Ultimate ONE ~第二十三話~【セクシーアルマジロ】

 

~研究施設へワープしてきたリサ達~

 

トノト 「ドイル君遅くなってしまいすみませんでした。みんなとも合流して連れてきましたよ。」

 

 

 

ドイル 「あっ!トノトさん。って!げぇーーーーーーー!バウンサーさん!噂には聞いていましたが、こんな風になってしまったんですか!!!」

 

バウンサー 「相変わらず、リアクションの大きい奴だな。」

 

トノト 「変わりはなかったかい?」

 

ドイル 「はい!何度も魔獣に襲われましたがシールドがあるおかげで無事でしたぁ!」

 

ノラン 「くぴぃ!」

 

 

リサ 「あ!あれがノランちゃん? やっぱり可愛い!声を分析して可愛い生き物だと想像はしていたんですよね。」

 

~リサの肩に乗るノラン~

 

リサ 「か…可愛い! お洋服を着せてあげたいです!」

 

トノト 「かまわないけど、ノランは戦闘要員だからフリフリはダメだぞ。」

 

リサ 「ウエピナのファッションデザイナーに注文してみようかしら?」

 

バウンサー 「DQNの研究衣みたいなレオタードになるんじゃないだろうな。」

 

トノト 「レオタードか…確かにそれだと動きやすい。ワンドを作れないか。」

 

リサ 「洋服のワンドか…難しそうですけど、作ってみようかしら。」

 

バウンサー 「ちなみにノランのブーツはワンドになっていて、核爆弾並みの爆発を起こすことができる。」

 

リサ 「えっ…。」

 

トノト 「爆発はノランの意思で発動するので暴発はしない、心配はいりませんよ。」

 

ドイル 「怒らせたら怖い奴っす!」

 

バウンサー 「前にドラゴンを一撃で倒したのを見たな。」

 

トノト 「攻撃力もそうだが、ノランのスピードについてこられる生物はそうはいないぞ。頼もしい奴だよ。」

 

リサ 「可愛いのに強いなんて素敵!私も護衛してもらいたいなぁ。」

 

バウンサー 「俺というものがいながら…可愛さに負けたか。」

 

~辺りがざわざわとしだし、暗くなる~

 

ドイル 「まてまてまてーーーーよ!なんだあのでかいサル!襲ってきそうですよ!」

 

バウンサー 「ビルほどあるな。」

 

ゴルルルルルーー!

 

~施設に気が付きめがけて襲ってくる~

 

トノト 「あれは、レオパードジャイアントコングだ。肉食のきわめて凶暴な魔獣だ。あの大きさだとおそらくボスか。」

 

ドイル 「そんなこと言ってる場合じゃないっすよ!」

 

ゴルーーー!

 

~施設を殴ろうとするレオパードジャイアントコング~

 

ゴーーーーーーーーン!

 

ドイル 「ひいいいいーーー!」

 

グロロロロアアアーーー!

 

~殴った手を痛がるトレオパードジャイアンコング、シールドが施設を守ったようだ~

 

トノト 「そろそろ、慣れたらどうだい?ドイル君。」

 

ドイル 「怖いものは怖いっす!」

 

リサ 「あれ?ノランちゃんがいない。」

 

ノラン 「グプーー!」

 

ドーーーーーーン!

 

~レオパードジャイアントコングの頭を蹴るノラン~

 

ゴアアアアアーーーーー!

 

どーーーーん

 

~倒れるレオパードジャイアントコング、そしてトノトのもとへ戻るノラン~

 

ノラン 「くぴぃ!」

 

トノト 「よしよし、でも今のはちょとやりすぎたぞ、ノラン。万が一ボスが死んでしまったらコングの群れは統率が取れなくなるからね。それに悪いのは群れのテリトリー内に施設を作ってしまった私たちのほうだ。」

 

ゴルルル

 

~レオパードジャイアントコングは起きだしその場を去っていく~

 

トノト 「ふぅ~~。よかった。軽い脳震盪を起こしただけか。手加減したとはいえ、ノランの一撃は怖いからな。」

 

