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占い館ルネッサンスの右京です。
表題の本、
『生まれ日占星術 個性学入門』 三命方象 著 洛陽書房刊
……について、少し書かせていただきます。
『生まれ日占星術 個性学入門』といえば、知る人ぞ知る名著ということで、古書として高値で売られていますね。
著者の三命方象(さんめい ほうしょう)氏はペンネームです。ご本名は『新推命学』 ( 上・下 全2巻揃い 東洋書院刊)
の著者として知られる増永篤彦(ますなが あつひこ)氏です。
関西で四柱推命を齧ったことがある方ならば、増永篤彦氏の名前を知らないなんて有り得へんやろ……と言われるくらいの方です。
つまり、三命方象(さんめい ほうしょう)氏と増永篤彦(ますなが あつひこ)氏は同一人物なのです。これを知らない四柱推命の占い師も極めて少ないと思われます。
だって、『生まれ日占星術 個性学入門』も『新推命学』も、占い師の間で有名ですし、中古本市場で高値で売買されているからです。おそらく、著者である増永篤彦氏の経歴が、京都大学で心理学を専攻されていた、ということも人気を集めている要因になっているのかもしれません。
さて、冒頭でも申し上げましたように、この記事で取り上げるのは、『生まれ日占星術』です。この本は、生まれた日の干支(かんし)ごと、さらに性別ごとに分けて、その個性と年ごとの運勢について記されています。
「生まれた日の干支(かんし)」は、甲子(きのえ ね)に始まり癸亥(みずのと い)に至る、60種類に分類されます。さらに、これが男女に分けてあるので、60×2=120に分類されます。
120に分類された、それぞれの個性と、年ごとの運勢(二年分)について、見開き2ページにわたって細かく記されています。まさに労作というべき本ですから、話題にならないほうが不思議なくらいです。
とはいえ、定価5,000円(税別)ですから、爆発的には売れなかったようです。何より、中古本市場で数万円単位の高値で売買されているのは、希少本とみなすのが妥当でしょうね。それに、新刊の販売部数が多ければ、ここまで高値にならないでしょうから。
ところで、聞くところによると、四柱推命の占い師だけでなく、手相や人相を観る人たちにも人気なのだとか。。。生まれ日別の個性を、いわゆる「虎の巻」にして使っているのだそうです。
ちなみに、私の場合は古書店で偶然に見つけて、面白いと思って買いました。ブームになる前に買ったので、一冊2,000円くらいでした。今の市場価格と比べると、とても良い買い物だったと思います。
それはそうと、肝心の内容ですが、読む価値はアリです。書店の占い本コーナーに並ぶ、簡易な四柱推命=十干に重きを置かない四柱推命の本よりもオススメです。
ただし、生日の干支だけ判断しているので、ややズレているところが有るのは否めません。やはり、四柱全てを診るほうが、もっと正確に判断できますから。
これを説明するために、”壬申(みずのえ さる)”の日生まれの個性を、男女に分けて例に挙げて書き出してみます。
【男性】
- 神経質で冷たい印象を与えるようなところがあるが、性格的にも線が細い。
- スマートで異常に世間体ばかりを気づかっている。
- 表面をみれば冷静で沈着なほうだが、本来は気が短く、結論を急ぐ性格。
- 生真面目で律義な人柄であるだけに、追い詰められた環境では、自分を制禦(せいぎょ)できない小心な一面もある。
- アイデアに富み、あらゆる着想をめぐらせて思索に耽るのが好きで、才腕もあるが、理想を直接現実化しようと逸(はや)る傾向が強くて大成しにくい。
- 努力家であるが、現実的で哲学性にはとぼしい。
【女性】
- いわゆる女性的でなよなよした印象はなく、表現や態度は温和であり、端正である。
- やや緊張気味のきらいはあるが、真面目で律義な性格であり、どことなく芯の強さを感じさせる女性である。
- もともと人並みはずれた努力家であり、何事にも研究熱心である。
- 周囲の人に対しても、とくに男性にたいしてきめ細かい配慮が行きとどくうえ、自分のコンディションが少々悪くても、相手のために楽しい雰囲気を作ろうと努力する献身的な面がある。
- 趣味についても研究意欲が高く、実益をかねて一芸に秀でる女性が多い。
…… 少し長くなりましたが、こんな感じです。”壬申(みずのえ さる)”の日生まれの有名人を挙げると、男性では郷ひろみさん、女性では宮沢りえさんがいらっしゃいます。
一方、”壬申(みずのえ さる)”の日生まれで、世間を騒がせた人もいます。外国人英語教師を殺害し、整形と逃亡を繰り返した男性。放火殺人や練炭殺人を犯し、死刑囚となった女性。このように、生まれ日の干支だけで、個々人の個性を推し量るには限界があるのです。
ですから、生まれ日だけでなく、生年月日と出生時刻、出生地を含めて推し量ることで、個々人の個性や特性に焦点を合わせやすくなるのですね。
さらに付け加えると、手相や人相を観察し、出生データと比較しながら推し量ることで、より細やかに占えるのです。対面で占えば、その人の表情も読み取れますから、それが理想的な占い方法ですね。。
『生まれ日占星術』に話しを戻すと、「男性との相性」が十二運で判断されていることにも少し不満です。細かく説明する余裕がないので端的に申し上げると、十二運は仏教の輪廻転生に基づくもので、陰陽五行思想とは相容れないものだと個人的に考えています。
結論としては、金銭的な余裕が有れば、手元に置いて研究するのも良いかと思います。「虎の巻」として買っても、それほど役に立つとは思えないのですが、使い方が明確にイメージできるのであれば良いと思います。要は役立て得るだけのスキルが、有るか無いかの問題です。
以上です。
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