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【映画】『ダークナイトライジング』(ネタバレ感想)

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★★★★☆

あらすじ



ゴッサム・シティを襲撃したジョーカーを倒した後、トゥーフェイスことハービー・デント検事殺害の罪をかぶり、街を離れたブルース・ウェイン。
その8年後、再びゴッサム・シティに戻ってきた彼は、街の破壊をもくろむ新たな強敵ベインを前に、バットマンとして対峙する……。

感想

2008年公開の映画『ダークナイト』のあまりの面白さに完全にやられてしまった僕にとって、間違いなく今年一番の期待作だった本作。
公開から一週間ほど遅れてしまったけれど、川崎のIMAXで観てきました。

結果は、、、うーん。。。

約三時間の長尺をまったく飽きさせないエンターテイメント性の高さはさすがに完璧ではあるし、何よりまあ期待値があまりに高すぎたっていうのもあるんだろうけど、「諸手を上げて絶賛!」とは言い難い作品だったと言わざるを得ない感じでしょうか。

<ここからはオチまで含めてネタバレ満載です。そして、「揚げ足取り」「重箱の隅をつつく」と感じる人もいるであろう話になります。ご注意ください。>

「気になった点」は本当に多くて、「<奈落>は世界の果てにある」って言ってた割には、ウェインが戻ってくるの早かったね~、なんていうレベルの突っ込みどころは無数にあるんだけど、中でも個人的に深刻で、「このせいで絶賛出来なかった!」という点が2つ。

まずは、「『デント法』ってどういう法律なの?」っていうことが全く説明されないという点だ。

正直に言いまして、僕は『ダークナイトライジング』の予告編を初めて見た時、そのわずか1分ほどの映像で早くも泣けてしまったんですよ!
というのも、予告編の中で「ゴッサムは『ダークナイト』後の8年間は平和だった」ってことが示されるんです。
つまり、『ダークナイト』での「ウェイン=バットマン=ダークナイト」が最後にとったあの行動は、ちゃんと「ゴッサムの平和」という実を結んでいたってことなんですよ。
で、実際にその「8年間の平和」は、ゴッサムの英雄の名を冠した『デント法』によって守られているってところまではわかるんだけど、『デント法』がどんな法律なのかは、ついぞ語られない。。。

つまり、「ウェインの想いは報われた」「町は平和になった」という観念的な結果のみが示されて、そこに一切の理屈が無いのだ。

だから、「今、町が平和な理由」「ベインがそれに対し「ゴッサムを市民の手に!」というシュプレヒコールを掲げる理由」、さらに「市民たちがそれに呼応する理由」がふんわりとしか感じられないんですけど!

中盤、市民たちが「警察」や「富裕層」に対し裁判を行い、「ゴッサムからの追放 or 死」の二択(と言いつつ、どちらを選んでも結果は同じ)を迫るシーンがあるけれど、あの二択が『デント法』の皮肉っぽいな~。てことは、、、、という想像は出来るものの、やっぱりそこはハッキリ描いて欲しかった。

まあ、考えてみればノーラン監督の過去作でも、『インセプション』で主人公たちが夢の中に入る仕組みや、『プレステージ』でモノが複製される仕組みなんかは特に説明されてなくて、「これはそういうものです!」で終わらせちゃうトコはあった。
でも、さすがに今回は「えーっと、これは、なんか犯罪が減る法律です」では納得いきませんよ!

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そしてもう1点が、爆弾の扱い方
これにはもう、言いたいことが山ほどありますよ!

「まず、アレが原子炉?」「で、コントロール室はそこ?」(炉の真横にモニタープラスキーボードみたいなATMサイズの操作盤があるだけって!)
「核融合炉から取り外した炉=核爆弾って、おい!」
(これは翻訳のミスかもしれないけど)原子爆弾なの?中性子爆弾なの?どっち?」
「トラブルが起きたら川の水を流し込めばよくね?って、原子炉の温度なめんな!」
と、もう「核」の設定がデタラメもいいとこで。

「炉心から外した爆弾は状態が不安定で5ヶ月で爆発する」と言われ事実上の時限爆弾として機能していた核が、いつの間にか「あと何分で爆発する!」という文字通りの時限爆弾化してしまうのも意味不明だし。
そもそも「状態が不安定な核爆弾」をトレーラーで引きずり回したかと思えば、落下させたり、『バット』で引きずりだし後もガッコン、ガッコン地面にぶつけて。。。
いやいや、火花散ってるんですけど!

最後には、ウェインの手により「核」を海上で爆発させるんだけど、爆発の瞬間、橋の上で様子を観ていた市民たちが眩い光につつまれる非常に美しいシーケンスがある。
でも、原子爆弾は、その「光」がヤバいんだからね!!
僕は長崎の出身なので、その「光」のヤバさについて、小さな頃から写真や映像を目にし、体験談を耳にしているんだけど、少なくとも橋の上にいた方々は全滅したと思って間違いない。
当然、トレーラーで核爆弾と同席していたゴードン、ミランダも深刻な状況だろう。

とりあえずノーラン監督!ちょっと、『はだしのゲン』を一読してください。

この辺りの描写って日本人だからシビアに考えちゃうのかな~とも思うけど、福島の原発事故の時、アメリカは80キロ圏内に避難勧告を出したわけで。
少なくとも政府レベルでは日本以上に意識高いはずなんですけどね。