リサ ≪あれで手加減?≫

 

レヴナント ≪今の動き…私とどちらが早いだろう?すごい速さだ。≫

 

トノト 「あ、そういえば…リサさん。ウェブさんを施設ごと連れてきましたよ!しばらくワープリングも使わないと思うのでそちらの研究もお願いします。」

 

リサ 「ありがとうございます!では、ちょっとウェブさんに挨拶してきますね!」

 

トノト 「では、ついでにワープリングを預けます。後、鳴き声の件もお願いします。」

 

リサ 「はい、先に音声感知器を作りますね!二日ください。」

 

レヴナント 「二日でできるのか。」

 

リサ 「ええ。あの施設なら充分です。」

 

~施設に行くリサ~

 

バウンサー 「で、俺たちは何をすれば?」

 

トノト 「とりあえず、宴に決まっているだろう?」

 

バウンサー 「俺は飲めんぞ。」

 

トノト 「レヴナントさんは?」

 

レヴナント 「死ぬことはないのでいくらでも飲めます。」

 

トノト 「ふむ。しかし盛り上がりに欠けるなぁ~、久しぶりにモブさんでも誘ってみるか。」

 

バウンサー 「懐かしい名前を言うな。」

 

レヴナント ≪やはり、私だと盛り上がらないのか…ショックだ≫

 

ドイル 「しかし、どんちゃん騒ぎをしていてたら、セクシーアルマジロは近づいて来ないのでは?」

 

トノト 「いいことを言うね!すっかり忘れていたよ。シールドをプロテクティングモードに変更しよう。」

 

ドイル 「ええええええーーー!なんでしないか謎だったけど、忘れてただけっすかぁーー!」

 

トノト 「すまん。これで外部からは見えなくなり、魔獣からも襲われることがなくなるだろう。」

 

ノラン 「くっぴ?」

 

トノト 「お?餌か?たっぷり持ってきたぞ!お前の好物ナババの実のドライフルーツ。」

 

バウンサー 「良い匂いだし、あれは俺も好きだったぞ。」

 

トノト 「甘党にはたまらない逸品だな。」

 

レヴナント 「人も食べられるんですか?よければ私もいただきたいです。」

 

トノト 「是非食べてみてください。ドイル君、私はモブさんを連れてくるので後はよろしく!」

 

ドイル 「へい!任せてください!」

 

バウンサー 「こことコマースのワープはつないでいるのか?」

 

トノト 「野武士屋っていう料亭の職人を店ごと連れてこようとしたが断られたよ。」

 

バウンサー 「やりたい放題だな。」

 

~そしてトノトはいなくなり、しばらくの時間がたった~

 

ドイル 「さて…焚火の準備は出来たし、トノトさん御用達のバーも店ごと持ってきてるしBBQだろうがなんでもきやがれってんだ!」

 

レヴナント 「ナババの実…本当に美味しいですね!」

 

リサ 「トノトさんのいじわる!こんなの食べ過ぎて太っちゃうじゃない!」

 

レヴナント 「はははは。リサさんのスタイルを維持するのも大変そうですね。」

 

バウンサー 「ハンバーガーは意外と太るだろうしな。」

 

リサ 「そうなの!脂肪だけ吸引するワンドを作ろうかしら。」

 

バウンサー 「それは、ワンドなのか…。」

 

ウェブ 「わ、私まで呼んでもらって嬉しいです!」

 

リサ 「いえ!こちこそ私たちがいない間も研究を続けていてくれてありがとうございます!おかげでもう少しでワープリングのほうも複製できそうです。」

 

ウェブ 「はい、たまたまワープリングを作った際のデータを見つけることができましたので。」

 

リサ 「ワンドの情報はセキュリティで保護されているのによく入れましたね。」

 

ウェブ 「名前もウェブですから。」

 

ドイル 「詳しくはウェブでーーーーーーー!!!」

 

バウンサー 「ドイル…ノランがつまらなさそうにしているぞ。」

 

