診察室の奥には開けっ放しのドアがあって

看護師さんが行き来する

それで

ずっと「すき」と言葉に出せなかった

二年間通ってるけど

その扉閉まったことなかった


きのう

カタンて閉まって

あなたは後ろ振り向いた

わたしは

「その空間」で

はじめて二人になれたこと

嬉しかった

あなたは咳払いも止めて

窓を閉めて

今思うとおんなじ空気吸ってたんだ

とても

とても

こそばゆくって

これ以上にない居心地良い空間と

時間だった

相変わらず何話したか

あんまり詳しく憶えていない

でもそのときの気持ちと

満たされるような感覚は

はっきり憶えてる

周りなんかどうでもいいと思えるような

わたしの悩みも

「どうでもいい」と感じるような

そんな強い気持ちになれた

不安は曖昧になり

痛みに鈍くなりつつなるんじゃなくって

本当にきのうがあれば

「嫌なことなんてどうでもいいんだよ」

それは

そう思えるのは

「諦めきれない恋心」でしょうか?