはタケル本人…もう一つは女の気配だな。」

 

トノト 「ところで、バウンサーの動力プラグが抜かれているんだが、差してもいいのかい?」

 

リサ 「は!忘れてた!」

 

~トノトがプラグを差した~

 

~バウンサーはゆっくりと立ち、タケルの方を見る~

 

バウンサー 「め、め、め…面目ない!コアの状態で話は聞いていた。」

 

タケル 「気にすんなって!最近剣士と戦ってなかったし、久しぶりに合気の技を使えてよかったよ。」

 

バウンサー 「名前はタケル…だったか。」

 

タケル 「おうよ!」

 

バウンサー 「タケル、合気術はどこで覚えたんだ?」

 

トノト 「えっ?この方は合気を使えるのかい?」

 

バウンサー 「ああ、さっき俺が投げられた。」

 

トノト 「わお!酒人の侍が刀を持っていない時に使う護身術なんだが。」

 

タケル 「前にファイトナに来てたヤツが教えてくれたぜ。あいつもシャクリュウって名の酒人だったな。」

 

トノト・バウンサー 「シャクリュウ!」

 

タケル 「知り合いか?」

 

トノト 「あいつ、生きていたのか!私の飲み友だよ。」

 

バウンサー 「ヤツは侍ではなく、忍者だけどな。」

 

リサ 「あのう…すみませんが。」

 

タケル 「あ、ごめん!サインな!字は汚いぞ!」

 

リサ 「はい!大丈夫です!」

 

タケル 「宇宙人書いてくれないかな?」

 

宇宙人 ≪自分で書きなさい≫

 

~サインを書き、リサに渡すタケル~

 

リサ 「や、やった!」

 

リサ 「それと…他の人とも宇宙人?と、会話できるようにできないかしら。」

 

タケル 「おっ!それいいね!いつも病気の人と勘違いされっから!ま、それでも問題はないんだけど。」

 

宇宙人 ≪機能を追加すればこちらでも可能です≫

 

タケル 「でも、容量あるんだよな?作ってもらわねぇ~か?」

 

宇宙人 ≪お好きにどうぞ≫

 

バウンサー 「では、話もあるのでお詫びもかねて一度、秘密基地に招待しよう。お願いしますトノトさん。」

 

トノト 「お願いするときだけ、さん付けされても困るんだが、タケル君に何かやらかしたのだね?バウンサー君。」

 

レオン 「すまねぇ。俺からも頼む。」

 

トノト 「では、ファイトナに行く前に街のルールも知っておきたいしね。宴だな。」

 

レオン 「だんだん狭くなってきたな。あそこも。」

 

~そうして、勘違いから始まった騒動も無事に解決した~

 

男A 「う…。ここは?」

 

~男B も倒れている~

 

男A 「おい、お前大丈夫か!」

 

~男Aが男Bをゆする~

 

男B 「ん~。 はっ!」

 

男A 「魔獣たちはいなくなっているぞ。」

 

男B 「俺、ブレイカースクワラルに発砲してしまった。」

 

男A 「ここはワイバーン襲われたってことにしておかないか?」

 

男B 「ああ!それは名案だ!ちょうど鳴き声も聞こえていたし。」

 

男A 「じゃ、バレないように報告しに行くぞ。うまく口裏を合わせろよ!」

 

男B 「わかった!どうせ、セクシーアルマジロやブレイカースクワラルがいただなんて信じてはもらえないだろうし。」

 

~秘密基地~

 

タケル 「おおおおーーーすげーーな!ここ!俺のアパートより広い!」

 

リサ 「タケルさん。アパート暮らしなんですか?」

 

タケル 「おうよ!四畳半だぜ。トイレ、風呂は共有だ。」

 

リサ 「トップクラスのファイターだからもっと豪邸とかに棲んでいるかと思いました。」

 

タケル 「俺はファイトマネーを全て寄付しているからな。バイト代だけでなんとかやってるぜ。」

 

アイ 「あら。格好は変だけど、えらいのね。」

 

宇宙人 ≪タケル…あなた自己紹介するときくらい変身を解いたらどうなの?≫

 

タケル 「あ!そうだったな。」

 

タケル 「この格好は宇宙人がデザインした奴だから格好悪いけど、トレーニングになるからいつも着ているのさ。」

 

宇宙人 ≪あなたのデザインよりマシでしょう!≫

 

リサ 「そういえば、ラッシュガードのようですが、不思議な素材ですね。」

 

タケル 「ああ、どんな効力も付けることができるから10トンの圧力をかけているぜ。」

 

リサ 「えっ。死にますよ。」

 

宇宙人 ≪言われると思いましたよ。≫

 

リサ 「でも、だとすればすごい技術ですね!ますます宇宙人さんとコンタクトを取りたくなってきたわ。」

 

宇宙人 ≪私もこういう方にライセンスを渡したかったです≫

 

タケル 「俺で悪かったな。とりあえず、今は変身を解くぜ」

 

~変身が解かれ、元の姿に戻るタケル~

 

アイ 「あら!イケメン!」

 

リサ 「通信で言ってた通りだわ!」

 

バウンサー 「俺も犬の中ではイケメンだったけどな。」

 

レオン 「しかも過去形か。」

 

トノト 「ではどうだろう?ここを少し広く改良してお詫びとして部屋を与えるのは。」

 

アイ 「私は賛成だね。」

 

リサ 「私も!」

 

ブルー 「私も!」

 

トノト 「女性陣はだいたい賛成だね。」

 

タケル 「俺はもう少しファイトナに近い方がいいかな。」

 

トノト 「それなら、ファイトナでワープをつなげばよい。」

 

タケル 「ワープ?」

 

宇宙人 ≪あなたがここに来た時にもワープして来たでしょう?≫

 

タケル 「ああ!カウローイみたいに瞬間移動する感じか。」

 

トノト 「瞬間移動ととらえてもらってもかまわないよ。ただ行先は固定されるけどね。」

 

タケル 「じゃ、スタジアムの近くにとかも行けるのか?」

 

トノト 「望みであれば行きたいところにワープをつなげますよ!」

 

タケル 「マジか!それいいな!」

 

アイ 「おまけに三食付きで料金もかからない!」

 

タケル 「さすがに申し訳ないぞ!それは!」

 

レオン 「その代わりと言っちゃなんだが。俺たちの戦力になってほしい。」

 

タケル 「戦力?」

 

レオン 「ああ、俺たちはこの世のあちこちを旅している…その中でも悪とは戦っていかなければならねぇ~んだよ。」

 

バウンサー 「スレン…オーディン…放置できない敵もいるな。武道大会ではない、本当の戦闘だ。」

 

タケル 「い!…いいのかよ!そんなことまでしてもらって!」

 

宇宙人 ≪タケル…そこ感謝するところじゃありませんよ。≫

 

トノト 「もちろんだとも!」

 

宇宙人 ≪自然に受け入れる人もいるのね…強者だわ≫

 

タケル 「よし!決めた! 俺は旅に出るぞ!」

 

宇宙人 ≪いいの?そんな単純なノリで≫

 

~トノトのおかげで話は上手くまとまり、タケルもリサ達の旅に同行することとなった~