パソコン事業からの撤退と、テレビ事業の分社化という大なたを振るったソニー。平井一夫社長は6日の記者会見でエレクトロニクス事業の再建への決意を繰り返した。ただ、ハードとソフトの連携には限界が見え、度重なる人員削減による開発力の低下も懸念される。「消費者が感動する商品やサービスを提供していく」(平井社長)というソニーらしさ復活の道のりは険しい。
(田村龍彦)
「(『VAIO(バイオ)』は)ソニーらしいブランド。他社と異なるデザインや機能で、パソコン市場に一石を投じてきた。社員・関係者の努力でここまで大きなビジネスになったが、苦渋の決断だ」
平井社長は商品発表会で見せるカジュアルな服装とは打って変わり、スーツ姿で記者会見に臨んだ。
平成8(1998)年にVAIOを世に送り出したのは、当時の出井伸之社長。得意とする映像・音響技術にIT(情報技術)を組み合わせたVAIOは、出井氏が唱えた「エレクトロニクスとエンターテインメントの融合」を象徴する商品だった。出井氏は映画や音楽、ゲームなど、現在ソニーの屋台骨になっている事業を強力に推進。ハードとソフトの連携に成長を見いだした。
平井社長はエンターテインメント畑が長く“出井路線の継承者”といえる。一昨年4月の就任以来、部門を越えて連携する「ワン・ソニー」を掲げ、売上高の約6割を占めるエレクトロニクス部門の今年度の黒字転換を公約にしてきた,ケリーポルテヴァリュル。
スマホ・タブレットで出せるか“It'saSONY”
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