DAW用のプラグインにはアンマスクに使えるものがいくつかあります。
アンマスクというのは、例えばカラオケとボーカルを同時に鳴らした時にカラオケ側にボーカルと同じ周波数成分がたくさんあるとボーカルがカラオケに埋もれてしまう(マスクされてしまう)ことがあります。それを解消してボーカルをクリアに聞かせるためにカラオケ側邪魔な部分をEQでカットしてボーカルを埋もれないようにすること(アンマスク)です。
例としてボーカルを挙げましたが、対象はギターでもドラムでもなんでも良いです。
昔は普通にEQを使っていましたが、最近は専用のプラグインというのがあります。というわけで幾つか羅列しつつ、遅延の違いをチェックしてみます。
これらのプラグインはサイドチェイン入力を使用しますので、サイドチェイン信号に遅延補正が行われていることが前提条件です。
1. Trackspacer - wavefactory
遅延(dly)
いちばん定番なのはwavefactory Trackspacer。お手頃な価格でアンマスク処理ができるので持ってる人も多いのではないでしょうか?といいつつ僕は持っていません。今回初めてデモりました。
いちばんの特徴は遅延の低さ。今回取り上げるプラグインの中で唯一「0サンプル」です。気軽に使える感じが良いですね。
ダッキングされる周波数は入力に対して割と広めなのでAMOUNTを深くするとサイドチェインで入力された周波数だけでなく、カラオケの音全体がダッキングされてしまいます。とはいえ、そんな使い方をする人はいないと思うので通常の使い方では十分だと思います。お手軽に。いい感じに扱えるプラグインという感じですね。
2. Neutron 4 Unmask - iZotope
Neutron 4 Unmask
遅延(dly)
アンマスク専用プラグインのひとつ、iZotope Neutron 4 Unmask。Neutron 4に内蔵されている機能です。Advance版を購入すれば個別プラグインとして使用できます。遅延は1024サンプル。そこそこあります。
ただ使い勝手がイマイチわからなくて、狙った通りに動作しないので評価が難しい。サイドチェインで入力された音以外の場所でダッキングが発生したりしますし、今の所使いにくいという評価。
3. Soothe2 - oaksound
Soothe2
遅延(dly)
アンマスクとしても使えるということでoaksound soothe2。基本的には飛び出した周波数を抑える用途のプラグインです。ディエッサーみたいな効果を全部の周波数で行えます。このプラグインにもサイドチェインの機能が付いていて、ONにするとサイドチェインから入力された音の周波数に応じでダッキングが発生します。ダッキングの幅も細かく設定できるのでかなり便利。オーバーサンプリングも設定できたり、かなり多機能。
ただし遅延は2048サンプルと結構あるので、気軽さはあまり無いかも。
4. Pro-Q4 - fabfilter
Pro-Q4
遅延(dly)
EQとして有名なfabfilter Pro-Q4。Q4になってからスペクトラル・ダイナミクスという機能が追加されて、要は前述のsoothe2みたいなことができるようになりました。
なりました…が、遅延がすごい。この機能をONにした瞬間、midium設定で5120。lowにしても3072と中々の遅延が発生します。ダッキング自体は綺麗にやってくれるので問題はありませんが、わざわざPro-Q4使ってやることか?という気持ちになるので、あんまりお手軽とは言えないのが難点。
----以下追記----
5. pure:unmask - sonible
pure:unmask
遅延(dly)
割と有名どころが抜けていたのでsonible pure:unmaskを追加しました。簡単操作でいい感じになりますし、操作感も良い感じです。ノブを最大にしてもやり過ぎ感は出ずに丁度良い音質を保持できているのはさすがです。
ただ遅延は2048サンプルとsoothe2と同レベルあるので、お手軽とは言いにくいかもです。