昔勤めていた学校の、当時の校長先生が亡くなったと突然の連絡が入った朝。
ショックでしばらく動けなかった。
明るく優しく穏やかで、スラリと長身の校長先生はいつもカッコ良かった。
学園祭の開会式で生徒会に女装させられたり、生徒たちが調理実習で作った親子丼を満面の笑みで頬張っていたり、校長室の扉は常にオープンで生徒たちの出入りはいつだってWelcome
校長という立場でも生徒たちには寛大な心を持って全力で向き合う先生だった。
当時、まだ若かった私はたくさんの失敗をした。ある日、怒られるじゃ済まないかもしれない
くらいの失敗をして校長室に報告に行ったとき、校長先生は「それはまた珍しいことをしたもんだなぁ。しようと思ってもなかなかできないぞ、それ!」と笑い飛ばしてくれたっけ。
そんな校長先生は、教職員にも生徒たちにも信頼される人気のある先生だった。
私が退職してからの17年間、1度も欠かすことなく送られてきた年賀状。
毎年新しい家族写真がプリントされていて、近況が詳しく書かれていた。
定年退職後も学校のために尽力していたこと、可愛い孫にメロメロであること、大好きな山登りをしてきたこと。
私はそれをいつも、すごいなぁ、さすがだなぁ、と思いながら読んでいた。
だけど今年は明らかに違っていた。
写真はなく、山登りをやめたことと体調が優れないことが書かれていた。
とても心配したのに、どうしてそのとき会いにいかなかったんだろう、私。
車で30分のところにいるのに。
後悔したって遅いけど、後悔した。
校長先生。
あんなにお世話になったのに、いつもご無沙汰してばかりでごめんなさい。
日曜日は、必ず会いに行きます。
今日は大ちゃんを見るのは自粛。