ノラン 「くぴ!くぴぃ!」

 

~トノトが戻る~

 

トノト 「すまない。遅くなった。」

 

バウンサー 「モブは来られるのか?」

 

トノト 「い、いや。今は仕事中で飛んでいて手が離せないと…代わりに…。」

 

シャボン 「みなさん!はじめまして!シャボンといいます!」

 

リサ 「あら!シャボンさん!」

 

シャボン 「ええええーーー!リサさんもいたんですか!ご無事でよかったです!」

 

リサ 「そっちも元気そうね。」

 

シャボン 「はい!研究衣は着るのをやめたんですね!」

 

バウンサー 「俺が斬った。」

 

シャボン 「え? こっちのロボットは?」

 

バウンサー 「失礼な!俺はバウンサーだ。」

 

シャボン 「ええええええーーーー!本当に体を手に入れることができたんですね!」

 

バウンサー 「オーラは使えなくなったけどな。」

 

シャボン 「二人ともご無事で本当に良かったです!」

 

トノト 「レオンはどこを探しても見当たらなかった。」

 

バウンサー 「あいつはいても探すのが不可能だからな。」

 

女 「飲みたいお酒があったら、あちらの店へ注文しに来てくださいね!」

 

トノト 「この店のバーレーワインは美味いぞ。」

 

レヴナント 「それはどんなワインですか?」

 

トノト 「そうだな。麦のワイン…といったところか。上面発酵、長期熟成のビールだよ。」

 

レヴナント 「是非飲ませてください!えっと…お名前は?」

 

ショーコ 「ショーコと言います!」

 

レヴナント 「ショーコさんよろしくお願いします。」

 

ショーコ 「はーい!」

 

~そして、トノトたちはひと時の宴を楽しんだ…そして三日後~

 

トノト 「ふむ…足跡もないか…生体感知器にも大型の生命は近くにいない。」

 

ノラン 「くぴ?」

 

トノト 「どうした?ノラン。 ああ~あのチイゴの実だな?取ってきていいぞ。」

 

ノラン 「くぴぴ!」

 

~高い木の上になっているチイゴの実を取りに行くノラン~

 

ボト…ボトッ

 

トノト 「おい!ノラン欲張ったらダメだぞ!木の実を落としているじゃないか!」

 

ノラン 「くぷぷ!」

 

トノト 「それじゃ、施設へ帰るぞ。私も腹が減った、酒が飲みたい。」

 

ノラン 「くぷっ。」

 

~ノランと共に施設へ帰るトノト~

 

~研究施設~

 

リサ 「あ?トノトさん戻ってきた!」

 

トノト 「今日はかなり遠くまで行ってみたが手がかりはなしだ。リサさんの方の研究は進んでいるのかい?」

 

リサ 「はい!それと、できましたよ!音声感知機!」

 

トノト「おお!もうできましたか!ありがとうございます!」

 

リサ 「これで、あの声の主が発した音声を半径500kmまで感知できます!」

 

トノト 「あとは、これを頼りにするしかないか…」

 

~森の中~

 

ガサ…ガサッ

 

ペロペロ…

 

~ノランが落とした木の実をなめるセクシーアルマジロ…そしてさらに四日が経つ~

 

バウンサー 「トノト、今日は遅かったな。もう朝だぞ。」

 

トノト 「今日も収穫なしだ。それにトラップにセクシーアルマジロの好物であるマシュマロベアーの肉をいたるところに仕掛けているが全くかからない。」

 

バウンサー 「もう…ハンターたちにやられたか…。」

 

トノト 「幸いその形跡も見つかってはいないけどな。」

 

リサ 「トノトさん!後、二~三日でワープリングの複製ができそうです!」

 

トノト 「早いな!これでウエピナに物資が運べる。」

 

レヴナント 「そういえば、この前サボさんという人が言っていましたがウエピナが大変なことになっているとか…早くしなければ。」

 

リサ 「そうね。まずは人々だけでも非難をさせないと。」

 

