ご訪問ありがとうございます。

 

七夕ですね。

『古今和歌集』に、織姫と彦星を詠んだ歌があります。

 

ひさかたの あまのかはらの わたしもり
        きみわたりなば かぢかくしてよ

                            よみ人知らず

『古今和歌集』歌番号174(巻四・秋歌上)

 

ひさかたの 天の河原の渡し守

        君渡りなば 楫(かぢ)隠してよ  

                                よみ人知らず

『古今和歌集』歌番号174(巻四・秋歌上)

 

[意訳]

天の河原の渡し守さん、あの人(彦星=牽牛星)が、こちらの岸に渡ったら、その舟の楫(かじ)を隠してください。あの人が帰れないように。

 

よみ人知らずですが、とても情感に溢れている一首ですね。

ところで、七夕の和歌は、良寛さんも詠んでいます。

久方の棚機つ女(め)は今もかも

    天の河原に出で立たすらし

良寛

[意訳]

棚機女(たなばたつめ)=織姫は、今も彦星を待って、天の川の河原に出て立っているのだろう。

 

「棚機女(たなばたつめ)」とは、織物を作る機織り機を扱う女性を指します。「古事記」にちなみ、天から降りてくる水神に捧げるための神聖な衣の布を、穢れを知らない乙女が「棚造りの小屋」にこもり、俗世から離れて織る、という習慣があったようです。

 

キュンと来ちゃいますね。

 

余談ですが、数日前に見た夢に、若い頃の恋人が現れました。

「いつでも来たらええやん」と言われたのですが、彼女が夢に登場するのは年に一度あるかどうか。現実に再会することも無いでしょうから、あの夢は私にとって織姫伝説なのかもしれません。

 

しょうもないオチですみません。

お読みいただき、有難うございました