寒いと


着せてもらったジャケットが


あなたのものであったらと


包むように握り締めて


強くそう思っていた



おんなじ事あって


そのときは


ただただ、しあわせだった


お付き合いしていた人の


マフラーと


ついていた香水のかおりと


そのひとのぬくもりと


混ざって纏って


寒くなくても


わざと寒いって言っていた


そのときといまは


ぜんぜんちがうのね


着せてもらったとき


暖かかったけれど


それはあなたではないと


泣きそうだった


せめて


彼の心が


私にあったなら


私の心も


あなたでなく彼に


移ったと思う


「誰か一人しか強く思えない私だから」


弱くてすがるのは


やっぱりお互い様


けれどそのシーンを


あなたに置き換えて想像するなんて


そんな事は絶対にしないけれど


切ないとは


こういう気持ちなんだね





*佳連*