トノト 「え?そんなにヤバいの?」

 

バウンサー 「やはり聞いていなかったか…俺が斬った大地が大溝となり、街が溝に落下しそうらしいぞ。」

 

トノト 「バウンサー、やりすぎだろう?」

 

レヴナント 「あれはワンドの影響でオーラが暴走してしまったので仕方がありませんが、今ウエピナがどういう状況か気になりますね。」

 

バウンサー 「俺の斬撃は直線的なのに対して、広範囲にはじき返された感じがしたが。」

 

リサ 「ウエピナが黙って落下するのを待っているとは思えませんけど。」

 

レヴナント 「そうか!残っている研究者もいますしね!」

 

トノト 「私もウエピナは大丈夫だと思うぞ。」

 

バウンサー 「トノト…例のアレか?」

 

トノト 「まあな。」

 

バウンサー 「なら、心配は無用だ。」

 

リサ 「え?何のこと?」

 

バウンサー 「いや、リサは気にしなくてよい。とりあえずウエピナは大丈夫だ。」

 

リサ 「よくわからないけど…わかりました。」

 

トノト 「さて、私も眠いそろそろ寝かしてもらうぞ。」

 

~横になるトノト~

 

バウンサー 「外で寝るんかい!」

 

トノト 「いつでも出られるようにな。それに、シールドの中だから大丈夫だよ。おやすみ。」

 

リサ 「昼夜逆転しちゃってますね。」

 

バウンサー 「俺は腕が鈍るといけないので、魔獣斬りでもしてくるか。」

 

リサ 「トノトさんに怒られちゃいますよ!」

 

バウンサー 「バウ。」

 

~リサは研究に、レヴナントは施設の掃除など、バウンサーは散歩に出かけ少しの時間がたった~

 

~トノトの耳につけている機械が鳴り出す~

 

ピピピピピ

 

~目が覚めるトノト~

 

トノト 「来たか!ノラン!」

 

ノラン 「くぴ!」

 

トノト 「今日はライドランナーに乗っていくぞ!あ、あとマシュマロベアーの肉!」

 

ノラン 「くぴぴ!」

 

~トノトはライドランナーに乗りノランと目的地へ飛んだ~

 

リサ 「トノトさん!あれ?いない。鳴き声を感知したのかしら。」

 

~ライドランナーで鳴き声が聞こえた方へ向かうトノトとノラン~

 

トノト 「もう少しだ、ノラン!あ、あと餌をやっていなかったな。ほら、ナババの実だ。」

 

ノラン 「くぴーーー!」

 

トノト 「あそこか!」

 

グラーーーーオ!

 

 

トノト 「いた!降りるぞ。」

 

~ライドランナーを降りセクシーアルマジロに近づくトノト~

 

グララララオ

 

トノト 「怖がらなくていい。ほら、マシュマロベアーの肉だ。」

 

~肉を投げるトノト~

 

~肉に近づき匂いをかぐセクシーアルマジロ~

 

トノト 「痩せている…これだけ魔獣の多い森で、狩も得意だと聞くが…どうして?」

 

クンクン

 

~さらに近づくトノト~

 

トノト 「どうした?食べないのか?ひょっとして病気か何かで拒食しているのだろうか…」

 

グラーーオ!

 

バーーーン

 

~セクシーアルマジロに体当たりされ飛ばされるトノト~

 

トノト 「ぐはっ!」

 

ノラン 「ぐびびび!」

 

トノト 「や、やめるんだ!ノラン! き、今日は引こう…ほら、ナババの実をあげるからおとなしくするんだ。」

 

ノラン 「ぐびっ!」

 

トノト 「よし、いい子だ。帰るぞ。」

 

~ようやくライドランナーにたどり着き乗り込むトノトとノラン~

 

トノト 「ライドランナー…施設へ戻ってくれ…」

 

ピピピピ…ビューーーーーーン

 

~施設へ戻るライドランナー~

 

クンクンクンクン

 

~セクシーアルマジロはトノトが帰っていった方を見つめていた~