(まあ、今「核の恐怖」についてあまりにアツく主張すると、いろいろと思想のある人と思われそうなので、この辺にしておきます。)

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というわけで、長々と不満点を書き綴ってしまったわけですが、ダメダメな映画だったかというと当然そんなわけないんですけどね。

あくまで、とてつもない期待があったからこその不満に過ぎなくて、見せ場の数や、緊張感の切れ目の無さなど、3時間を走りきるエンターテイメント映画として超一流なのは言うまでもない。

特に、役者陣は前回以上に最高だ。

中でも、個人的に素晴らしかったのが「ベイン」を演じたトム・ハーディー。
最初に予告編でベインを観たときは、「うわー、今回の敵はこいつかよ。。。」という、ちょっとした失望を味わった。
だって、変なマスクをしていて、レスラー体系のゴリマッチョで。常に胸元でジャケットの襟を掴んでいる立ち姿は、北斗の拳のジャギを思わせる。
要するに、圧倒的小物臭のするビジュアルなわけで。
まして、比較対象になる前作の悪役はアレ
こんなことを書くと不謹慎すぎるかもしれないけど、今作でどんな悪役を描こうと『ダークナイト』のジョーカーには絶対に手が届かない
そんな中、ジョーカーを越えるような悪党でもなく、がっかりさせるような小物でもなく、限りなく純粋健気な悪役であるベイン。
その真の姿を、「目」の演技のみで体現したトム・ハーディーが、本当にすばらしい!

他にも、キャット・ウーマン役のアン・ハサウェイもたまらなかった。
元々、僕は『プラダをきた悪魔』の時のアン・ハサウェイが地球上かつ歴史上で最も美しい女性だと思っているんだけど、今回のアン・ハサウェイは全く違う一面を見せていて魅力的!
はっきりと、「蹴られたい」と思ってしまい、自分の中に芽生えた新しいにハッとした。
『ザ・ファイター』のエイミー・アダムスに続き、クリスチャン・ベール+姉御キャラの相性の良さは異常です!

前作から引き続きのゴードンやアルフレッドたちの言外の演技も相変わらず輝きまくり。
エンディングのアルフレッドの後ろ姿、ブルースの両親の墓石へ頭を下げるシーンは、一瞬ながらも本作で最大の号泣ポイントだった。

ただ、本来ならば一番役作りに気合いが入っていたのは、間違いなくブルース・ウェイン=バットマン役のクリスチャン・ベール。
それでも、『マシニスト』や『ザ・ファイター』の役作りを知っている身としては、「今回もいつも通りだな。」と思ってしまうのも事実で。
そういう意味では、もはやクリスチャン・ベールという役者をちゃんと評価出来なくてごめんなさい、という気持ちでいっぱいなのでした。


それからもちろん、いつも以上の映像美も見事。
オープニングの飛行機アクションから、くり返される爆発。そして、『バット』のアクションに至るまで、「可能なかぎりCGを使わず実写で」というノーラン作品の特徴は色濃く健在。
『プレステージ』や『インセプション』にも通じる、上下の動きを意識させられる立体的なアクションシーンも満載だ。
特に、今回はIMAXで観たということもあり、爆風で飛び散る破片の一つ一つまでハッキリと見えたる爆破シーンの迫力たるや!
ここまでCGが進化した現在、実写の迫力なんて見る側の気持ちの問題なのかもしれないけど、それでも実写であるが故の力を感じずにはいられなかった。
(ま、それに比べて殴り合いの迫力の無さが目立っちゃってた気も。。。ベインよりジェロム・レ・バンナの方がパンチ力ありそうなレベルに見えたよ!)

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最近、諸事情によりあまりブログを書いていなかったせいか、いつも以上に文章がまとまらず、いつも以上にダラダラ感満載で書き綴った今日の感想文。
ま、はっきり言っちゃえば、「楽しかった」のか「不満だった」のかすら、うまくまとまっていないだけなんです。

ただ、全てを失った男が、それでも「Not Everything, Not yet」と、そこからさらに「全て」を捨てて戦う姿が神聖で感動的なのは間違いない。
そして、残された男たちが、喜びや悲しみや、感謝や喪失感を抱えながら、それぞれの「何か」を前へ進めて行く姿にグッと来るのは間違いないのだ。


いやー、もう、書けば書くほど書きたいことが出てきて大変なことになってきたので、ここらで強引にまとめます。

前作『ダークナイト』が単体の映画として比較的閉じていたのに対し、今回は『バットマン・ビギンズ』からの繋がりが強く出た作品であり、ラストに登場するアイツの本名が、物語がまた続くことを印象づける作品でもあった。

つまり、これは「ブルース・ウェインの伝説は壮絶に終わったが、バットマンの伝説は終わらない。」ということ。

三部作を終わらせること。そして、長らく続く『バットマン』というサーガを終わらせないこと。
両方を満たした本作のエンディングは本当に秀逸。
不満もいっぱい書いたし、『バットマン・ビギンズ』はあんまり好きじゃなかったりもするんだけど、この歴史的エンディングをリアルタイムで迎えられたことには感謝の心でいっぱいなのでした。

まとまらないなりに、ここかで書きたいことが止まらない映画。
そんな映画がつまんないわけないのだ!『バットマンライジング』最高だ~!!

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