たったひとつの
まんまるオレンジが
空を染め変え
雲を光らせ
白いビルはオレンジに反射する
見上げると単色でない一枚の画が
そこには広がっていて
どんなに視界を広めても
目で追いきれない程に
ただ無限に
それでも有限に在る
代わる代わる一枚の画は
表情を変える事を厭わなくて
誰にも気づかれずに悠然と見下ろす
深呼吸した後のそれはまた違う空気で
吐息は天に還って二度とは戻らない
たったひとつなのに
無限に顔を変え続けられる
けれどそれは雲があって
見下ろすものがあって
初めてまんまるオレンジは在る
だからきっと一つでは淋しくない筈