仕事が遅くなった日でした。

周囲を気にせず急いで帰路につきます。

駅で電車を待ってると大きな音で缶がカコーン!!と鳴り響く音がしています。


こんな時間だし、酔っ払いも多いもんなぁ…


疲れ切った私はそれ以上深く考えず電車が来たので乗り込みます。


今日はご飯…もういいや。
シャワー入って寝よう。


明日も仕事がいつも通り詰まってます。


繁華街を避けて通り、いつもと違う道だけどショートカット出来る道を歩いて帰ります。


途中でどことなく身体がざわつき始めました。


なんだろな…風邪かな。疲れてるもんな…


家に着いて扉を開けます。
閉めようとすると何かが引っかかって閉めようにも閉まりません。

え…??何事??

状況が読めず、顔を上げると見覚えのある顔が目の前にありました。

あの暴力を振るってた青年です。


もう頭は真っ白です…


ずっと感じてた嫌な予感は尾行でした。
視線も間違いじゃなかった…
今日駅で鳴り響いた缶の音も、もしかしたら気づかせるためだったかもしれない…

確信した瞬間でした。


「何?なんの用?」
「良いから開けろよ。お前は俺に会いたかったんだろ?会いに来てやったんだよ。」


嘘つけ…尾行してたくせに。
持ってた携帯で通報しようとすると携帯を投げつけられ、廊下を滑っていきました。


あー…やってもうた……
もうダメだ。


その時、たまたま隣の住人が出てきます。


「あの、もう夜中なんで…」と私へ携帯を渡してきました。
「すいません、ありがとうございます。ごめんなさい。」

謝って携帯を受け取り、渋々青年を部屋へ通す事にしました。


「近所迷惑になったじゃん。やめてくれない?」
「お前が悲鳴をウチで上げてた方が余程近所迷惑だったね」


どの口が言うか!!!!!


ムカつきが収まりません。
帰って早く休みたかったのに…


でも部屋には青年が我が家と言わんばかりに鎮座しています。
無視してシャワーの身支度を始めます。


「俺もはいりたいんだけどー」


はい、シカト。


部屋に戻ると我が物顔で私の床に横たえてます。


やめてくれーー。。。。


部屋の隅で私は体育座り。
互いに沈黙です。


ケンカになればまた何されるかわからない。
明日も仕事…
頭がぐらつきます。


眠れないまま朝を迎えます。
当時好きじゃなかったコーヒーを流し込んで会社の身支度を済ませます。


……コイツ(青年)寝てね?


私の床でいつの間にか寝てたようです。
起こしてもな〜…私、会社行けない事になっても困るし…
うーーーん…と悩みます。


えぇい!と意を決して、敢えて「優しく起こしてみる作戦」に出ました。


すると受け入れるように目を覚ます青年……
単純……


とりあえず適当にヨーグルトなどを朝ごはん代わりに差し出して、一緒に駅行こ!と家からは出しました。


あー…もうゲンナリ。


その日の仕事中、なんど寝落ちしそうになったかわかりませんでした。
ビクッとするたびに先輩は笑うし…


その日も帰ると、例の青年は部屋の前で待ち伏せしていました。
悪夢だ……と思いました。