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占い館ルネッサンスの右京です。
今回の記事は「大愚」を号した良寛和尚の漢詩に、勝手な意訳をつけてみました。
生涯懶立身 一生を身を立てるために費やしたくはなく
騰々任天真 あるがままに何も考えず天に任せている
嚢中三升米 頭陀袋(ずだぶくろ)には三升の米
炉邊一束薪 炉辺(ろばた)には一束の薪(まき)
誰問迷悟跡 問われることもない、迷いや悟りのしるし
何知名利塵 名を挙げことなど、ゴミのようなもの
夜雨草庵裡 雨の夜は、草葺きの小屋で
雙脚等間伸 両の脚を投げ出して伸ばす。
「騰々任天真」は、良寛さんがリスペクトしていた、曹洞宗の開祖である道元禅師の発願文、「任運(ぬん)騰騰」に倣ったものです。
現在の新潟県出雲崎市に、名主の長男として生まれた良寛さんですが、あとを次男である弟に譲って禅僧になりました。
人間関係が苦手で思慮深いかただったようで、道元禅師の教えに共感して仏道へと進んだのでしょう。
なんだか妙に共感しちゃうんですね、良寛さんの生きざまも歌も詩も。
それも一行目の「一生を身を立てることに費やしたくはなく」というところから「うん、うん」ってなるのです。
きっと商売人には向かないのかもしれません。それだも、「野心家」と評されたこともあります。
これと思ったら、突っ走るところも有りますので。
ところで、晩年の夏目漱石さん、大愚・良寛に憧れて、掛け軸を買ってたとか。やはり、惹きつけるものがあるのですね。