吾輩はNEETである -7ページ目

真似はあんまりしないほうがいい

こんにちわ




昔横浜で働いてた頃のハナシ


10月だというのにひどく暑い日だった
昼は冷房の効いた店で冷たいうどんでも食べようと決めていたが
店に向かう途中のカレー店 "C"から漂うスパイスの香りに俺の本能は抗えなかった

昼と言っても13時をいくらかまわっていた為か店内はすいていた
店員に案内されたカウンターで いつもの辛さのカレーにチキンをトッピングしてオーダー
熱々のカレーでは冷たいうどんとはかなりのギャップがあるが
逆に涼しくなるかもしれないと思いつつカレーを待つ

カウンターの逆サイドには俺のすぐあとに入って来た男が座っていた
男は手慣れた様子で店員を呼びオーダーしている
きっと常連なのだろう

数秒後 俺は信じられない言葉を耳にした


「○○カレー 10辛で」


俺がいつも食べている2辛の実に5倍である
いつだったか もう少し辛くてもいけるかもしれないと 3辛に挑戦したことがあった
顔はトマトのように紅潮し 身体中の毛穴が開き 新陳代謝が大変なレベルまで達した事を憶えている
そんな俺には10辛など考えられない数字である

自分のカレーを食べながらも 男の様子が気になって仕方がない
水を汲みつつ一瞥する

男は特に辛そうな様子もなく ハヤシライスを食べているかのように円滑にスプーンを口に運ぶ
しかも時々首を傾げている 辛さが物足りないとでも言うのだろうか
水にも手をつけていないようだ

そして男はおもむろに手を伸ばした
その手にはカレーを辛くするスパイス "TKスパイス"が握られていた
恐ろしいことにこのスパイスを何度もかけているのである
なんという豪の者か
顔色ひとつ変えないどころか 旨そうにカレーをほおばっている

ほどなくカレーを完食し男は颯爽と去っていった





数年後 久しぶりに"C"で食事をする機会があった

俺は男の事を思い出し 初めて5辛をオーダーしてみた











こうして俺のガラスの舌は砕け散った




~fin~





10辛とかマジキチレベル(*ε* )