こんにちは!

いつも読んで頂き本当にありがとうございます!

 

また少し空いてしまいましたが、2021年の秋に時間を戻したいと思いますおねがい

 

前回、北陸地方で起きた地震について書いたときに「区役所が作成してくれた母の防災マニュアルがある」と書きましたが、ちょうど時期的にも重なるので、そのときの話をしますね。

 

2021年の7月に母が気管切開の手術を受けて、人工呼吸器との生活が始まってから少し経った頃に区役所から電話がありました。

 

「区役所のこども保険係のものですが…」

 

ぬぼ~っとしている私でも、すぐにピンときました。というのも、フィリップス(呼吸器)の担当者さんから「区役所から近い内に連絡がありますよ」と言われていたのです。

 

「お母様の災害対応マニュアルを作成するために近々お伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

もちろんです!

ということで、早速、日時を決めました。

 

やってきたのは若くて、とっても優しい女性。父の母国語を勉強しているとのことで、最初から父と嬉しそうにコミュニケーションを取ってくれました。

 

担当者さん:「今日お伺いしたのは、災害が起きた場合にどうするか…、あらゆる可能性を想定して、避難の方法などを確認したいと思います。まずは、今までの経緯について話していただけますか?」

私:「発病した頃からですか?」

担当者さん:「お願いします」

 

任せてください。このポンコツ女、記憶力だけは良いのですよ(無駄に)。オホホホ。

 

というわけで、2013年に歩行困難の症状が現れ始めた頃からの経緯を詳しく詳しく説明しました。この無駄に長い話に嫌な顔ひとつせず、熱心にメモを取ってくれる担当者さん。ペラペラと根掘り葉掘りをやめない私(うざい)。

 

ようやく話し終えると、「そうですか…、大変でしたね。ご家族は寝れてますか?」と、まず私達のことを気遣ってくれる優しさ泣くうさぎキューン

 

「もし可能であれば、お母様に会わせて頂き、何枚か写真を撮らせていただきたいのですが…」

どうぞどうぞ!ということで、彼女を母の部屋へ連れていきました。

 

母に丁寧に挨拶をしてくださったあと、介護ベッドや呼吸器の位置、吸引器が充電可能なものかなど、細かくチェックしてメモを取っていました。

 

「どうすれば安全に避難できるか考えないといけませんね」

そう言って、玄関から母の部屋までの距離なども測っていました。

 

ちょうど訪問看護師さんが来ていたので、普段のバイタル(血圧、脈拍、体温など)、カニューレや尿道カテーテルの交換頻度、一日の注入量(栄養剤の名前も)、尿と便の量、吸引回数なども詳しく確認。

 

「お母様の場合は歩いて避難ができないので救急車を呼ぶことになります。避難先も病院になるので、搬送されたときに「普段の状態はこうですよ」というのがあると安心なので、詳しく記しておきますね」

 

なるほどびっくり確かにそうですね!

 

「いくつかの病院に連絡して、災害時に受け入れ可能か聞いてみます。念の為、近くの学校にも問い合わせて発電機がどれだけあるかも確認しますね」

 

母は電気がなければ生きることができません。災害時に停電してしまったら即、命にかかわるのです。

「学校以外にも発電装置があるところに問い合わせて、いざというときは呼吸器を充電させてもらえるよう要請しますね」

そう言ってくださいました。

 

後日、母のための「災害対応マニュアル」が送られてきました。早速、開いて見ると、

 

☆母の基本情報(個人情報と今までの経緯が詳しく記載)

☆服薬中の薬とバイタルについて

☆人工呼吸器機器についてと栄養&排泄について

☆呼吸器の写真

☆災害時の避難について(連絡先に往診クリニックと市民病院の電話番号)

☆災害&停電が発生したときの初期対応

☆避難する場合の方法(病院の情報と発電機のあるところの情報)

☆災害に備えて用意しておくもの

☆関係者連絡リスト

 

といった内容がとても分りやすくまとめられていました。同じものをケアマネさん、往診クリニック、訪問看護ステーションにも郵送し、全員が同じ情報を共有できるようにしてくださったのです。

 

すごいなぁ…。心強いなぁ…。

 

ページをめくりながら胸がいっぱいになりました。

 

実際に災害が起きたら…、どうなるか分かりません。道路の状態によっては救急車が来れないかもしれないし、病院が被害を受けていれば、搬送されても受け入れてもらえないかもしれない…。どんなに準備をしても、災害がそれを上回ってきたら、もう受け入れるしかありません。

 

でも、区役所が「ここに避難ができない人がいます。呼吸器をつけた人がいます」ということを把握してくれているだけで、とても心強いのです。