【ジョジョリオン】#010 東方大弥の異常な愛情③―万能すぎるスタンドのはずが。。。― | 『e視点』―いともたやすく行われるえげつない書評―

【ジョジョリオン】#010 東方大弥の異常な愛情③―万能すぎるスタンドのはずが。。。―

ウルトラジャンプ 2012年 04月号 [雑誌]ウルトラジャンプ 2012年 04月号 [雑誌]


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ちょっと短めのページ数ながら、超ド級の濃厚さを見せた先月号。
今月は47ページというボリュームに加え、怒涛の展開でこれまた濃厚な話だった。
O次郎(ファン・ファン・ファン)戦の時もそうだったけど、ジョジョリオンは物語の緩急の差がスゴい!

感想


【警告】 ウルトラジャンプ未読 or コミック派の人は、これより先は読んではいけない

$『e視点』―いともたやすく行われるえげつない書評―-ジョジョリオン #010
扉絵は、もっとホシいの…。と、相変わらずエロさ全開の大弥ちゃん。定助と並んでスキッ歯アピール。5部、6部に続く「おんぶ」の構図は、荒木先生のお気に入りの構図なんだろうか。

物語は、コレまでに起こったことを語る定助の独白からスタート。先月までのあらすじを見開き2ページで説明しつつ、大弥ちゃんのサービスショットもカットイン。エロエロです。

一方、東方家の門の前には康穂の姿が。謎の着信からここまで辿り着くのは、やはり広瀬の血脈なんだなぁ。
虹村さんに「二度と東方家に近づくな!」と脅されたことを気にしつつ、顔を真っ赤にしながら「定助に会いたい…。」と、会いたくて会いたくて震えている康穂。
相変わらず、ラブコメ路線まっしぐらのジョジョリオンなのだ。

そんな康穂の目の前に、突然あらわれる大弥ちゃん。
盲目なのにママチャリで現れる大弥ちゃんは、くま耳フードから、くま耳ヘルメットにお着替え済み。本日もかわゆいです。
後ろから付き添いの定助も登場。
定助に手を振る康穂だが、もちろん定助は康穂の記憶を失っていて、完全にシカト。
またまた、ショックのあまり泣きながら逃げ出すのかと思いきや、「「何か」が起こっている……定助に…ヤバイことが…」と冷静な康穂。
どこかで、「ラブコメ的な三角関係展開」を期待していたけれど、そうはならないのか!

そんなやり取りの中、「大弥に影を踏ませなければいけない」ということだけは憶えている定助。
相変わらず姑息な手段で影を踏ませようと罠を仕掛けるも、いつも通りに大弥ちゃんにあっさりと見破られ、またまた記憶を奪われてしまう。
今度は耳の中から飛び出すチェスのコマ。
奪われた記憶の中身は、、、ソフト&ウェット!!
$『e視点』―いともたやすく行われるえげつない書評―-ジョジョリオン #010


大弥ちゃんは、「スタンドそのものじゃあないけれど、「スタンド」を使うというあなたの記憶」を奪ったと説明するが、それって「スタンドを奪われた」のと何ら変わらない状態なわけで。
「記憶を奪い」「スタンドを奪う」スタンド・『カリフォルニア・キング・ベッド』。6部ならばラスボスを張れるレベルの強力な能力じゃないか!

完全に追いつめられていながら、状況判断すらおぼつかない定助。
大弥ちゃん完全勝利に近い状況の中、突然、東方家の家中から電話のコール音が聞こえてくる。

もちろん康穂からの折り返し電話なわけだけど、康穂に電話をかけた理由も、そもそも「康穂」のことすらも覚えていない定助。
「公正なルール」に基づいて、大弥ちゃんの携帯電話を使って“何らかの理由で、誰かに"電話をしたことを告白する。
定助が、自分に内緒で康穂へ電話をしていたことに気づいた大弥ちゃんは激昂し、さらに定助を追い詰める。

いよいよ定助は「絶体絶命」「打つ手なし」の状況なんだけど、実は、電話のコール音が鳴って以降の展開は、記憶を失う前に定助が仕掛けた最後の罠。
トドメを刺そうとした大弥ちゃんは、その時すでに、自ら定助の影を踏んでしまっていたのだ。

記憶を取り戻した定助と、影を踏んでしまったことで心が折れた大弥ちゃん。
お互いがお互いを騙し合いながら、最後の最後での逆転勝利。もちろん、全て『計算通り』。という、まさにジョジョらしい完全決着なのでした。。
(ま、いつの間に冷蔵庫の扉の音を奪っていたのかは、かなり怪しいんですけども。。。)

うーん、ところで、戦いが始まる前に大弥ちゃんが足を大怪我して泣いていたのって、結局何だったんだろうか?(ま、ポルポが指喰ってたみたいに「何かわからんけどヤバい感じ」の演出だったってだけなのかな。)


その後はトントンと次の展開へ。
大弥ちゃんの恋心を利用するかたちで味方に引き入れつつ、立入禁止の東方家二階へと向かう定助。
先月号では家にいたはずの東方憲助パパもいつの間にかいなくなっているので、あっさりと二階へ。
手すりについている謎の印(マーク)についても、大弥ちゃんの口からものすごくあっさりと語られてしまって、ちょっと拍子抜け。
あれは、出版社のマークらしい。
(まあ、出版社のマークが家中の家具や階段の手すり、ましてや人間(吉良吉影)の手首にプリントされているって違和感があるので、もう少し別の意味もあるんだろうけど。)

二階へ上がり憲助パパの書斎へと入った定助は、例の印(マーク)と同じ印のついた本を発見する。

って、おい!この本!!!
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まあ、憲助パパの書斎については、問題の本「スティール・ボール・ラン・レース全記録」よりも、本棚に何冊も置かれているJC(ジャンプコミックス)の方が気になったりもするんだけども。


というわけで、いよいよ次号では、第8部「ジョジョリオン」と前部「スティール・ボール・ラン」との繋がりが語られることになるのだろうか。
初代ノリスケ・ヒガシガタといえば、スティール・ボール・ラン最終話でジョニィと同じ船に乗っていた人物。
そんな人物の著作ということは、ジョニィの後日譚なんかが聞けたりするのかもしれない。

懐古主義的楽しみ方はよろしくない、と思いつつも、ジョニィのその後が語られるかも知れないという可能性に、否が応でもテンションが上がってしまう。
もちろん、東方家の残りのメンバーも絡んでくるんだろうし。

どうやら、またまた悶々とした一ヶ月を過ごすことになりそうなのでした。

考察

「影を踏む」、「電話をかける」といった日常的な些末な出来事を、ショッキングなスリラー+緊迫感のある高度な頭脳戦に昇華させた、ものすごくジョジョらしい、定助 vs 大弥のバトルも無事終了。

最終的には定助の「知」が勝る形での決着だったけれど、この戦いで定助がやったことと言えば、

1.スイッチの「音」を奪って、音を立てずに電気を消した。
2.携帯電話の「キー音」を奪って、音を立てずに電話をかけた。
3.スイッチの「音」を鳴らして、エロエロモードから我に返った。
4.「喋り声」が入ったしゃぼん玉を割って、自分の居場所を偽装した。
5.冷蔵庫を閉める「音」を鳴らして、冷蔵庫が閉まっていると思わせた。


「しゃぼん玉」が触れて割れる時 『そこ』から『何か』を奪うという、あまりに汎用的で万能なスタンドに思えたソフト&ウェットだけど、いざ実戦となると『エコーズ Act.1』くらいにしか機能していない。

スタンド戦と言えば、「限定的な能力」に思えたスタンドが、「予想外の使い方」をすることで、幅のある戦いになるところが魅力。
「万能に思える能力」が、意外と「限定的な使い方」しか出来なかったというのは、ちょっと残念だ。

もちろん、今回のバトルの相手が「目が見えない」というキャラクターだったからこそ、「音」を操ることが勝利に繋がったわけだけども、それにしてもちょっとワンパターンだった気がする。「音を奪う」という戦術はファン・ファン・ファン戦でも使われた戦術だし。

結局、予想外の展開と言えば、大弥ちゃんのエロエロ攻撃くらいしか思いつかない。

次のバトルでは、ソフト&ウェットの“想像以上の活躍”に期待したいところなのでした。

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